耳鳴り疾患のある方は、この梅雨の季節が何となく辛い方がいるのではないでしょうか?
私も、梅雨宣言をされて、耳鳴りがやはり気になってしまています。
耳鼻咽喉科ではこの季節になると「耳がツーンと痛い」、「耳が詰まってボーとして聞きにくい」、そして「耳鳴りがする」という症状の患者さんが増えるそうです。
これらの患者さんを検査すると「外耳炎」や「中耳炎」などの特別な耳の病気の結果が出ない方が多いと言われます。
これらの症状は、気圧、温度、湿度の変化の影響を受けて引き起す ”気象病” の一種といわれているのですが。
気象病とは、
気象病は、近年認知された病名で、気象・天候の変化によって症状が出たり悪化する疾患だそうです。

梅雨の季節だけではなく、寒暖差が大きい ”春先” や "台風シーズン" も気圧の変化が激しいので、体調不良に悩まされる人が多いようで、気象病の対象です。
この気象病によって体調に変化が生じる人もいるのに、何も影響を感じない人もいるようで、かなり個人差が大きいようです。
ある調査で8000人を対象に、「梅雨時期は他の季節に比べて体に不調が出やすいですか?」という質問をしたところ、「不調が出やすい」という回答は42%でした。
男女別でみると女性は54%と平均より高く、女性の方が不調が出やすいという結果が出ました。
症状は、耳の症状だけではなく、めまい、吐き気、頭痛、腰痛等の全身症状や、気分の落ち込み、うつ症状などの精神に関する症状が発生する人もいるようです。
気象病で耳鳴りの要因
季節と耳鳴りの話をすると、いつもの項目が出てきてしまうのですが。当たり前でも、注意が必要です。
気圧の変動
梅雨の時期には、低気圧や高気圧が頻繁に入れ替わり、気圧が大きく変動します。
気圧の変動は、内耳の圧力にも影響を与え、耳鳴りを引き起こすことがあります。特に気圧が低下すると内耳の圧力も変化し、耳鳴りや耳の閉塞感を感じることが多いです。
湿度の上昇
梅雨時期の高湿度は、体内の水分バランスに影響を与える可能性があります。
湿度が高いと体内の水分の排出がうまくいかず、内耳のリンパ液のバランスが崩れることがあります。これが耳鳴りの一因となることがあります。
ストレスと疲労
長期間の雨天が続くことで気分が落ち込みやすく、ストレスが増加することがあります。
ストレスや疲労は耳鳴りを悪化させる要因となることがあります。特に、仕事や日常生活でのストレスが増えると、耳鳴りの症状が悪化することが知られています。
睡眠の質の低下
梅雨の時期には、湿度や気温の変化により、睡眠の質が低下することがあります。十分な睡眠が取れないと、身体の回復力が低下し、耳鳴りの症状が現れることがあります。
この季節は、”低気圧不調”。
梅雨時の気象病は特に、”低気圧不調”と考えられます。

低気圧が近づくと、頭が痛くなる、体がだるくなるなど不調が現われることがあります。このような気圧低下によって体の調子が悪くなることを "低気圧不調"と呼びます。
低気圧不調で、日常生活に支障をきたしている方は全国で約1,200万人と推定され、多くの方々が低気圧不調による悩みを抱えています。
低気圧が近づいて、天気が悪くなる前に予兆を感じる方。
低気圧が近づいてくるときだけ症状が現われ、雨の日になると症状が治まる方。雨の日はずっと症状が続く方などの症状があります。
....... 個人によっていろいろな症状があるようです。
低気圧不調には体内の水分バランスが深く関わっているようです。
水分は、生命活動を維持するための重要な役割を担って、私たちの体の大部分を構成している成分です。
しかし、気圧が下がってくると、体内の水分バランスが乱れることにより、さまざまな不調が起こります。
例えば、胃腸に必要以上に水が集まると下痢が生じますし、頭の血管に水が集まると血管が拡張することで頭痛が起こります。
また、水分バランスの乱れが、自律神経の乱れを引き起こし、不調の原因となることがあります。
当然、内耳のリンパ液の乱れで、耳鳴りにも大きく影響があります。
低気圧不調を起こさないためには、バランスの良い食事、十分な睡眠をとり、適度な運動を行うなど、生活スタイルを改善することが大切です。お酒の飲み過ぎは、症状を悪化させる可能性がありますから、控えるようにしてください。
北里大学東洋医学総合研究所 所長 小田口浩先生
気象病が女性に多い理由

女性は男性よりめまい症状の頻度が高いと言われています。
これは、女性が内耳センサーが敏感だという考え方の一つ。
女性は、心理的な敏感さも影響しているかも知れません。
そして、女性は男性より筋肉量が少ないことも原因と考えられます。
筋肉は熱を発生して汗を出すことによってクールダウンしていますが、筋肉量が少ない女性は温度差を作ってしまうのです。
また、女性は男性よりホルモンバランスの変動が大きいことによる説。
例えば生理周期によるもの、出産後のエストロゲンの減少、更年期のエストロゲンが減少するように、女性は男性よりホルモンの変動が大きいことが影響しているので。
これらのデリケートな体調によって、女性は気象病に弱いと言われています。
耳が気象を感知する。
耳は、高度な機能を備えて非常に複雑な働きをしています。
耳は音を聞く機能とですが、他の重要な役割も兼ね備えています。
一つは、身体のバランス感覚を保つ大切な器官。
それだけではなく、最近の研究では、耳には「気圧の変化」を感知する能力もあることがわかってきました。
メカニズム
耳の奥にある内耳の神経細胞が気圧の変化を感じることによって、その情報が脳に伝わります。
自律神経の乱れ
脳が急激な変化を感じると、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
その結果、血流の変化などで耳鳴りや耳痛が引き起こされることがあります。
リンパ液の圧力変化
気圧が急激に変化すると、内耳のリンパ液の圧力も変動します。
この圧力の変化が、内耳内の毛細胞に影響を与え、耳鳴りや耳の閉塞感を引き起こすことがあります。
耳管(じかん)
耳管は中耳と咽頭をつなぐ管で、気圧の調整を助ける役割を持っています。
耳管がうまく機能しない場合、気圧の変動に適応できず、内耳に圧力がかかり、耳鳴りや耳の不快感を感じることがあります。
これらのメカニズムの解明が進めば、耳鳴りなどの対処方法の確立につながるかもしれません。
対処法
”気象病”の専門医者によると、気圧の変化を察知するのは内耳(鼓膜よりさらに奥の部分)なので、耳と耳の周りを温めたり、もみほぐすことで血行が良くなり改善効果があると言われています。
血行により内耳の状態が改善し、さらに体の不調をやわらげる効果もあるので、改善努力をしたくなります。
いろいろな情報サイトで、耳の血行を良くする対処法が紹介されて、多くを試してきました。
私はその中で、 ”くるくる耳マッサージ” の評価が高い改善方法だと思っていますので引用させて頂きました。
医師の佐藤純先生が考案した「くるくる耳マッサージ」に、リンクしてチャレンジしてください。