一方その頃。
とある世界にぽつりとある城の一室で、ゼムナスが一人、立ち尽くしていた。
「――お呼びですかぁ? ボスさんよ」
「……シグバール、敬語を使え」
突如お気楽な声と静かな声がして、闇の霧の中から、白髪混じりの髪を束ねた隻眼の男と、青いゼムナスに似た髪型の無口な男が現れた。
シグバールと呼ばれた隻眼の男が、ゼムナスに言う。
「俺とサイクスを呼び出すなんて、こんな城に何があるってハナシ……おおっと、こいつぁ驚いたな……」
「ゼムナス様……何故奴が……ロクサスがここに……!?」
二人は、ゼムナスの視線の先にある人物を見て、多少違うものの、驚きの反応を示した。
「彼は13番目ではない」
ゼムナスは、ベッドの上に横たわっている人物――ゼムナス達と同じ黒コートを着せられているロア――を見ながら言った。
「……それにノーバディでもない」
「では彼は?」
「彼は予備だ」
とゼムナス。
「キングダムハーツは完成しつつある……。たが、近頃の勇者のノーバディとNo.iはあまり使い物にならない。……故に同じくキーブレード使いの彼を用意した。……他言は無用だ、サイクス」
「わかりました」
サイクスと呼ばれたもう一人の男が、ゼムナスに応える。
「もう同志らが目覚める頃合いだ……二人にはこれまで通りハートの回収をさせておけ」
「御意」
サイクスはそう言うと、闇の中に消えていった。
「……で? 本当は"予備"って訳じゃないんだろ?」
シグバールの鋭い問いに、ゼムナスは頷いた。
「彼はブライアンの闇だ」
「ほぅ……要は"あのガキ"の時みたいに、心の中から闇だけを抽出したってハナシか」
「……今やブライアンがソラになりつつあるのは、彼が"ブライアン"を吸収しているからだ」
ゼムナスは、ロアを見つめながら言った。
「そのお陰で計画は順調だ。ブライアンは今頃、大切なものを奪われかっかしているだろう。そこへ彼を送り込み、戦わせれば……」
「……もし"器"が揃わなくても、こいつを"器"ないし、χブレードにする……と」
シグバールは顎に手を添えながら唸った。
「そいつぁいいけどよ、じゃあ何故ブライアンをソラにする必要が?」
「……」
「わーったよ、質問を変える。何故こいつは眠ったままなんだ?」
ゼムナスに睨まれたシグバールは、それ以上詮索をするのをやめ、代わりに話題を変えた。
「……彼は今、夢の深淵にいる。間もなくその心は完全に闇に堕ちるだろう」
「なる程、まだ"奴自身"がいるってことか」
「それが終われば、彼は我々のものとなり、この計画は最終段階に入るだろう」
ゼムナスの言葉を聞きながら、シグバールはロアを見つめてほくそ笑んだ。
「さぁて、今度の坊やはどこまで足掻けるかな?」
とある世界にぽつりとある城の一室で、ゼムナスが一人、立ち尽くしていた。
「――お呼びですかぁ? ボスさんよ」
「……シグバール、敬語を使え」
突如お気楽な声と静かな声がして、闇の霧の中から、白髪混じりの髪を束ねた隻眼の男と、青いゼムナスに似た髪型の無口な男が現れた。
シグバールと呼ばれた隻眼の男が、ゼムナスに言う。
「俺とサイクスを呼び出すなんて、こんな城に何があるってハナシ……おおっと、こいつぁ驚いたな……」
「ゼムナス様……何故奴が……ロクサスがここに……!?」
二人は、ゼムナスの視線の先にある人物を見て、多少違うものの、驚きの反応を示した。
「彼は13番目ではない」
ゼムナスは、ベッドの上に横たわっている人物――ゼムナス達と同じ黒コートを着せられているロア――を見ながら言った。
「……それにノーバディでもない」
「では彼は?」
「彼は予備だ」
とゼムナス。
「キングダムハーツは完成しつつある……。たが、近頃の勇者のノーバディとNo.iはあまり使い物にならない。……故に同じくキーブレード使いの彼を用意した。……他言は無用だ、サイクス」
「わかりました」
サイクスと呼ばれたもう一人の男が、ゼムナスに応える。
「もう同志らが目覚める頃合いだ……二人にはこれまで通りハートの回収をさせておけ」
「御意」
サイクスはそう言うと、闇の中に消えていった。
「……で? 本当は"予備"って訳じゃないんだろ?」
シグバールの鋭い問いに、ゼムナスは頷いた。
「彼はブライアンの闇だ」
「ほぅ……要は"あのガキ"の時みたいに、心の中から闇だけを抽出したってハナシか」
「……今やブライアンがソラになりつつあるのは、彼が"ブライアン"を吸収しているからだ」
ゼムナスは、ロアを見つめながら言った。
「そのお陰で計画は順調だ。ブライアンは今頃、大切なものを奪われかっかしているだろう。そこへ彼を送り込み、戦わせれば……」
「……もし"器"が揃わなくても、こいつを"器"ないし、χブレードにする……と」
シグバールは顎に手を添えながら唸った。
「そいつぁいいけどよ、じゃあ何故ブライアンをソラにする必要が?」
「……」
「わーったよ、質問を変える。何故こいつは眠ったままなんだ?」
ゼムナスに睨まれたシグバールは、それ以上詮索をするのをやめ、代わりに話題を変えた。
「……彼は今、夢の深淵にいる。間もなくその心は完全に闇に堕ちるだろう」
「なる程、まだ"奴自身"がいるってことか」
「それが終われば、彼は我々のものとなり、この計画は最終段階に入るだろう」
ゼムナスの言葉を聞きながら、シグバールはロアを見つめてほくそ笑んだ。
「さぁて、今度の坊やはどこまで足掻けるかな?」