先輩と飲みに行くと、ついつい近くにいる女性に声をかけてしまう。 私ではなく先輩が! でも、私たちのナンパ(?)は、その場で飲むだけの楽しさ以外を目的としていない。

先輩と飲みに行くと、ついつい近くにいる女性に声をかけてしまう。

私ではなく先輩が!

でも、私たちのナンパ(?)は、その場で飲むだけの楽しさ以外を目的としていない。

連絡先を聞かないし、「また偶然会ったらの飲みましょうね。」と別れるのが原則です。

 

六本木のダイニングバーで、ほんのチョッピリと仕事の話をした後。

「あの二人、誘ってみようか?」

と言った途端、先輩はそのまま二人の席にまっしぐら。

いい歳なのに!

でもいい歳だから、確度がより高くなっているのかも知れない。

 

どのような話をしながら誘っているのだろうか?

二人の女性が私の方に視線を向けたので、軽く手を挙げて挨拶。

先輩はダラダラ話さないで、お誘い成功率が天才的に高いのです。

それは仕事がらみなのか、”誘えるマーケッティング” に長けているのかも。

 

”店中でのお誘い” について、面白おかしいマーケッティング話を以前語り合ったことがあったのですが。

その内容は・・・

よく一緒に飲んでいる関係の二人の方が ”誘い率” が高いこと。

逆に久しぶりに会った二人は ”誘い率” が低いが、話が進んで後半戦には可能性が上がってくる。

店でのお誘いと、街中でのナンパとはターゲットが違うようで。

街中では、あまりきしっとしていな女性の方が可能性がある。

歩き方が早くなくて、やや地味目な服装をした女性のほうが声をかけられやすい傾向にあるようだ。

勿論、裏付けのあるものではなく、私たちの勝手なマーケッティングですが。

 

短いタイミングで先輩が戻ってくると、その後を追うように二人の女性が私たちの席にやってきた。

先輩は店のスタッフを呼んで、ちょっと高級な赤ワインをオーダーした。

「二人で飲むより、ご一緒に飲めるともっと美味しく楽しめるので。」とグラスにワインを注ぐ。

”美味しいワインを飲むので、一緒に参加してくれませんか?” という誘い文句だったのだろうか。

 

先輩は、雰囲気も中身もジェントルマン。それがストレートに相手に伝わるタイプで、危なさを感じられないのだろう。

でもナンパ大好きで、紳士と言えるのだろうかは疑問ですが?

 

ワインに詳しい先輩は、飲んでいるワインの話をしながら女性の会話を促すのが上手い。

次第に二人の女性のお喋りの量を増やしていくのです。女性側のお喋りの量が多くなっていけば、ほぼグループとして完了だ。

女性二人は、一つ違いの先輩後輩の仕事仲間。

年上の女性はとても積極的でお喋りタイプ。年下の女性は笑顔が可愛い口数の少ないお嬢さんタイプ。

先輩女性がどんどん私たちに質問してくる。

「どうして、私たちを誘ったのですか?」

「もちろん。素敵だからですよ。」

「私たち誘われて、簡単にやって来るような軽い女性に見えたのですか?」

「いいえ、軽い感じの方は私たちは誘わないですよ。」

「私たち、知り合いの方に呼ばれたように、何故か自然にこの席に来てしまったみたい。魔法をかけたのではないですか?」

こんな話をする頃には、自分達の席を清算して私たちの席に完全移動してきました。

 

たまたま、二人の仕事がマーケッティング系の仕事と言うこと。

ナンパマーケッティングの話で盛り上がってしまった。

”ナンパする方もされる方もファッションが影響する”と言う意見から始まって。

狙う男性、狙われたい男性の対象によって、女性のファッションの方向性の話。

誘う男性も服装が大事だと。

 

「でも、やはり相手次第よね。」と二人の女性で頷き合った。

「と言うことは、私たち魅力的だと思ったの?」(ふざけて)

「違う違う、とても安全に見えたから。」(笑いながら)

「えっ、私は松本という名前なのですが。安全に見えますか?」(大笑い)

 

この先輩の ”松本ワード” から、課題は ”ダウンタウン松本氏の性加害問題” に展開してしまったのです。

 

有名人だったら、私たちみたいに気楽に女性に声をかけられないだろう。

不適性なことを目的としたお誘いでなくても、相手はどうとるか、そしてその後どう考えるかと思うと簡単に声をかけるのは難しい。

先輩と私がそのような立場だったら、週刊誌に繰り返し掲載されてしまっているだろう。

だから、後輩のタレントに女性を集めてもらったのだろうか。

有名な方が、女性に声をかけるのはリスクのあるので、策を講じたのでしょうが。話題になっている行為は、男性としてとても恥ずかしいことだとみんなで賛同しました。

 

でも、その日の4人の結論は、”そんなところに女性が行くべきではない”と言う意見がもっと強調されました。

ホテルの部屋での飲み会に行くことは、女性としては間違った行為だと思うこと。

有名人として自由な環境で楽しめないのは解るが、飲食店の個室にすればいいので、ホテルの部屋での飲み会はやはり不適正な遊び行為の目的があることを考えられる。

・・・これらの話は、あくまでもニュースでの情報でしかないのですが。

 

「絶対、行かないよね。」と二人の女性は、また頷き合った。

 

先輩は、あまりにも良いこのタイミングで。

「それでは、そろそろ飲み直しに、Rホテルに行こうか?」

「何言っているの。」と驚いた女性。

「えっ、45階のバーだよ。」

「松本さんと同じ狙いだと思った。」

笑い半分の話題でしたが。

 

結局行きたいと言う二人。

すぐ近くのホテルRまで冷たい街を歩いて、エレベーターで高層のロビーのバーに移動。

「このホテルのスイートルームで合コンしたのかしら?」

「いや、GHホテルのようですよ。」

ここでも、まだまだ松本氏問題の話ばかりが続いている。

松本さんのお笑いのように、笑い飛ばせるような女性との関わりだったら、なんともおしゃれだったのに。

 

「LINE交換しない?」と言われ。

「また今度会ったら、この続きで一緒に飲みましょうよ。」

「うわー、かっこいいい。」

笑顔で、二人の女性は手を振って地下鉄の駅に急いで向かって行きました。

 

かっこいいのは先輩。いつも大枚の費用を先輩にお世話になっているのです。

数日前のお遊びデーの話です。