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菅直人首相は、メドベージェフ・ロシア大統領の国後島訪問を「NHKの報道で知った」そうだ。なんとも危機管理の出来ていない首相ではないか。

一時帰国した河野雅治駐ロシア大使は今回のロシア大統領の国後訪問を、「国内向けに指導力を誇示する狙い」と空疎な説明をし、首相は、引き続き分析せよと無意味な指示を与えた。

大統領は中国を訪問した直後の9月29日に、「北方領土はロシアの非常に重要な地域」「必ず近く訪問する」と表明した。だが、仙谷由人官房長官は同日、こう述べた。

「具体的な訪問計画に言及したものではない」「冷静に受け止めるべきだ」

危機感がないのである。大統領の国後島入り直後の11月1日午前、仙谷氏は、今度はこう述べた。

「どういうつもりなのか、これから調査をしなければならない。大統領、政府が何を言うのか、きちんと把握してしかるべき対応措置を考えていかねばならない」

9月末の計画発表以来、仙谷氏はひと月あまりも何をしていたのか。政府内には、事実上政権を運営する仙谷氏を筆頭に、首相も含めて大統領の国後訪問に懐疑的な見方があった。理由の一つがアジア太平洋経済協力会議(APEC)での日露首脳会談を行いたいと希望し、行えるとの感触を得ていたことだ。日露、日中首脳会談をこなして、一つの国際会議の成功のかたちをつくることが、領土問題で日本の立場を主張するより大事だと取れる対応である。この国益なき菅、仙谷外交は、外務官僚によっても奨励されたと思われる。

河野大使は10月28日、モスクワで「具体的な訪問の計画があるとは承知していない」と、述べている。領土という重大な国家主権問題について、情報収集も分析もまったくできていなかったのだ。結果として、政府は「冷静に」もしくは「理性的な」対処という美しい言い訳の下で無策を通した。

河野大使は今回、冒頭で触れたように、「ロシア大統領の行動は国内向け」だと述べたが、同じ類いの説明はこれまでも繰り返し、外務省から聞こえてきた。尖閣の領海侵犯事件での中国の対日強硬策を、外務省は中国の国内事情が背後にあると説明する。強硬な軍部の主張やネット上の強硬な国内世論を鎮めるためだとの訳知り顔の説明である。それに自民党も民主党も便乗して、「だから、日本は理性的に対処すべきだ」と結論づけ、結局、傍観するという日本外交の原型が出来上がった。

今回もどの新聞にもこの類いの情報が溢れた。2011年末のロシア議会選挙と12年春の大統領選挙を控えて、「強い大統領を印象づけることが必要だった」という類いの説明である。選挙が理由なら1年以上も前のパフォーマンスはムダだ。忘れられてしまう。大統領の北方領土訪問は国内事情よりもなによりも、ロシア政府が北方領土を自国領としてより強烈に確認するのは国家意識なき民主党政府の今が絶好のチャンスだと考えたからだ。

ロシア政府は今年初めて、「カチンの森」事件をスターリンの犯罪だと認めた。ポーランド侵攻から始まった第二次世界大戦で、旧ソ連はポーランド軍の将校ら2万人以上を銃殺し、カチンの森に埋めた。彼らは決して、この虐殺を認めようとしなかったが、ポーランド政府は真相究明と謝罪を求め続け、国際社会を味方につけた。その事実の前に、ロシアは利害得失を考え、自国の犯罪を認めざるをえなかった。

スターリンの犯罪という点では、北方領土の不法占拠も、6万人以上の日本人のシベリア抑留も、さらに女性たちが犠牲になった数え切れない蛮行も、同じである。にもかかわらずロシアの対応は天と地ほども異なる。理由は一つ、菅、仙谷両氏らを筆頭とする日本外交の無策ゆえだ。日本が自国の立場を強く主張し続けることが大事である。


*日本の濡れ衣は沢山あります。米国の資料に濡れ衣を晴らす証拠が

 沢山有ると思うのだが・・・・・