家族で見ているテレビの音が、「うるさい」と感じる人はいませんか?
耳鳴り仲間とTV音の話をしていると、年齢層が比較的に高い方に聞きにくい方があるようです。
”TV音がうるさい” 、 ”聴きにくい” という方も結構いて驚きました。
高齢化になって、TVの音が聴こえにくく苦手な方も多くなるものの、合わせてうるさく感じる人も少なくないようです。

私も耳鳴りになってから家でPCに向かっている時、TVをバックグラウンドに点けておくことが多くなってしまいました。
耳鳴りの音の気配を、少しでも静かに環境から脱皮したくて。
でも、時々すごい音が気になって、ドキッとすることもあります。
テレビ音量が大きる感じる原因
聴力に問題がない方なのに、テレビの音がうるさいと気になってしまうことがあります。
テレビの音量が大きくなってしまう原因として、次のような原因が考えられるでしょう。
加齢による聴力の衰え(加齢性難聴)
年齢と共に、だんだん耳が遠くなってくる傾向があります。
音を感知して脳に伝える役割を持つ "有毛細胞" が加齢と共にダメージを受け、聴力が衰えて。
加齢による聴力の低下は「加齢性難聴」と呼ばれています。
これが、耳鳴りを発生する大きな要因だとも考えられています。
”テレビの聴こえづらさに関する調査” では、テレビの音が聴こえにくくなったと回答する方が50代で3割、70代になると約半数を占める結果となりました。
加齢性難聴によるテレビの音の聴きにくさを解消しようと、合わせて周りの音量を上げるので、周囲の方は一気にうるさく感じてしまうのです。
これが、TVを聴いているとうるさく感じる主原因かも知れません。
鮮明に言葉を聴き取る力の低下
音自体は耳に入っていても、言葉が鮮明に聴き取れないと正確に理解できません。
音を識別する「語音弁別能」も、年齢とによって低下していきます。
テレビの音は聴こえているのに何を言っているのかわからないと、内容を理解することに疲れたり、面白さが伝わってこなかったりと、不便を感じてしまうでしょう。
そのため、言葉をハッキリ聴き取ろうと、ついテレビのボリュームを大きくしがちになるのです。
「語音弁別能の低下」(ごおんべんべつのうのていか)は、言葉の音を聞き分ける能力が低下することを意味します。
語音(ごおん)は「言語の音」、つまり話し言葉の音のことです。
弁別能(べんべつのう)は「違いを区別して識別する力」のこと。
つまり、「語音弁別能」とは話し言葉の音(例えば「さ」「た」「か」など)を聞き分けて理解する力なのです。
● 主な原因
⑴ 加齢
→ 聞こえ自体が悪くなくても、脳で音を処理する力が落ちる
⑵ 脳の疾患やダメージ(脳梗塞・認知症など)
→ 言葉を音として捉えても、それを意味しとして処理できにくい
⑶ 聴覚情報の伝達の障害(中枢性聴覚障害)
→ 言葉を音として捉えて
● 対応
補聴器の調整(単に音量を上げるだけでなく、聞き取りのトレーニング)
聴覚リハビリ(語音の聞き分け訓練)
環境の工夫(静かな場所での会話、ゆっくりはっきり話す など)
テレビ周辺の環境
テレビが設置されている周辺の環境によっても、音量が左右されます。
例えばテレビの近くにキッチンがあると、調理の音に影響されてどうしてもテレビの音が聴こえづらくなります。
部屋の材質によっては、音が反響し過ぎて聴き取りにくいこともありませんか。
周辺の環境や、反響の度合いによってテレビの音が聴こえの状況が変化すれば、音量を上下して対応しようとするのもやむを得ません。
テレビ周辺の環境は、視聴時の快適さや部屋全体の印象に大きく影響します。最適な視聴距離や、テレビの配置、周辺の家具や雑貨の選び方などを考慮することで、より快適で魅力的な空間に演出できます。
● TVとの距離
液晶テレビは、画面の高さの約3倍の距離を目安に視聴することが推奨されています。
短かい位置や広い場合は音の感度が違ってくるようです。
● テレビの高さ
テレビの高さは、視聴者の目線よりもやや下になるように配置することで、より快適に視聴できると言われています。
でも、テレビの高い位置で見ているご家庭も多いようです。
気にならない方も多くいるのですが、高さを気にする人も存在します。
● 直射日光
直射日光が当たる場所は、映像の反射や画面の明るさの調整が難しくなるためになるべく避けることが必要です。
画像に対する変化と共に、その映像がなんとなく音の聞こえが変化する気持ちになって、穏やかさが去って行くことはありせんか。
● 窓との位置
窓との位置は正面にしたり、隣に置いたりすると反射の仕方も色が1日中変わってしまうと共に音も影響されます。
これからの夏シーズンは、なるべく変化のある光景を感じないところに置くことが大事なようです。
テレビの演出や出演者の話し方
多くのニュース番組は問題なく聴こえるけれど。
バラエティー系の番組になると、話の内容があまり入ってこないと思ったことがある方が多いようです。
テレビの演出や出演者の話し方によっては、音量を上げないと聴こえにくい場面がありますが。
ニュースを読み上げるアナウンサーは、発生のトレーニングをしているので聴き取りやすいでしょう。
一方、BGMが流れていたり、大勢でガヤガヤ話していたりする場面では、会話の内容が不明瞭になりがちです。テレビの音がうるさいのは、演出などで何を言っているのか聴き取れないからかもしれません。
テレビのうるさいことの懸念
テレビの音量が大きくなるのは、聴力の低下だけでなく、設置環境や演出なども関係しています。
とは言え、テレビの音がうるさい状況をそのままにしておくのは、好ましくありません。
その理由はテレビの音がうるさいと、さまざまなリスクが懸念されるためです。どのようなリスクがあるのか、把握します。
難聴を引き起こす可能性
大きい音にさらされ続けると、難聴を引き起こす可能性があります。
大きな音が原因で難聴を発症するのを、音響性難聴(音響外傷)と呼ばれています。
大きい音を聴き続けることによって、内耳の有毛細胞が傷つき、どんどんと聴力が衰えていく可能性があるのは、皆さんも知っていものでしょうが。
音響性難聴は、難聴の他に耳閉感や耳鳴りの症状を伴うケースがあります。
音響性難聴の症状は徐々に進行するため、初期のうちに自覚できないことも珍しくないでしょう。
しかし、一度壊れた有毛細胞は元に戻りません。
日常的に大きな音量でテレビをつけていると、やがて難聴になってしまうリスクをはらんでいるのです。
家族のコミュニケーションが減る
テレビの音がうるさいことがきっかけで、家族のコミュニケーションが減るリスクがあります。
テレビの音が「うるさい」、「落ち着かない」、「イライラしてしまう」とフラストレーションが溜まってしまう人も多くいます。
一方、テレビの音がよく聴こえない方にとって思うように音量を上げられない状況は、不安定で息苦しく感じてしまうでしょう。
そうなると、意見が衝突して気まずくなったり、自室にこもってイヤホンでテレビを見たりと、家族の間ですれ違いが生じてきます。
これは、家族の交流としては問題が生じます。
近隣トラブルが発生する
家の外部にまでテレビの音が漏れていれば、近隣トラブルも発展しかねません。近隣とのトラブルの多くは、騒音によるものとされていて、過去にもいくつかの揉めおとがあったようです。
深夜にテレビの音が漏れてしまえば、近隣住民の方の睡眠を妨害してしまいます。
特に注意したいのが、テレビスピーカーの向きです。
スピーカーがテレビの背面にあり、なおかつ隣家と向かい合う壁側にテレビを設置していると、音が隣家に向かって発せられます。
スピーカーがテレビを見ている方に向いていないため、音が小さく聴こえてついボリュームを上げがちです。
しかし、隣家には想像以上に音が届いており「テレビの音がうるさい」とトラブルになってしまうのです。
テレビ以外の音に気づきにくくなる
テレビの音量が大きければ、周囲の音が耳に入りにくくなります。
例えば、インターホンや家族の帰宅に気づかないといった状況が生まれるでしょう。
あえてテレビの視聴中を狙って強盗に押し入る犯罪者もいるため、防犯面の懸念もあります。
テレビの音に物音がかき消されてしまえば、気づかないうちに犯罪者に侵入され、身の危険や大切な財産の盗難に遭うリスクが考えられます。
テレビの音がうるさいときの対処
テレビの音がうるさいときの対処法をまとめました。
誰かが我慢するのではなく、家族みんなが快適に暮らせるように試してみてください。
テレビ周辺の環境を見直す
テレビの音がうるさいのは、周辺の環境が要因となっているケースを紹介しました。
環境があまり良くないのであれば、テレビの設置場所を見直してみましょう。
キッチンからテレビを遠ざけたり、スピーカーの向きを調整したりすると、音の聴こえ方が改善するかもしれません。
反響が大きい部屋の場合、吸音材を取り付けるのが有効です。
吸音材とは、空気中の音波振動を抑制する材料です。吸音材をテレビ裏の壁などに設置すれば、反響音の軽減が目指せます。
また、吸音材は防音効果も期待できるので、音漏れ抑制につながるでしょう。
テレビの音質設定を変更する
テレビには、音量以外にも音質を設定できる機能があります。
例えば、音声モードで「ニュース」「シネマ」「ミュージック」などを選べば、番組に合った音質に変更可能です。
さらに、低音やサラウンドなどを細かく調整できる機能も搭載されています。
設定に少し手間がかかりますが、聴き取りやすい音質に調整できればテレビの音量を上げずに済むかもしれません。
テレビの取扱説明書でやり方を確認し、音質を調整してみましょう。
テレビの音が聴こえにくいだけでなく、聴力自体が低下している場合、補聴器を装着するのもひとつの手です。
補聴器は、ただ音を大きくするだけの機器ではありません。個人の聴こえにくさに合わせて耳に届く音をオーダーメイドするため、テレビの音も聴き取りやすくなります。
さらに、テレビの音の聴きとり改善に特化したオプション機能が搭載された補聴器も販売されています。補聴器によってテレビの音がよく聴こえるようになれば、音量を上げる必要もなくなるでしょう。
テレビの音をヘッドフォンやネックスピーカーで聴く方法もあります。
なお、ネックスピーカーは、アーチ状の先端にスピーカーがついている機器で、首にかけて使用します。ちょうど両肩にスピーカーが乗るように設計されており、そこから音が聴こえてくるのです。
ヘッドフォンやネックスピーカーを活用すれば耳元で音声が聴けるので、テレビ自体の音量を抑えられます。
ただし、ヘッドフォンを使う場合、耳が塞がれるのでテレビ以外の音が聴き取りにくくなるデメリットがあります。テレビと有線でつなぐ機種であれば、使用範囲も限られるので注意しましょう。
テレビの音量に関する疑問
テレビの音がうるさいと感じるのは、珍しいことではありません。
「テレビの聴こえづらさに関する調査」では、9割近くの方が「テレビの音がうるさいと感じたことがある」と前半回答しています。
このような背景ですからテレビの音量は、ほとんどの家庭で問題になっているといえるでしょう。
興味深いのが、調査によって「テレビの音量について指摘したことがある」と回答したのは4割弱に留まっている点だそうです。
つまり、テレビの音がうるさいと感じていながらも半数以上の方は指摘せずに我慢していることになります。
家族みんなが快適に生活するためにも、我慢するのではなく何かしらの対策を講じることが必要でしょう。
アパートに住んでいる場合、自宅で見ているテレビの音が近隣の迷惑となっていないか心配になる方が多いかもしれません。
そのため、テレビの音量設定に悩んでしまいがちです。
しかし、明確に「この音量なら音漏れしない」と示すことはできません。
というのも、アパートによって防音性が異なるため、同じ音量設定でもAアパートは音漏れしなくても、Bアパートでは隣の部屋まで聴こえるケースがあるのです。
加えて、テレビのメーカーによってボリュームの数値が異なります。
適正な音量かどうか、テレビを点けた状態で一度部屋の外に出て音漏れの程度を確認してみましょう。隣の方との関係が良好なら、テレビの音がうるさくないか尋ねてみるのも良いかもしれません。
テレビの音が聴こえにくいだけなら補聴器は必要ない?
補聴器を使うかどうかは、全体的な聴力の度合いを考慮しましょう。テレビの音量を大きくしているだけでなく、家族に次のような症状がないか確認してみてください。
● 後から呼ぶと気づかないことが多い
● 会話中によく聴き返してくる
● 複数人での会話になるとうまく聴き取れていない
● ドアチャイムの音に気づかない など