耳鳴り仲間と何人かと交流をしているのですが。 その一人から、鍼治療が効いているという話を聞きました。 ”鍼” は、"耳鳴り治療のガイドライン" によると「効果のエビデンスはない」と記されていて。 私は、鍼の治療の効果を考えたことがなく施術の経験はありません。
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耳鳴りに、鍼治療は効果があるか？
耳鳴り仲間と何人かと交流をしているのですが。
その一人から、鍼治療が効いているという話を聞きました。
”鍼” は、"耳鳴り治療のガイドライン" によると「効果のエビデンスはない」と記されていて。
私は、鍼の治療の効果を考えたことがなく施術の経験はありません。
仲間の方の効果を知って一度は試してみようかと思い、まずは情報を調べてみました。
鍼治療の耳鳴り改善の検証のデータ
耳鳴り患者で、鍼治療を５回以上継続した31症例について分析した。
対象年齢の平均は60歳。
耳鳴りの罹患期間は１ヶ月以上が81％。10年以上の患者も16％含まれていた。
耳鳴りの音の大きさは、VASなどにより自覚検査を用いて評価した。
鍼治療は、週１回の間隔で５回行い、乳様突起 (にゅうようとっき) などの周辺の経穴 (けいけつ) や頭頸部の圧迫により耳鳴りが変化する反応点などに置鍼 (ちしん) を行った。
※乳様突起：側頭骨の後下方部、骨性外耳道の後ろ内側、茎状突起の外側にある円錐状の突起のこと。 体表面から見た場合は，耳介の後ろ（耳の裏側）にあたり、体表からも見たり触れたりすることが可能ではっきりわかる突起である
※置鍼 ： 鍼を打ち、そのまましばらくの間置いておくこと
[ 結果 ]
鍼治療終了時に、VAS自覚的検査によって評価した耳鳴りの大きさは有意な低下が生じた。
THIも低下が生じたが、持続変化はなかった。
頭頸部の圧迫時に耳鳴りが変化した患者は、治療終了時に全患者が改善を生じた。
一方、頭頸部の圧迫時に耳鳴りが変化しなかった21症状については、改善57%、不変14%、悪化29%であった。
[ 考察 ]
鍼治療は耳鳴りの罹患期間にかかわらず、耳鳴りの大きさ、耳鳴りに対する気になり方、耳鳴りによる日常の生活の障害の軽減が示された。
頭頸部の圧迫時に耳鳴りが変化する体性感覚刺激が耳鳴りに発生に関与していると考えられる症例では鍼治療が有効だと考えられた。
明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科による資料
鍼治療院の耳鳴り治療法
耳鳴り治療の情報を公示している鍼治療院の中から、一つの鍼治療の方法を選出してみました。
第一段階は自律神経の調整治療。
耳鳴り症状の多くは交感神経活動の過亢進状態です。
鍼治療は、交感神経を抑制して副交感神経の働きを促すと共に、双方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えるます。
第二段階は、背部兪穴 (はいぶゆけつ) を用いて「腎気」を補い、なおかつ頸肩部の筋緊張を緩めます。
耳鳴りは、耳裏から胸骨・鎖骨に伸びる胸鎖乳突筋の緊張が強いので、それらをしっかりほぐしていきます。
※背部兪穴：腰背部の背骨の中心から左右の約5センチ外に位置する部位
※腎気：漢方における腎とは、いわゆる"腎臓”ではなく、泌尿・生殖器系を意味していますが、さらに、腎は先天と呼ばれ、父母より受け継いだ生命力を意味し、ヒトの成長、発育、生殖に影響を与える生命エネルギーを「腎気」とよんでいます。
第三段階として耳周りの治療です。自律神経が整い、腎気を補い、頸肩部の筋緊張がほぐれた段階で耳周りを施術することでより高い治療効果が見込めます。
耳周辺の治療穴として「翳風」「耳門」「聴会」「聴宮」というツボを用いることが有効です。
私は、耳鳴りが発生した時期から整体院に通っていて、精神的な苦痛の軽減の大きな効果になっていると考えています。
この整体治療も”耳鳴り治療のガイドライン”から見るとエビデンスのない治療です。
同様に、鍼治療もそれなりの効果があるのではないかと注視しました。
検証データから５回の治療で効果が出るのなら、試してみる価値があるのではないかと思います。
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