Des jardins de la nuit, s’envolent les étoiles.
Abeilles d’or qu’attire un invisible miel,
Et l’aube, au loin tendant la candeur de ses toiles,
Trame de fils d’argent le manteau bleu du ciel.

Du jardin de mon cœur qu’un rêve lent enivre
S’envolent mes désirs sur les pas du matin,
Comme un essaim troublé qu’à l’horizon de cuivre
Appelle un chant plaintif éternel et lointain.

Ils volent à tes pieds, astres chassés des nues,
Exilés du ciel d’or où fleurit la beauté
Et, cherchant jusqu’à toi des routes inconnues,
Mêlent au jour naissant leur mourante clarté.


星々よ、夜の庭より去る様は、
蜜に誘われる、黄金の蜂、
暁は、滲み一つなき布広げ、
空の羽織に、銀糸織りなす。

陶酔の心の庭より、我が望み、
朝の轍へ飛び去る様は、
赤銅の地平で藻掻く、蜂の群れ、
招く哀歌よ、遥か常しえ。

星々よ、美が咲く夜明けに追われては、
雲に払われ、君へ飛びゆく、
君がため、見知らぬ旅路探しては、
曙光に溶ける、幽けき光。

Le chapitre quatre de « MATUTINA » d'Armand Silvestre
「マテュティナ」第四章、アルマン・シルヴェストル








この詩篇のタイトルである"matutina"は、ラテン語で「朝の」を意味する形容詞の女性活用を指し、詩人アルマン・シルヴェストルが自身の作品に度々好んで用いた独自の表現です。

1882年に発表された詩集"Le Pays des roses"「薔薇の國」より"Impressions et Souvenirs"「痕跡と記憶」と題された章にて登場する"MATUTINA"は、八つもの章で区切られた長編詩であり、上記はその四章目の詩篇になります。







星々が消えゆくかわたれ時から、燃えるような朝陽が徐々に昇る、心奪われるような風景美。星の光を蜜蜂に、白む空を銀糸に準えた夢見るような比喩の表現は、さながら星々のように瞬くパールの光、曙のように照り輝くシルクサテンに包まれた、我が家のE.J.の姿を何処となく彷彿させます。

この詩篇は、作曲家ガブリエル・フォーレが"Aurore"「夜明け」と題し、聴く人を柔らかな旋律に包み込む、一つの美しい歌曲に仕立てたことでも知られます。





⦅フランスのアルト、ナタリー・シュトゥッツマンによる"Aurore"⦆



今回、この詩篇と共にご紹介するのは、Depose E.J. 12号用の素晴らしいモヘアウィッグ。アメリカのドールウィッグ作家ダイアナさんにオーダーメイドして頂きました。

深みのある上品なブロンドに、豊かな美しい巻き髪。眉色にぴったりな自然な毛色から、ダイアナさんの素晴らしいセンスが伺えます。アンティークドールに相応しい、モヘアの自然な艶めきが曙光のように美しいです。







ちなみに、この晴れやかなシルクサテンのドレスは、かつて私が彼女のためにお迎えしたアンティークのアウトフィット。19世紀当時に作られたジュモー12号用のオリジナルドレスで、ボディスの前面にパールが装飾された何ともゴージャスな一着です。

艶やかなモヘアの巻き髪とドレスのおかげで、まさに詩人が求める「美が咲く夜明け」のように、一層煌びやかな光を放っています。