何しろ暑い。
梅雨の時期なのに、太陽がギラギラと降り注いでいて。
夕方には、強い雨が降りそうで。
東京は、完全に亜熱帯だ。
今日は、夏の耳鳴りを軽減するための栄養対策について。
昨年、耳鳴りに効果のある食材を調べ積極的に対応して、それなりに効果があったものと考えて。
今回は知り合いの管理栄養士さんのお話も加え、この暑さを ”耳鳴り” を対象に乗り切る栄養素をまとめ直してみました。
耳鳴りに効果のある栄養素
耳鳴りに効果があると言われる栄養素ばかりではなく、バランスの良い食事が大事だと言われます。
各種ビタミンやミネラルを摂取するために、多様な食品をバランスよく取り入れることによって効果が上がるようです。
そして、高塩分や高脂肪の加工食品を避け、自然の食材を中心に食事を構成するようにしましょう。
合わせて、十分な水分補給を摂ることも大前提です。
1)ビタミンB群

ビタミンB群は、耳鳴りに大きく力を貸してくれます。
ビタミンB12
神経の健康に必要で、神経伝達物質の生成を助けます。そこで、耳鳴りの改善に役立つとされています。
ビタミン12には、難聴を引き起こす ”傷ついた末梢神経” を修復させる働きがあるとも言われています。
難聴の治療で、血流を改善する薬と共に、ビタミンB12(メチコバール)が投与されることもあります。そのため、普段から意識的にビタミンB12の豊富な食材を取り入れることが大切です。
ビタミンB12は、ビタミンCと組み合わせると吸収率がアップするようです。
主な食材:肉類、魚介類、卵、あじ、さば、いわしなどの青魚。あさり、しじみ、しらすなど
ビタミンB3(ナイアシン)
血行を促進し、神経系の健康を保つのに役立ち。その効果によって、耳鳴りの改善効果があると言われています。
ビタミンB3は全身の発がんの防止や、皮膚では紫外線による光老化を抑制する作用を持っています。
生物は若い時には代謝が盛んで加齢により少しずつ代謝が低下します。 老化現象を食い止めるには代謝を上げて、代謝の際に生じる活性酸素を消去することが大切です。
この季節に注視されるビタミンBです。
主な食材:まいたけ、たらこ、らっかせい、まぐろ、かつお、さばなど
ビタミンB9(葉酸)
葉酸は、耳鳴り改善の栄養素として注目されている栄養素。
細胞の成長と再生を助け、神経管の発達に重要です。
耳鳴りは、血流の悪化が原因で起こる場合が多いにあるので、血を造る役割をするビタミン「葉酸」を積極的にとると良いと言われています。
血が増えることで血流が改善されることになるわけです。
葉酸は水溶性のビタミンで水に溶けやすいため、食事で摂る分には上限がありませんが、サプリなどから摂る場合は上限があるので注意しましょう。
主な食材:焼き海苔、わかめ、青のり、えだまめ、モロヘイヤ、干ししいたけ、パセリ、ほうれん草、アスパラガスなど
2)ミネラル

亜鉛
現代人の食生活はミネラルが不足しがちですが、亜鉛不足が聴力に影響を及ぼすとされています。
亜鉛を特に多く含む食材は、レバーや貝類などです。
特に養殖の生がきには一個につき14.5mgもの亜鉛が含まれ、ぶたのレバー一食分の6.9mgの二倍以上となっています。
また、亜鉛はビタミンCと一緒に摂取することで吸収されやすくなるので、魚介類や肉類を野菜やかんきつ類と組み合わせるなど、工夫をしながら食事にとりいれましょう。
主な食材:貝類(かき・ハマグリ・ホタテ)、やきのり、甲殻類(カニ・エビ)、魚卵、肉類(レバー、鶏砂肝・鶏ハツ・牛ハツ・牛タン、牛肉、羊肉、豚肉)、きな粉など

マグネシウム
耳鳴りに関するいくつかの研究では、マグネシウムの欠乏が耳鳴りの一因となる可能性が示唆されています。
マグネシウムは神経系の正常な機能を維持するために重要であり、その不足は神経の過敏状態を引き起こし、耳鳴りの症状を悪化させることがあります。
主な食材:緑色野菜(ほうれん草、ケールなど)、種実類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ)、豆類(黒豆、レンズ豆)、魚(サーモン、マグロ)、バナナなど
カルシウム
カルシウムは神経細胞の正常な機能を維持するために必要です。カルシウムの不足が神経の過敏状態を引き起こし、それが耳鳴りの一因となる可能性があります。
内耳の健康維持にはカルシウムが重要で。内耳にはカルシウム依存性のイオンチャネルがあり、これが正常に機能することで音の伝達がスムーズに行われます。カルシウムの不足がこれらの機能に影響を及ぼすことがあります。
主な食材:乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)、緑色野菜(ブロッコリー、ケール)、豆類(大豆、納豆)など
3)オメガ-3脂肪酸
耳鳴りの研究で、オメガ-3脂肪酸の摂取が耳鳴りの症状に対するポジティブな影響を示唆しています。
例えば、オメガ-3の豊富な魚油サプリメントを摂取することで、耳鳴りの症状が改善されたという報告があります。
オメガ-3脂肪酸は、魚油に含まれているDHAやEPA、エゴマや亜麻種子などの植物油に含まれているα-リノレン酸などの脂肪酸の総称をいいます。
栄養学では健康のために意識して摂るべき必須脂肪酸として位置づけられています。
・EPA(エイコサペンタエン酸)
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
・ALA(α-リノレン酸)
[ 耳鳴りに対するオメガ-3脂肪酸の効果 ]
抗炎症作用
オメガ-3脂肪酸は強力な抗炎症作用を持っており、耳鳴りの原因となる内耳の炎症を軽減するのに役立つ可能性があります。
内耳の炎症が原因で耳鳴りが発生することもあるため、オメガ-3の摂取が症状の軽減につながることが期待されます。
血行改善
オメガ-3脂肪酸は血液の流れを良くし、内耳への血流を改善する効果があります。内耳への十分な血流は、耳鳴りの予防や軽減に重要です。
神経保護
DHAは神経細胞の構造と機能を維持するために重要です。オメガ-3脂肪酸が神経の健康を保つことで、耳鳴りの症状を緩和する可能性があります。
主な食材:魚(サーモン、マグロ、イワシ、サバ)、ナッツと種子(クルミ、チアシード、亜麻仁)、植物油(亜麻仁油、チアシードオイル、キャノーラオイル)、海藻と藻類、エダマメ、豆腐など
※オメガ-3脂肪酸は、酸化されると毒性の強い過酸化脂質になります。 大部分は消化管で分解されて毒性が弱められますが、数%は体内に吸収され細胞の機能異常を引き起こすことがわかっています。 それが動脈硬化や認知症につながると考えられていますので注意が必要です。
3)抗酸化物質
耳鳴りに対する抗酸化物質の効果については、いくつかの研究が行われており、肯定的な結果を示しています。
酸化ストレスの軽減
酸化ストレスは細胞の損傷を引き起こし、耳の神経細胞にも影響を与える可能性があります。抗酸化物質はこの酸化ストレスを軽減し、耳鳴りの症状を和らげる助けとなります。
内耳の保護主な食材:ビタミンC (オレンジ、グレープフルーツ、イチゴ、ブロッコリー)、ビタミンE(ナッツ類、種実類、ホウレンソウ、アボカド)など
耳鳴りに良いメニューの例

鶏肉とほうれん草のサラダ
ほうれん草、アーモンド、ベリー類を使ったサラダ。オリーブオイルとレモンのドレッシングで仕上げます。



スイカときゅうりのサラダ
スイカ、きゅうり、ミント、フェタチーズのサラダ。オリーブオイルとバルサミコ酢で和えます。



グリルしたサーモンと野菜のプレート
サーモン、ブロッコリー、ナッツ、全粒穀物(キヌアや玄米)を使ったメインディッシュ。



ベリーとヨーグルトのデザート
ヨーグルトにブルーベリー、ラズベリー、ハチミツをかけたデザート。


水分補給
また今日も、水分補給の話を加えさせていただきます。
この季節、絶対重要なので。
水分の補給は、この季節には熱中症対策のために、誰でもが必要な対策です。
合わせて、耳鳴りの方には水分不足にならないように、積極的な水分補給が必須です。
耳鳴りの改善の要因として、水分を適切に摂取することで、血液循環が改善されます。耳鳴りの原因の一つには内耳の血流不足が挙げられるため、適切な水分補給は耳鳴りの軽減に役立つ可能性が大いにあります。
また、水分不足は体にストレスを与える要因となることがあります。ストレスは耳鳴りを悪化させる要因の一つとされているため、十分な水分補給はストレス軽減に寄与し、耳鳴りの軽減にもつながることがあります。
耳鳴り対策として、季節に関わらず ”水分補給” をアプローチしてきましたが、夏場は水分不足になりやすいので、より耳鳴りを悪化に気をつけなくてはなりません。
水を十分に飲む
水分不足は耳鳴りを悪化させる可能性があります。こまめに水を摂取しましょう。
電解質の補給
汗を多くかく夏は、スポーツドリンクなどでナトリウムやカリウムを補給するのも良いです。
電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)は、体内の水分バランスを保ち、神経伝達や筋肉の機能に重要な役割を果たします。内耳も含めて、電解質バランスが崩れると、耳鳴りを引き起こす可能性があります。
水分を十分摂って、質の良い眠りについてください。
熱中症と共に、耳鳴り改善にも役に立つ大事な生活行動です。