耳鳴りになると、治る可能性の不安と、悪い病気があるのではないかという不安が精神的な負担になります。 その不安の病気は ”脳疾患” です。 脳疾患による耳鳴りの患者数は少数ですが、誰でもが ”もしかしたら脳が原因ではないか?” と考えて不安が拭えないことがあります。 耳鳴りは、頭の部位と関わっている感じがどうしてもしてしまうからです。

耳鳴りになると、治る可能性の不安と、悪い病気があるのではないかという不安が精神的な負担になります。

その不安の病気は ”脳疾患” です。
脳疾患による耳鳴りの患者数は少数ですが、誰でもが ”もしかしたら脳が原因ではないか?” と考えて不安が拭えないことがあります。
耳鳴りは、頭の部位と関わっている感じがどうしてもしてしまうからです。
 
私も耳鳴りが発生して慢性化した時、脳疾患に対する不安が強くて。
一度検査しても、まだ不安。
なんと三度も、異なる神経内科で脳のMRI検査を実施しました。
でもその検査の結果で、耳鳴りに対する精神的不安を低減してくれたのは確かです。
 
でも、わずかながら耳鳴りの原因が脳の疾患であることの可能性もありますので、あえて耳鳴りの主な原因となる脳疾患についてまとめてみました。
耳鳴り患者にとっては、嫌な情報ですが。
自分の耳鳴りが、これらではないことを払拭すれば不安がかなり解消しますので。

耳鳴りの原因となる脳疾患

耳鳴りが発生する脳疾患の原因の主流を調べてみました。

脳梗塞(脳出血)

 
広い意味で言うと脳卒中です。
脳血管に障害が起きた状態によって疾患名は異なります。
脳の血管が詰まったり、狭まったことが原因の場合は脳梗塞。
脳の中で脳の血管が破れて出血した場合は脳出血。
脳の表面の大きな血管にできた瘤(脳動脈瘤)が破裂して、くも膜の下に出血した場合は、くも膜下出血と言います。
この中で一番患者が多いのが脳梗塞で、脳卒中全体の約7割を占めます。
 

耳の回りの血管が動脈硬化で硬く狭くなり、さらに高血圧も加わるとその部分を血液が勢いよく流れるようになるため、血流音が聞こえるようになってくることがあります。 

ドクドク、ザッザッというような拍動する耳鳴りで、脈拍と同期する特徴があります。 

耳鳴りの聴こえる側の頭をを枕につけて横になると音が大きくなることもしばしばあります。

そして、立ちくらみや耳鳴りが発生し、一時的な意識障害が起こった場合は「脳梗塞」の発症があるかも知れません。

耳鳴りの音が、脈拍にともなって「ザーザー」「ザクザク」といったものである場合は「脳出血」の危機が迫っている可能性が疑われます。

これらの場合は、一刻も早く病院を受診することが大事です。

 

脳卒中の主な原因は、動脈硬化です。
高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙などが動脈硬化を招きます。
塩分控えめの食事、コレステロールを減らす、適度な運動をする、血圧をコントロールするなどの方法によって、脳卒中を予防することができます。

脳動脈瘤

 

脳動脈瘤とは、脳の血管の一部が膨らんで弱くなっているところのことをいいます。
血管が枝分かれするところに発生するもので、40歳以降に発生するものとされています。

脳動脈瘤が破裂すると、クモ膜下出血が起こります。
突然の頭痛で発症し、吐き気をもよおしたり、意識が遠のいたりすることが多い病気です。
程度によりますが、クモ膜下出血によって脳に大きなダメージを受けると、手足が麻痺したり、言語障害や視覚障害が残ったり、けいれんしたり、突然死の原因になったりすることがあります。

 

血液が流れにくくなるという背景には、動脈硬化とともに動脈瘤(どうみゃくりゅう)の可能性があります。 耳の近くにある内耳動脈や脳動脈などが 動脈硬化を起こしていると血管は細くなるので、血液が流れるのに圧力がかかり、耳鳴りが起こる可能性があります。

聴神経腫瘍

 

聴神経腫瘍とは耳の奥、小脳橋角部という部分に出来る良性脳腫瘍の一種です。 ほとんどが中年以降に一側性進行性の難聴で発病、バランスを司る前庭神経から発症する良性脳腫瘍です。 脳腫瘍全体の約1割を占めます。
聴神経とは、人間が聴覚や内耳で感じ取っている身体のバランスを脳へと伝達する神経のことです。

聴神経腫瘍の症状としては、初期では軽い耳鳴りや身体のふらつきがあらわれます。
当初はさほど気になる症状でもないので、「疲れがたまっているから」とか「加齢が原因」などとして片づけられてしまいいます。

ただ、こうして放置しているうちにも、腫瘍は成長して。腫瘍が成長すると、しだいに聴力が低下し、やがては腫瘍の近くにある脳神経や小脳を圧迫するようになります。

 

多くの場合では、片耳の難聴に気付いて医療機関を受診することになります。
他の症状としては、脳神経の障害によって顔面神経が麻痺してしまい、顔が曲がったり、小脳の障害によって脳全体が圧迫されてしまい、意識障害、頭痛、吐き気などの症状がでたりすることで異変に気付き、医療機関に相談される方もいます。

腫瘍が神経を圧迫し、伸展させたり、耳の機能そのものを低下させることによって、めまいや難聴、耳鳴りを発症します。

硬膜動静脈廔

 

硬膜上にも動脈と静脈があります。通常動脈は毛細血管を介して静脈へ流れ出ますが、硬膜動静脈廔は、硬膜上の動脈が直接静脈と交通してしまい、圧の高い動脈血が圧の低い静脈に注ぎ込んでしまう病気です。

この時に心臓の拍動に一致する耳鳴りを感じることがあります。
脳の静脈へ動脈血が逆流してしまうと、脳出血を発症することがあります。
日本では年間に人口10万人あたり0.3人しか発症しない珍しい病気ですが、心臓の拍動と一致する耳鳴りを感じたら考えなければならない病気の一つです。

てんかん

 

耳鳴りがてんかんの一症状である場合があります。

いろいろなてんかん発作がありますが。脳の一部の神経から過剰な活動が始まる発作を「焦点(または部分)発作」、脳全体の神経が同時に過剰活動を始める発作を「全般発作」と呼びます。

これらの脳の過剰活動により”耳鳴り”が発生する可能性があります。

また、抗てんかん薬の副作用で耳鳴りが生じる場合もあります。抗てんかん薬のおよそ四分の一に副作用として耳鳴りが挙げられています。

 

これらの、脳の疾患がないことを検査することで、

耳鳴り患者は、とても不安から逃れます。