寒い日が続きますね。
本日は獣医師の軽いコラムをお送りします。
冬になると、猫ちゃんの飼い主さんあるある(かもしれない)なのが、、、
にゃんこ(ゴロゴロ)
人「あらあらかわいいねえ」
撫でよう
さわっ・・・
バチィッ!!!
走る静電気!
人「痛っ!!」
にゃんこ「(怒)!」
というような
人も悪気はないんですけどね
(むっ)
このように、冬に猫ちゃんを撫でると、
パチッとなってしまった経験をされた事のある
飼い主さんも多いかと思います。
(診察中も気をつけてはいますが、
起こってしまうことがあります)
なぜ猫ちゃんに冬場、
静電気が発生しやすくなるのか・・・。
こちらについてお話ししてみます。
−そもそも静電気って??
物質(生体もふくむ)には、
それぞれ+(プラス)と−(マイナス)の電気が、
等しいバランスで存在しています。
他の物質との摩擦(擦れること)があると、
片方の物質に、−の電気が移動していきます。
そして、−が多めの物質と、
+が多めの物質が出来あがります
(どちら側になるかは物質の性質によります)
このたまってしまった電気(のかたより)を
静電気 と呼びます。
(ちなみに雷も静電気です)
このたまった電気が、他の物質と接触した際に
一瞬で流れる(放電する)と、
バチッと痛みが走ったりするのですね。
静電気の大きさには、
帯電列というものが大きく関係しています。
帯電列とは、
静電気のたまりやすさを並べたものです。
塩化ビニール(←下敷き)
ポリエチレン
アクリル
ポリエステル(←フリースとか)
ゴム
金属
紙
ガラス
人の皮膚
木材
綿
絹
ナイロン
羊毛
人毛、毛皮(←人の髪や猫ちゃんの毛)
上のものほど、−に帯電しやすく、
下のものほど、+に帯電しやすくなります。
真ん中のものは帯電しにいものです。
帯電列が離れているものほど、
摩擦で静電気がたまりやすくなり
(髪の毛を下敷きでこする懐かしのアレとか、
冬場フリースを脱ぐとパチパチしたりしますよね)
更に、帯電列が離れている物質に触れると、
より多くの電気が流れます。
冬場にご自宅の猫ちゃんが、
毛布やカーペットにゴロゴロしていたり、
潜っている微笑ましい光景を
よく見られると思います。
毛布やカーペットは、
ポリエステルやアクリル製が多く、
−に帯電しやすいので、
+に帯電しやすい猫ちゃん(の毛)は、
すでに結構な静電気をためていたりします。
−にゃんこ「えっそうなの!?」
−そうなんです。
そして静電気は細いものほど先端に集まり、
大きく放電する性質があるので、
猫ちゃんの毛はそういう意味でも
静電気が起きやすくなります。
更に長毛の猫ちゃんは、
ブラッシングなどでもたまっていきます。
(毛とブラシの摩擦による)
−じゃあどうしたらいいの・・・?
たまる静電気の量を減らす
まず、我々の静電気の量を減らしましょう。
減らすことで、猫ちゃんとの静電気が起きにくくります。
私たちも冬場は暖かい素材を身につけますが、
フリース素材やアクリルは、
静電気を起こしやすくなります。
肌に直接ではなく、
綿素材のものを挟んだり、
ウール素材などを活用しましょう
お部屋のカーペットや敷物の素材の見直しも、
可能でしたらやってみましょう。
猫ちゃん用の敷物やベッドなども、
フリース素材やアクリルなどの
ふわふわが多いと思いますが、
一枚上に綿素材のものを敷くのも良いです。
こまめに放電しておこう
生活の中である程度は静電気はたまりますので、
こまめに放電して、
静電気を逃しておくと良いでしょう。
それには他の物質に静電気を流してしまえば良いので、
帯電列が近めの木製のものなどに触れましょう。
触れるときは、面積が狭いと流れる電気が大きくなるので
手のひらなどで大きく触れるのがオススメです。
金属に指先で触るのはやめましょう←本当に痛いですから
バチッ
(こういう感じは危険です)
猫ちゃんに触れるときも、
冬場は指先でちょいと触れるより、
手のひらで触れることをオススメします
今は便利な静電気除去グッズもあるようです。
乾燥を防ぐこと
水は電気が流れやすいため、湿度が高いと、
空気中に自然と静電気が流れていきます。
冬場に静電気が多く感じられるのは、
湿度が低いせいなのです。
室内の加湿は是非して頂きたいですし、
カーテンなんかに霧吹きで水をかけるなども有効です。
人の肌を保湿することも大事ですので、
手にハンドクリーム(猫ちゃんに害のないもの)をつけたり、
猫ちゃん本人の被毛の保湿も大事です。
ブラッシングの後に(嫌がらないようであれば)
お湯で濡らしたタオルで軽く拭いてあげてるのも良いでしょう。
以上、猫ちゃんを撫でると発生する静電気について
書いてみました
寒い時期にお膝に猫ちゃんが乗ってくれると
身も心もあったまりますよね
※静電気は、わんちゃんでも勿論ありえます。
私の経験では猫ちゃんの方が多いですが、
(毛の質なども関係しているのかもしれません。
ゴロゴロすりすりが猫ちゃんの方が多いから…?)
わんちゃんも同じ原理で起こります。
わんちゃんの場合は、
お洋服を着てる子などは
お洋服の素材を綿や綿混などにすると、
良いかなと思います。
寒い時期はフリースなんかの下に
綿素材のお洋服を着せてみるのもありですよ