菊の被綿(菊の着綿)きくのきせわたとは?
重陽の節句(ちょうようのせっく)は、
五節句の一つで旧暦の9月9日のこと
五節句の中でも最も大切にされています
中国、香港、マカオ、台湾、ベトナムにおいては
伝統的な祝日とされ
日本では、菊の花を飾ったり
菊の花びらを浮かべた酒を楽しんだりする習慣があったそう
旧暦では菊が咲く季節であることから
菊の節句とも呼ばれるそうです
この習慣は、平安時代の貴族たちによって行われ
重陽の日に菊の花に植物染料で染めた黄色の真綿を被せるというものでした
明くる早朝に、その綿を菊より外し、綿に含まれた朝露で体を拭くと
菊の薬効によって無病になると信じられていました
また、室町時代には「菊酒」という習慣も広まり
これは、菊を浸した酒を飲む行事で、菊の香りが酒に移ると信じられていました
これらの風習は、古くは京都や上方地域の一部で行われていましたが
現代ではほとんど見られなくなりました
このような伝統的な習慣や風習の背後には、菊の花や香り
薬効に対する信仰や感謝の念があり、重陽の日が特別な日とされていたようです