Le long du quai les grands vaisseaux,
Que la houle incline en silence,
Ne prennent pas garde aux berceaux
Que la main des femmes balance.

Mais viendra le jour des adieux ;
Car il faut que les femmes pleurent
Et que les hommes curieux
Tentent les horizons qui leurrent.

Et ce jour-là les grands vaisseaux,
Fuyant le port qui diminue,
Sentent leur masse retenue
Par l’âme des lointains berceaux.


波止場に浮かぶ、釣舟よ
しじまの波に揺らされて、
舟は気づかぬ、揺り籠よ
妻の片手に揺らされて。

じきに別れが来るだろう
妻は泣かねばならぬから、
惑いの海へ立ち向かう
男の定めなのだから。

波止場離るる、釣舟よ
後ろ見やれば、あの地上、
我が子の声をふと想う
遥か彼方の揺り籠よ。

« Le long du quai » de Sully Prudhomme
「波止場に沿って」シュリ・プリュドム








高踏派詩人シュリ・プリュドムが1865年に残した詩篇"Le long du quai"(波止場に沿って)は、今日ではガブリエル・フォーレによる歌曲"Les berceaux"(揺り籠)として名高い作品です。

海に出た男たちの帰りを涙ながら待つ妻たち。揺り籠を揺すりながら赤子に聞かせる子守歌のようなこの美しい歌曲は、過酷な船旅に出る男たちの運命と、父親のいない子供たちへの母の悲哀に満ちています。





⦅フランスのソプラノ、ニノン・ヴァランによるガブリエル・フォーレ作曲"Les berceaux"(揺り籠)⦆



今回は詩篇の世界観に相応しい装いのスマイリング・ブリュと一緒に。最も小さな号数「A.」でありながら、大変手の込んだオール・オリジナルの衣装を着た子です。

ご覧の通り彼女は乳母の衣装を身に纏っています。オリジナルの小さなチャイナドールの赤子を腕に抱き優しく微笑みかける姿は、まるで本当に子守歌を口ずさむかのようです。遥か彼方の海を思わせる美しいブルーの瞳と衣装が、プリュドムが描く憂い込めた慈母の姿を彷彿させます。