日常生活の中で、慢性的な持続性耳鳴りを感じている方は、人口の10~15%と言われています。
その中で、苦痛の辛い人口は2~3%(約300万人)と言われ、その方は耳鼻咽喉科を受診されます。
その耳鳴り疾患を持つ男女の状況を比べてみました。
耳鳴りの男女の状況
耳鳴りの男女比率
一般的な解釈
情報によると、耳鳴りは男性が多いと言われています。
男性の方が女性よりも騒音曝露が多い職業に従事していることが多いため、これが一因と考えられているようです。
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具体的な統計
一部の研究では、耳鳴りの有病率は男性で約12〜15%、女性で約8〜10%と報告されています。
このため、男女比率は、「 2〜1.5 対 1 」と推定されます。
加齢と男女比率
加齢とともに男女差は減少する傾向があります。
高齢者層では、男女ともに耳鳴りの有病率が同じように高くなります。
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[ 海外での比較情報 ]
アメリカの研究:米国の国立聴覚障害・他のコミュニケーション障害研究所(NIDCD)のデータによると、成人男性の約10%が耳鳴りを経験しているのに対し、女性では約7%が耳鳴りを経験していると記されてあります。
ヨーロッパの研究:ヨーロッパで行われた複数の研究でも、男性の耳鳴りの有病率が女性よりも高いことが確認されています。
私が出会った耳鳴り患者は、女性が多く。病院に行っても女性の患者さんが多いような気がしていたのですが、実態は男性の患者が多いようです。
耳鳴りの男女別の疾患
男女によって、耳鳴りの疾患がかなり異なるようです。
ある病院の患者の疾患分析データによって、男女の疾患を比較してみようと思います。
この比率が絶対的なものではありませんが、疾患の比較を考えてみます。
疾患 | 男性 | 女性 |
無難聴性耳鳴り | 15.2% | 30.3% |
老人性耳鳴り | 25.5% | 18.0% |
原因不明感音性 | 15.8% | 14.0% |
耳管狭窄・滲出性中耳炎 | 3.9% | 8.4% |
外傷・交通事故 | 10.3% | 2.0% |
音響・気圧性 | 8.4% | 1.8% |
中耳炎 | 3.5% | 5.4% |
メニエール・突発 | 3.3% | 2.8% |
混合性 | 1.5% | 2.2% |
精神疾患 | 1.9% | 1.2% |
薬剤中毒 | 2.4% | 1.0% |
耳硬化症 | 0.6% | 0.9% |
不明 | 7.8% | 12.0% |
男性と女性で耳鳴りの疾患の特徴を調べますと。
男性は、老人性難聴 (25.5%) が最も多く、次いで無難聴性耳鳴り (15.2%) が多いようです。
また、女性に比べて音響や気圧による障害と、外傷・交通事故後の耳鳴の頻度 が比較的高くな つています。これは、普段の仕事を含めた生活形態によるものと考えられます。
女性は、無難聴性耳鳴り (30.3%) が最も多く、老人性難聴 (18.0%) が次に多くな っています。
耳鳴りの疾患の中で最も頻度の高かった老人性難聴、無難聴性耳鳴りについて性差別及び年齢別の特徴を調べますと。
老人性難聴では60歳代にピー クが見られ男性がやや多く、無難聴性耳鳴りは女性の30歳代にピー クがみられたと言うレポートがありました。
男性が多い耳鳴りの要因
職業的要因
男性が多く従事する建設業、製造業、軍事などの職業は、騒音曝露が高いため耳鳴りのリスクが増加します。
生活習慣
音楽の音量、イヤホンの使用、レクリエーション活動などの生活習慣の違いも耳鳴りのリスクに影響します。
健康状態
血圧や心血管系の問題も耳鳴りの原因となり得ますが、これらの健康状態の影響も男女で異なる可能性があります。
耳鳴りのリスクが高い職業
耳鳴りのリスクが高い職業は、一般的に大きな音や継続的な騒音にさらされることが多い職業です。
これらの仕事に携わっているのは男性が多いので、耳鳴りを発生する傾向にあるのかも知れません。
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音楽家・演奏者
大きな音を長時間聴いているうちに、耳鳴りがしたり、周囲の音が聞こえにくくなる ”一時的聴覚疲労” が起こり、この疲労が取れないままに長期間うるさい環境に置かれることで生じる "騒音性難聴" に発展してしまいます。
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製造業の労働者
工場労働者や製造業従事者は、機械音や重機の騒音に長時間さらされることが多く、耳鳴りを経験するリスクが高まります。
この業界は、耳鳴り疾患が多いようです。
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建設作業員
建設作業員は、ドリル、ハンマー、その他の重機の音に長時間さらされることが多く、耳鳴りのリスクが高い仕事です。
建築現場にいると、驚くほど大きい音に曝されることもあります。
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軍人
軍人、特に戦闘に従事する兵士は、銃声や爆発音に頻繁にさらされるため、耳鳴りを経験する方が極めて多いようです。
合わせて、精神的負担が継続して、耳鳴りを発生を促します。
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飛行機のパイロットや乗務員
パイロットや客室乗務員は、飛行機のエンジン音や機内の騒音に長時間さらされるため、耳鳴りのリスクがあります。
飛行機のエンジン音は、耳鳴りに悪い音源だと言われています。
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消防士・警察官
消防士や警察官は、サイレン音や緊急事態に伴う騒音に頻繁にさらされるため、耳鳴りを経験することが多いようです。
市民が、サイレンを聞くだけでも耳鳴りが発生しそうですから。
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クラブのスタッフ
コンサート会場やナイトクラブのスタッフも、長時間大音量の音楽にさらされることが多く、耳鳴りのリスクがかなり高まります。
女性が耳鳴りを発症する要因
男性の耳鳴り疾患が高い理由は、仕事がらみが要因。一方、女性の耳鳴りは体調が影響されるものが多いと考えられます。
ホルモンの変動
女性は月経周期、妊娠、更年期などでホルモンバランスが大きく変動します。
これらのホルモンの変動が耳の内耳や神経系に影響を与え、耳鳴りを引き起こす可能性があります。
ストレスと精神的健康
ストレスや不安、うつ病などの精神的な健康状態が耳鳴りの発症に関与することが知られています。
女性は男性に比べてストレスや精神的な健康問題を経験しやすい可能性が高く、これが耳鳴りのリスクを高めることがあります。
循環器系の問題
血圧の変動や貧血、血液循環の問題も耳鳴りに関与することがあります。
女性は特に妊娠中や閉経後にこれらの問題を経験しやすいようです。
女性の耳鳴り発症の多いタイミング
更年期に耳鳴りが起こる主な原因として考えられているのは、女性ホルモンの分泌量が低下することによる自律神経の乱れです。
更年期の耳鳴りでは、聞こえ自体が悪くなることは少ないといわれていますが、耳の病気や加齢などが重なり聞こえが悪くなることもあるようです。
特に女性の場合は、片頭痛との関係にも着目する必要があります。
耳鳴りの、男女での要因は多少異なるようです。
女性の耳鳴り仲間と話をする時に、私の症状と多少の相違を感じることもあったのは、それらの原因かも知れません。