プラセボ効果は、効き目のある成分が入っていない薬を服用しても、患者自身が、自分が飲んでいる薬が効き目があると思い込むことで、病気の症状が改善することがあることです。
プラセボ (プラシーボ) 効果は、効き目のある成分が入っていない薬を服用しても、患者自身が、自分が飲んでいる薬が効き目があると思い込むことで、病気の症状が改善することがあることです。

子供の頃、祖母からお腹が痛い時、お寺からもらった”護符薬”というお守り薬を飲んだことがあります。それが、何か効いた気がしたのもプラセボ効果だったのだと思い起こします。
興味のある ”プラセボ効果” について考えてみました。
臨床試験で、プラセボ効果が発現

薬の臨床試験で、本薬と偽薬(プラセボ)を別々の試験者が服用して試験薬の効果を実証する時に ”プラセボ効果” 発見されたました。
渡されるプラセボ(偽薬)には、薬としての有効成分が何も含まれていないはずなのに、それを服用した被験者に症状の改善が見られたこと。これが、「プラセボ効果」と呼ばれる現象です。
このプラセボ効果は、馬鹿にできません。
臨床試験では5~30%程度の患者にプラセボ効果が確認されることもあるそうだからです。つまり、本物の薬を使用していないのにも関わらず、ある程度の人には改善効果が発現することになります。
プラセボ効果の理由
プラセボ効果は、痛み、心臓疾患や胃腸疾患、高血圧症状が和らいだと感じることがあるという。一方、ガンのような病気の治療には役に立たないようです。
病気に感覚的症状がある場合に効果が出るケースが多いと言うことです。
多くの研究者はプラセボ効果を、医師と患者の人間関係や、手を患部に置くことで痛みが薄れるように感じることのように、信頼関係がもたらすものだと捉えています。
プラセボ効果は手軽な心理療法と考えているのですが。
しかし、2005年6月に学術誌「Neuroimmunomodulation」に掲載された総説論文によると.......
プラセボは患者が有効な薬を受け取っているかもしれないと信じるだけでも、脳は鎮痛と気分を向上させる効果で知られるエンドルフィンなどの化学物質を分泌し、治癒を促す可能性があると記しています。
また、プラセボ効果は、内因性オピオイドや内因性カンナビノイド、ドパミン、オキシトシン、バソプレシンなどの放出を引き起こしていることも示されています。
決定的な検証は出来ていないものの、心理的な改善と共に脳の作用により何かしらの改善物質を促してプラセボ効果が起きているという考え方でしょうか。
オープンラベル・プラセボも効果
偽薬だと事前に分かって飲んでも効果があることが検証されている。
ここ数十年の間に、最初から被験者にプラセボであることを知らせるオープンラベル(非盲検試験)の有効性を検証する研究が複数実施され、多くの場合症状が緩和したという結果が出ていようです。
こうなると、ますます理解しにくいプラセボ効果です。
2021年2月16日付で学術誌「Scientific Reports」に発表された総説論文は、計800人近い被験者が参加した13の治験を評価し、オープンラベル・プラセボが優れた有効性を示しているという結論に達した。予想外の結果に多くの専門家が関心を寄せている。
耳鳴りの薬もプラセボ効果の可能性
耳鳴りは、脳、感覚的症状の影響が大きい病気で、プラセボ効果がよく見られると言われています。

耳鳴りの薬としてメチコバール、アデホスなどが良く処方されますが、それらの薬にはエビデンスがないとされています。
それでも、効果があるのはプラセボ効果ではないかと言われる先端専門医が注目されています。
ただし、メチコバールはビタミンB12の不足による耳の障害を起こしている患者にとっては改善を促すことは良くあります。
アデホスも血流促進することで、耳鳴りを改善する可能性がないわけではありません。
一方、「こんな薬が効くわけない」とか「この薬を飲むと副作用が起こるんじゃないか」というように思いこんで飲んでしまうと、プラセボ効果が薄れてしまいます。
だから、まずは処方された薬を素直に効くものだと思って服用すること。プラセボ効果でも耳鳴りが改善すれば良い訳ですから。
ただ、ある程度の期間の服用により改善しないのなら、その方にはプラセボ効果がないということなのでしょうか。