「伝わること」はちがう
昔から、芸術とかクリエイティブなことは天賦の才能だと思っていた。
正直言いますが、私にはクリエイティブな才能はありません。
小学生のときの図工の時間も、休日の料理の盛り付けセンスも、研修中に絵を描いてみたって、見た人は苦笑するくらいに下手であると言うでしょう。
結婚式2次会の最後に流れる映像制作を見るたびに、どうしてこんなに絶妙なタイミングで感動する音響とことばを紡ぐことができるのだろう、とか
一眼レフで旅行先の景観を撮影しても、どうしてこれほど立体的な自然をフレーム内に収めることができるのだろう、とか
同じ空気を吸って、同じ空の下で生きている人間なのに、不思議で仕方がありませんでした。
けれど最近、クリエイティブな時間や人から学ぶことで、もしかすると非凡な才も工夫と努力を重ねることで少しは変われるのかもしれないと思い始めました。
完全は無茶な話ですが、拙すぎる私の創作性も、武器を少しだけ身に着けるだけで、今よりかは遥かににマシになるであろうという意味で。
先日、お世話になっている方のご紹介にて、大手広告代理店D社のCMプランナーの方から学ぶ研修を受けて参りました。普段、人材育成というかたーい業界にいる自分にとっては、目から鱗の思考と技術のオンパレード。
そこで学んだことが、自分では「伝えた」つもりであったのが、実は全然「伝わっていなかった」ことでした。「伝える」ことと、「伝わる」ことは、丸っきり違うのです。人は自分を2割増しで過大評価しがちです。そのバイアスに気付かないことも多いから、誤解が生じたり、すれ違いが起こったり、「自分はなぜ認められない?」と憤慨したりもするのです。
ああ、「ことば」を巧みに操りたい・・・
本気で、そう思います。
10,000時間の法則というものがあります。それはマルコム・グラッドウェル氏が提唱したもので、その道で10,000時間練習を重ねればあるレベルに達することができるというものです。
たとえば1日8時間トレーニングを重ねたら、おおよそ4年かかります。
単純に、この法則にのっとれば、「相手に伝わり、相手を動かす」達人になるためには、4年かければ上達するのかもしれません。
けれども、通常はもう既に他の仕事に従事しているし、果たして10,000時間も確保できるのか。
であれば、プロに学ぶのが確実です。
私のように効果的な学びを受けるのも最高だし、読書からも大きな発見も星の数ほど手に入れることができます。
そんなときに、先ほどのD社の講師の方より推薦されたのが、H社の方が著者の、この本です。
書店に駆け込む時間が惜しいので、即手元のKindleにて購入し一気に購読。休日、子供の昼ごはんをつくるのを忘れるほど、読みふけりました。
佐々木圭一著 ダイヤモンド社
そして早速、著者の佐々木さんが提唱する技術を使ってみました。
実はある連載を抱え込んでいて、なんと締切を1週間もオーバーしており編集者さんはことごとく怒っていたと思います。延期をしたのは、120%私のタイムマネジメントミスです。いくら出張が重なって拘束されていたから書けなかった、なんていう理由は社会人にとっては通用しません。
けれども、こちらの本にあったある技術を応用し、締切オーバーのお詫びを原稿とともに送ったところ、彼女からは心のこもった御礼と、私の体調を気にする労いの愛情までもが返ってきたのです!通常であれば立腹並みの対応であっても仕方ないのに、「伝え方ひとつで人はこうも変わる」のだと、身に染みてその偉大さを見せつけられました。
(ただし、締切を守らない私が悪いのは変わりません。善良な皆様、くれぐれも締切は守りましょう(笑)
本当に、良書です。営業の現場ではもちろん、あらゆる職場に仕える「ことばの魔法」が身につくこと必至。いいこと言っているのに、伝え方を間違えると台無しになってしまうことは9割なので、自分も肝に銘じてトレーニングを重ねたいと思います。
ああ、私もことばづかい、上手くなりたい!
それでもやっぱり、プロの「ことば」は真似できないし、惚れ惚れしちゃいますけどね(笑)
