以前から興味を持っている "TSCHQ "という自己質問による"耳鳴り実態調査票"について記載してみようと思います。 TSCHQ (Tinnitus Sample Case History Questionnaire / 耳鳴実態調査票)は、耳鳴り患者が医師に必要な症状を知らせる質問票です。

耳鳴りは、症状や原因などを測るのが大変難しい疾患だと言われています。

だから、医師には患者から十分な情報を取得して、なるべく詳細に症状を理解してもらいたい気持ちです。

ただ、多くのクリニックではかなり短い問診で処理されているのが現状で、確実な診断が出来ているのかと、患者は不安を持つことがあります。

多数の患者を治療しなくてはいけない医師としては、問診の時間は限られているのも仕方ないのかも知れませんが。

 

問診前の質問票が有効

患者は診療までの待ち時間が十分あるのですから、その時間を使って症状をより詳細にコミュニケーションできるシステムを作ったら良いなと考えます。

まずは、各種の質問票の回答が手やすく有効ではないでしょうか。

たとえばTHI (耳鳴りの苦痛度の質問表)は、聴覚検査と共に継続して評価するべきもの。待合室で質問回答すれば良いと思うのですが。

 

TSCHQを初診時に活用

ここで、以前から興味を持っている "TSCHQ "という自己質問による"耳鳴り実態調査票"について記載してみようと思います。

TSCHQ (Tinnitus Sample Case History Questionnaire / 耳鳴実態調査票)は、耳鳴り患者が医師に必要な症状を知らせる質問票です。

これは、THIのように継続する必要はなく、初診時に提出する質問票です。

 

私は、この質問項目を確認して、患者の”解る範囲の情報”を医師に伝えることが出来る有効なものだと考えていました。

患者が自身の状態を把握しながら記載することは、医師との短い問診の時間内で答えるよりも適正に回答も出来ることでしょう。

医師は、その質問票の気になる項目ををチェックの上、問診してもらうことにより短時間に適切な診断ができるのではないでしょうか。

 

耳鳴りガイドラインにも"TSCHQ "は、耳鳴り患者の特徴を解析するものとして提案されています。

しかし現状は、TSCHQを活用している病院をほとんどないようです。

 

TSCHQで、自身の症状の整理も

TSCHQは医師が患者の症状を、確認・理解するための質問票ではありますが。

患者自身で、耳鳴りの症状を確認するのためにも役に立つと思います。

患者がこれらの質問回答しながら、自身の耳鳴りを客観的に把握するのに併用できるのではないでしょうか。

自分の耳鳴りを「なんとなく」としか理解できていない状況から、症状を整理できる質問票だとも考えられます。

 

自身の耳鳴り整理のために、回答してみてください。

TSCHQ 

Tinnitus Sample Case History Questionnaire

Tinnitus Sample Case History Questionnaire

耳鳴実態調査票

1.年齢

[                ] 歳

2.性別

□ 男性 □ 女性

3.利き手

□ 右利き  □ 左利  □両利き

4.耳鳴りの家族歴

□ ある (ある場合:□両親  □兄弟姉妹  □子供)  □ ない

5.最初の発症 (耳鳴を最初に感じたのはいつですか?)

[                                        ]

6.どのように始まりましたか?

□ 徐々に  □ 突然

7.最初に感じた耳鳴に関係していたものはありますか?

□ 爆発するような大きな音  □ むち打ち症  □ 聴力の悪化  □ ストレス  □ 頭の怪我  □ その他

8.耳鳴りは脈打つように感じられますか?

□ はい □ いいえ 

9.耳鳴りはどこで感じますか?

□ 右耳  □ 左耳  □ 両耳だが左のほうがひどい  □ 両耳だが右のほうがひどい  □ 両耳で等し  □ 頭の中  □ その他(    ) 

10.耳鳴りは時間的な現れ方はどのようですか?

□ 間をおいて  □ 持続的に

11.耳鳴りの大きさは日によって変わりますか?

□ はい □ いいえ 

12.耳鳴りの大きさを1〜100の段階で表してください (1=非常にかすかに聞こえる / 100=非常に大き く聞こえる)

[                ](1〜100) 

13.耳鳴りは通常どのような音に聞こえるか?

 □ シューシュー(風を切る音)  □ ベルの鳴るような音  □ ドクドク(脈打つ音)   □ ブーン  □ カチッ  □ メリッ  □  ピポパ(ダイヤル音などのプッシュ信号)  □ ブンブン(羽音など)  □ ポン(はじける音)  □ ゴーゴー(轟 音)  □ ザーザー(勢いよく流れる音)  □ タイプライター音(カタカタ)  □ ヒューヒュー  □ シュー   □ その他(      )    

14.耳鳴り耳鳴りの音色は澄んだ音ですか、それとも雑音のような音でしたか?

□ 澄んだ音(ピーなど)  □ 雑音(ザーなど)  □ 虫の鳴き声(ジーなど)  □ その他(     )

15.耳鳴りの音の高さはどうですか?

□ 非常に高い音(高い周波数)  □ 高い音  □ 中くらい  □ 低い音(低い周波数)

16.最近1ヶ月間で、起きている時間のうち、どのくらいの割合で耳鳴がしていましたか?(例えば起きていた時間いつも気になっていた場合は100%、起きていた時間の1/4程度の時間であれば25%とし てください。)

[                ] %(1〜100)

17.最近1カ月間で起きている時間のうち、どのくらいの割合で耳鳴りに悩まされたり、苦痛を感じた り、イライラしたりしましたか?      上記の設問と同様に1〜100%でお答えください。

[                ] %(1〜100)

18.今までに耳鳴りに対して何種類の治療を受けられましたか?

□ なし  □ 2〜5種類   □ たくさん

19.音楽や滝の音のような環境音、シャワーを浴びる時の水の音などで耳鳴りは軽減されますか?

□ はい  □ いいえ  □ わからない

20.大きな音を聞いていると耳鳴りは悪化しますか?

□ はい  □ いいえ  □ わからない

21.頭や首を動かす(下顎を前に突き出す、歯を食いしばる)、腕・手または頭に触れられるなどで耳鳴りは変化しますか?

□ はい □ いいえ

22.昼寝をすると耳鳴りは変化しますか?

□ 耳鳴りが悪化する  □ 耳鳴が軽減する  □ 影響なし

23.夜間の睡眠と昼間の耳鳴りには関係がありますか?

□ はい  □ いいえ  □ わからない

24.ストレスは耳鳴りに影響しますか?

□ 耳鳴が悪化  □ 耳鳴が軽減  □ 影響なし

25.耳鳴りに影響するような薬はありますか?

薬剤名(       )

26.聞こえ方について支障を感じますか?

□ はい  □ いいえ

27.補聴器を使用していますか?

□ 右耳   □ 左耳   □ 両耳   □ 使用していない

28.周囲の人にとっては快適と思われる音が、あなたにとっては音が大きすぎて耐えられないものに感じることがありますか?

□ ない  □ まれにある  □ 時々ある  □ よくある  □ いつも

29.音を聞くことで痛みを感じたり、身体的な不快感を感じることがありますか?

□ はい  □ いいえ  □ わからない

30.頭痛はありますか?

□ はい □ いいえ

31.めまいやふらつき感はありますか?

□ はい □ いいえ

32.顎関節症などかみ合わせに問題はありますか?

□ はい □ いいえ

33.首の痛みはありますか?

□ はい □ いいえ

34.他に痛みを伴う病気がありますか?

□ はい □ いいえ

35.現在、精神疾患治療を受けられたことはありますか?

□ はい □ いいえ