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田村憲久厚生労働相は14日の閣議後の記者会見で、今国会に提出する生活保護法改正案の条文に、受給申請者に資産や収入を書面で提出することを義務づける規定を盛り込む方針を明らかにした。田村氏は「運用でやっていたことを法律に書くだけ」と述べたが、申請手続きを厳格化する内容とあって、受給者の支援団体からは「(自治体が受給申請者を体よく追い返す)『水際作戦』を助長する」との批判も出ている。

 政府は生活保護法改正案を17日に閣議決定する。改正案では生活保護の受給申請者が自治体の窓口を訪れた際、氏名や住所などのほかに、本人の資産と収入、さらに民法上扶養義務のある親族(本人の直系血族と兄弟姉妹)の扶養の状況を記した書面の提出を義務づける。

 現行法に申請要件は明記されていない。自治体は申請者に住所などを記してもらい、資産と収入を調査したうえで保護費支給の可否を判定している。資産や収入の文書での提出は義務づけられておらず、口頭申請を認めた裁判例もある。

 厚労省が申請要件を厳格化するのは不正受給防止の観点からだ。しかし、受給者の支援団体によると、従来も自治体が必要性の低い書類の提出を求めるなどし、生活困窮者を追い返した事例が複数報告されているという。14日の民主党の会合では、生活保護制度の見直しを議論する社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会委員を務めたNPO法人ほっとプラス代表理事、藤田孝典氏が「特別部会での話し合いにはなかった内容で、議論なき法改正だ。申請権を侵害している」と指摘した。

 厚労省は同じ会合で「現在の運用を変えるものでない」と理解を求めたが、野党は「水際作戦の合法化だ」と批判を強めている。【遠藤拓】