丸くなるディスプレー デザイン自在IGZOの優位性…多様な付加価値に見出す「競争力」
http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/140908/wec14090807000001-n1.htm
時速40キロ、80キロ…。自動車の計器盤に搭載された液晶ディスプレーに、速度を示す数字とともに針が動く映像が表示されていた。ディスプレーは長方形、という固定観念を覆す円形だ。
「この形の自由度は出せない。他社はすぐには追いつけない」
6月18日、大阪市阿倍野区のシャープ本社で開かれた中小型パネルの事業発表会。電子部品部門を率いる方志教和専務は、こう胸を張った。
液晶パネルは通常、表示部分の外側に駆動用回路を配置するスペースを確保する必要があるため、四角形にしかならなかった。制約を取り払ったのは、高精細で低消費電力の液晶パネル「IGZO(イグゾー)」技術だ。
サムスンとは違うのだよ。サムスンとは…
IGZO液晶に使う酸化半導体は従来のシリコンに比べ小型化が可能なため、回路を表示部分内に収めてディスプレーを自由な形状にデザインできる。
方志専務は「いま優位にある高精細という競争軸もいずれは追いつかれる。そのときに新しい競争軸としてデザイン性を打ち出すためにも重要な技術革新」と強調する。
世界的に自動車の生産台数が伸びる中、シャープはこの液晶パネルで車載分野への参入に挑む。

サムスンとは違うのだよ。サムスンとは…
IGZO液晶に使う酸化半導体は従来のシリコンに比べ小型化が可能なため、回路を表示部分内に収めてディスプレーを自由な形状にデザインできる。
方志専務は「いま優位にある高精細という競争軸もいずれは追いつかれる。そのときに新しい競争軸としてデザイン性を打ち出すためにも重要な技術革新」と強調する。
世界的に自動車の生産台数が伸びる中、シャープはこの液晶パネルで車載分野への参入に挑む。
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かつて主力だったテレビ向けの大型パネルは価格下落が進み「売れば売るほど赤字になる」(大手家電幹部)状態。高橋興三社長も「大型液晶パネルについて社内でもっと議論し、しっかり考えなければ」と強調する。
鍵を握るのはフルハイビジョンの4倍の解像度を持つ「4K」だ。テレビの地上デジタル放送移行による特需で売れた薄型テレビが買い替え時期にさしかかったこともあり、存在感を増しつつある。
番組づくりも進み、テレビ局や家電メーカーでつくる一般社団法人・次世代放送推進フォーラムは6月からCS放送で4Kの試験放送をスタート。平成28(2016)年の4Kの本放送を目指す。
シャープは、NHK放送技術研究所と共同で4K対応の液晶パネルの開発を進める。4Kの4倍の画質を持つ「8K」の開発にもいち早く乗りだしており、フォーラムも「需要ができるより先にハード(製品)をつくる姿勢が鮮明だ」(馬場俊明普及広報部長)
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街頭やオフィス、学校で使用される業務用ディスプレーも大型液晶の可能性を広げている。
シャープは22年6月、複数の大型パネルを組み合わせて1つの映像を出力するマルチディスプレーを他社に先駆けて発表。超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)にマルチディスプレーを含め100台以上を納入した。
今年6月には学校やオフィス向けの電子黒板のシリーズに、機能を絞り込み従来比で価格を約4割下げて1台約39万円に設定した製品を追加するなど、多角的な展開に乗り出している。
ただ、液晶をめぐる環境は常に激しく変化する。ここ数年で中国で大規模な液晶パネル工場の稼働が相次いでおり、いずれ価格下落の波がシャープの収益を支える中小型にも押し寄せそうだ。IGZO技術でシャープの反転攻勢の拠点となりつつある亀山第1、第2工場(三重県亀山市)も安泰とは言い切れない。
しかし、水嶋繁光副社長には確信がある。「工場の稼働率ありきの生産を改め、顧客ニーズに耳を傾けながら付加価値をつけていけば、液晶はディスプレーとしての可能性をいくらでも広げることができる」