このたくさんのお手紙、
母がもらったファンレターです。
ファンレターというよりは、励ましのお手紙ですね。
ありがたいです。
母の短歌は、このブログにも何度か載せていますが、
ALS患者となり、手足の動きも、声も、食事する機能も
全てなくしてしまった母は、
かろうじて動く、
右手の中指の指先でパソコンソフトで
我流で、
自分の気持ちを短歌に歌うようになりました。
母の歌を
妹がパソコンで打ち出しプリントアウトしたものを、
(クリックで大きくなります)
今までお世話になった皆さん、
お見舞いに来てくださった皆さん、
心配いただいている皆さんに、
近況報告を兼ねてお礼にお送りしたところ、
思いがけず、
こんなたくさんのお手紙をいただいたのだそうです。
私の知り合いからも、
たくさんのメールをいただきました。
『涙がでました。』
『頑張って。ありがとう。』
『何もできないけど、力をもらいました。』
いっぱいいっぱいのエールに、
私も涙が出ました。
すごいなー。
動けなくなって、
会話やゼスチャーなどのコミュニケーション方法を全て断たれて、
それでも指先一つで作るこの短歌に、
これだけたくさんの方が感動して、
長い長いお手紙を書いて送ってくださるという手間をかけてくれる。
短いたった3行の歌が、
これだけ人を感動させるって、
すごいなーと思います。
母は、相当おしゃべりな人でした。
スーパーや、道端で誰かと会ったらそのたびに話し込むので、
私は小さい頃、自転車の後ろに乗って一緒に買い物に行くのが億劫だったほど。
今、母は、
両手足の自由を奪われ、
首を動かすこともできず、
全く声も出せず、
呼吸も人工呼吸器を使っています。
筋肉をむしばむALSという病気の特徴として、
全ての機能を奪われるけれど、
脳や感覚器だけは全く正常です。
意識もなく動けないのではなくて、
普通の意識の中で、
だんだん最低限の自由をも奪われていく病気がALSです。
病気を宣告された時、
最初は絶望的な気持ちでした。
今も、いったい、いつまで母の指先の動きが奪われずにすむのかわかりません。
考えること、感じることは普通の人と同じようにでき、
脳の中身はそのままに、
目をあけることさえもできなくなる日がいつか来るのかもしれない。
でも今、
私も母も、たぶん家族も、大変な中でも、
幾分かは、
病気にとても感謝してます。
こんなすごい病気になったから、気付けたことがたくさんあった。
私が、チャリティー講座を始めるきっかけになったのも、
母の病気でした。
チャリティーメーク講座は、
多くの人が賛同してくださり、
今も大きくなりつつあります。
私たち家族の関係はとても良くなりました。
絆が強くなった。
考える時間をたくさん与えてくれる病気だったから、
今みたいに幸せになれて良かったなーと思います。
こんなたくさんの方々から、
こんなに心のこもったお手紙を、
こんなにたくさんもらうなんて、
すごいなーと思います。
おしゃべりだった母は、話すことが不可能になって、
より多くの人に大きなことを伝えられるようになった。
人生ってそういうものなのかな。
先日、五日市剛さんから久々に電話をいただきました。
以前に、私が主催させていただいた、五日市さんの講演会に、
まだ車いすだった母を連れて行ったことがあるのです。
母はそのとき、
五日市さんの講演そのものももちろんですが、
私の周りにたくさんの人がいてくれるのだということを初めて目のあたりにして、
何よりそれを喜んでくれました。
この母の短歌のプリントを、五日市さんにも贈ったんです。
とても感動してくれました。
いつもカバンの中に入れて読んでるんですよ。
力をもらいます。私などに送ってくださってありがとう。と、言ってくださいました。
母の病気は不思議なことに、
短歌を書き始めてから尚、
急激に進行が遅くなっています。
普通の暮らしから、あっという間に
呼吸機能まで奪われるほど進行した猛烈な病気の進行が、
うそみたいです。
人を感動させることって、
不治の病もやっつけてしまうのかもしれませんね。
世の中はきっと、
目に見えないところに、
大きな大きな力があるんだなーと思います。
人の感動や、喜びは、目には見えないけど、
病気を明らかに、良くしてくれてます。
ありがたい。

