クリスマスの思い出は、たくさんあって。 思い起こすと、いろいろとドキドキする気分になります。 このシーズンだから、今日は楽しい思い出を書き込んでみたくなりました。 私の、クリスマス物語です。

 

Merry Christmas

11 days to go!

 

 

私のクリスマス物語。

 

 

クリスマスの思い出は、たくさんあって。

思い起こすと、いろいろとドキドキする気分になります。

このシーズンだから、今日は楽しい思い出を書き込んでみたくなりました。

と言って、恋愛物語ではありません。

私の、クリスマス物語です。

 

20年も前のこと。

12月初めの寒い日。家を出ると小さな女の子が待っていて、私にピンク色の封筒を渡して、すぐに去って行きました。

その女の子は近所に住んでいて、時々出会うと挨拶する程度の知り合いです。

 

電車に座って、ポケットにしまっていた封筒を開けるとクリスマスカードでした。

そこには、「クリスマスデートしてくれませんか」と書いてありました。

えっ、あのこは中学生では?と驚いて、数日後に彼女の母親とお会いして、高校1年生だとわかったのですが。

「すみません。あの子、Quattroさんのこと気に入っているのです。あのこ変わった子で。」

なんで私なんか?と思ったのですが。

話によると、駅前のカフェで偶然一緒になって、短い時間お話しした時に気にいってくれたそうです。

小さい女の子に好まれるなんて、思いもよらず嬉しい気分になっていたのですが。

母親とお話ししたあと、意外にも了解を得てデート(?) をすることになったのです。

もちろん女性という意識は全然なくて、小さい子に楽しいクリスマスを提供する気分で。

でも、高校一年の女の子と出かけて問題ないのだろうか?と思いながらも。

母親が喜んで「信頼していますから、お願いします」と言われたので計画を立てたのです。母親も変わっている。

私と母親とお会いしたことは内緒にすることと、出かけた時の報告をすることを約束しました。

 

彼女の家のポストに、カードに書き添えてあった名前を書いて封書を投函しました。

「クリスマスだから、ケーキでも食べに行きましょうか。」と書いて、約束時間と約束場所に、携帯の電話番号を記入して。

すぐに「ありがとうございます。」と、たった一言の連絡がありました。

 

クリスマスの10日前の休日に、Yちゃんと近所で出会うことになりました。

小柄の彼女は、クリスマスをイメージしたパープル系のワンピースをおしゃれして着てきました。きっと母親が用意してくれたのでしょう。

私も小さなYちゃんの相手として、あえて黒い服に蝶ネクタイをして、紳士役になったつもりの格好。

その頃の私は赤い車に乗っていて、助手席のドアにグリーンのクリスマスツリーの形をしたシールを貼り付けてました。クリスマスを演出してあげたつもりで。

車で、横浜に向かったのです。

 

後から考えると、原宿あたりに気軽に行けばよかったのに。

高校一年生の女の子に、特別なクリスマスを楽しませてあげたい一心で、色々と考え過ぎてしまいました。

 

彼女は、車に乗ってもほとんど無言。

私は、時々話しかけると回答してくるのですがあまり話は続かず、車内はクリスマスソングが大きく二人の耳に入ってきます。

きっと、Yちゃん緊張していたのだと思いながらも。

もっと楽しませてあげなくてはと考えるのですが、私もこの世代の女の子との話題は難しくてスムーズに話が進まないのです。

でも何年後かに電話で話した時、彼女は「あの車の時間が、とても幸せな時でした。」と言われたのですが。

 

横浜の山手の坂道を上って、古い洋館のお店に入りました。

高校生でも、ちゃんと大人のお相手として扱ってあげたかった。

街のカジュアルなお店ではなく、クリスマスの思い出になるようにと思って選んだお店です。

 

ガラスに映った二人の姿を見て、二人の関係を周りはどう見ているのだろうかと、私は恥ずかしげでした。

親子に見えればそれで良いのですが、そうも見えないような気もして。

 

軽いランチの後、Yちゃんは美味しそうにプリンを食べて「とても、おいしい。」と、ようやく高校生の女の子らしいニコニコ顔。

このタイミングで、おしゃべりが一気に始まりました。

将来は、演劇をやりたいので、シェイクスピアなどの古い戯曲を読んでいるという。ピアノとバレーもレッスンしているようだ。

「すごいね。有名な女優さんになれるといいね。」

「でも、私チビだからダメかも。」と言いながらも張り切っていました。

 

山手の坂道を車で降りて、元町商店街を歩きました。

その頃の元町は、とてもクリスマスらしい装飾が施されていたのを覚えています。

彼女は大分軽い話ぶりになって、クリスマスを彩るショーウインドーを覗いて。あのドレス可愛いい、もうちょっと大人になったらあのバッグ欲しいなとか。

このお店入ってみたいと私を引っ張っていったりする。

ようやく、Yちゃんのキャラクターが出てきたのだろう。

 

「うわー、素敵なお店」と言ったのは、イルミネーションが点き始めたスタージュエリー。

変わった私たち二人が店に入りました。

おそらく彼女がジュエリーショップに入るのは初めてなのだろう。

私の顔を見上げながら喜んでいるのがわかる。ウインドーの中をあちらことら見回している。

「これ可愛い。」と言ったのは、ティファニーのオープンハートに似たようなネックレス。

・・・手頃な価格だったので、私はそのネックレスをクリスマスプレゼントにしました。

まさか、プレゼントをもらえるとは思わなかった彼女は驚きの感動をしていました。

「絶対忘れないです。」と言って私の服を何回も引っ張っていました。

 

元町を抜けて、山下公園をの前を歩いていると暗くなってイルミネーションが鮮やかになってきました。

Yちゃんは、あちらこちら指差しながら、はしゃいで見つめている。

私は、海沿いの綺麗な輝きの施設を説明しながら、今までとは違った楽しさを感じていました。

 

暗くなった空に気がついて、早く帰らなくてはと心配になって駐車場に促したのですが、「まだ大丈夫」と言って山下公園に入っていく。

でも、冷たい風が吹いてきたことをきっかけに、車まで戻りました。

 

車に乗ると、「ネックレスつけてみていいですか。」と包装紙を空けて私に渡して付けてくれと言う。

帰りの、暗くなった高速道路では、彼女はずーっと話しっぱなし。クリスマスソングをかけなくても車の中は十分賑わった環境に変わっていました。

 

高速を降りた頃、「来年も連れって行ってくれるよね。」と言われ。

一瞬、間を空けました。

「今日とても楽しかったから、これを思い出に残しておいた方が良いと思わない。」

彼女の今までのはしゃいでいた顔が、一気に暗くなったのです。

どのように理解したかわからないのですが、時間をかけて。

「じゃあ、大人になったら、また誘っていい。」

私は、言葉を返さずに小さく2回頷きました。

 

家からちょっと離れたところに止めてくれと言われ、彼女は車から降りながら、もう一度「絶対忘れないです。」と言って家に戻って行きました。

 

その後、彼女と何度も出会うことはありましたが、お互いに特別な会話はなく、普通の近所の知り合いのようにしていました。

数年後、彼女の家は引っ越してしまって。大人になったYちゃんと出会うことがありません。

 

でも、あの年から毎年クリスマスカードが送られてきています。

例年、その時の思い出の一言を書き添えて。

 

 

 

今日のクリスマスソング
 
     
今日のクリスマスソング
     

Where Are You Christmas

     

ElizabethSouth

   

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