米大統領、拉致に関心低い 首相訪米時に感触、飯島氏の訪朝決断
飯島勲内閣官房参与は18日、北朝鮮訪問を終えて帰国したが、安倍晋三首相が今年2月の日米首脳会談で、オバマ米大統領は拉致問題に関心が薄いとの感触を得ていたことが同日、分かった。これを受け、首相は「日本が主体的に進めていかなければ解決しない」(15日の参院予算委員会)との判断に傾き、米韓両国への事前連絡なしに飯島氏の派遣に踏み切った。
首相は首脳会談で「拉致問題は自分の政権のうちに完全に解決する」と決意を伝えた。これに対しオバマ氏は拉致問題に言及せず、核実験に伴う制裁強化に意欲を示しただけだった。
首相は17日の月刊誌「Voice」のインタビューで、「拉致問題はほかの国が協力するといっても温度差がある」と言及した。核・ミサイル問題に比べ、米政府の関心が低いことを示唆した発言だ。
首相は今後も日朝交渉を官邸主導で進める考えだが、パイプ役は飯島氏に託すしかないのが現状で、どこまで進展させられるかは未知数だ。
飯島氏の訪朝は「北朝鮮の呼びかけ」(首相周辺)に応じたもので、北朝鮮側はメディア戦術も駆使。政府内には「日米韓の対北朝鮮包囲網にクサビを打ち込もうとする外交戦術に利用されたのではないか」(高官)との懸念もある。
16日から来日していた米国のデービース北朝鮮担当特別代表は18日、帰国を前に「北朝鮮が各国の立場の違いにつけ込み、分断を図ろうとすることは分かっていた」と述べ、飯島氏の訪朝を6カ国協議参加国の分断工作との見方を示した。
