この暑い季節に、百日紅(さるすべり)の花が透明感のある花びらに繊細なフリルをついて、愛らしく見えませんか?夏に咲いてた花が、お盆を過ぎると、なんとなく時期を終えるような気がして。 この時期は、百日紅が印象的に見入るようになって振り向いてしまいます。

まだ暑い季節なのに。百日紅(さるすべり)の花が透明感のある花びらに繊細なフリルがついて、愛らしく見えませんか?

 

夏に咲いてた花が、お盆を過ぎると、なんとなく時期を終えるような気がして。

この時期は、百日紅が印象的に見入るようになって振り向いてしまいます。

 

百日紅の花が咲く季節は夏。 

6月頃から咲き始め、9月の終わりから10月まで咲いて、名前の通り ”百日間” も咲く花です。

初夏は、紫陽花やひまわりなど夏の花がクローズアップされて、百日紅を見向くことがあまりなかったのですが。

真っ青な8月の後半の空に、色鮮やかな百日紅がとても引き立っています。

 

小学生の夏休みが終わる頃、私と祖母が住宅地の細道を歩いていたとき見つけた、深い赤色の百日紅。

祖母に指を刺されて、初めてこの花をじーっと見つめたことを覚えています。

そして、祖母は歩きながら百日紅の物語を話してくれました。

 

ある海辺の村で、水難から逃れるように竜神に娘を、毎年生贄として捧げる風習がありました。
この年、生贄として選ばれたのは長者さんの可愛い娘さん。
長者の娘であっても、ルールを変えることはできない風習です。
覚悟を決めた娘は、海辺で竜神を待つことになりました。

ちょうどその時、通りかかった旅の途中の王子さま。
美しい娘に一目で恋に落ちた王子さまは、勇敢にも竜神に立ち向かいました。
そして見事に、竜神を討ち果たしたのです。

旅の途中だった王子さまは、百日後に娘を迎えに来ることを約束してその村を立ち去りました。

娘は生贄から逃れたのに、まさか病気で亡くなってしまったのです。
百日後に戻ってきた王子さまは驚き、とても嘆き悲しみました。王子さまが娘のために立派なお墓を建てました。
やがて、お墓から1本の木が芽を出し、紅い可憐な花が咲いたのです。
百日の間、王子さまの帰りを待続けながら約束を果たせなかった娘の生まれ変わりとして、その木を「百日紅(ひゃくじつこう)」と呼ぶようになったと言われます。

(祖母の話してくれた物語を、情報を調べてまとめたものです)

 

夏が終わる頃、百日紅をみると祖母が物語を話してくれた夕方の光景を思い出します。

夕陽が、祖母の顔にオレンジ色の光がキラキラ当たっていたあの瞬間を。

 

百日紅の花言葉は「雄弁」「饒舌」「あなたを信じる」です。 

サルスベリの特徴である花期の長さから、よくおしゃべりする人を連想させることから、「雄弁」や「饒舌」が付けられたとされています。

「あなたを信じる」は王子さまの悲恋物語が由来だそうです。

 

 

秋桜、金木犀などの秋の花が咲くまでは、花の主役は百日紅。

 

優しさを感じる ”ピンク” 色。

暑さの中の爽やかさを感じる "白" 色。

そして私は、深い赤色の百日紅をみると、小さな頃の光景を思い出します。