その33です。お仕事の話は、入団前の話も含めて50話に到達しました。予定通りに進んできました。
この辺りでネズミー社の話はひと区切りつけたいと思います。


このお話で取り上げた、ネズミー社のミュージカルですが、ブロードウェイ→ロサンゼルス→日本の順で開幕しています(日本と同じ年に開幕した国は他にもあるんですけどね)
YouTubeで確認できるバージョンもありますが、各国、各都市で少しずつアレンジが異なっています。

まず、お城。
上手(舞台向かって右側)に、獣王子が住む塔があるのですが、下手(同じく左側)にある母屋の部分と切り離して動かすことができます。塔の部分は、一幕ラスト王子のソロで舞台前にせり出てきて、半回転します。塔の中から外に出て歌う場面なのですが、この時のお城の回転方向が国によってまちまちです。
アメリカでは、上から見て時計回りに回ったのですが、日本では電源の関係で反時計回りです。客席が上手側になると、イマイチ迫力に欠けるので、下手側から観るのがオススメでした。

ちなみに王子の部屋の中にある、「最期の一枚が散る瞬間までに、愛し愛されることを知るならば云々」っていう例のバラの花ですが、これ塔の下に潜りこんでいる、舞台監督部のスタッフが操作していました。インカムからの合図でスイッチを押すと散る、、っていう仕組みになっていました。人力薔薇散らし。


一幕ラスト近くの晩餐会のシーンでは、歌い出しの辺りで、蝋燭執事と美女さんの2人のバックに幕が降りてきます。日本だと赤いオペラ幕がゆっくりと閉まるのですが、、、さすがアメリカ。ロスの公演では、キラッキラのテープ(アルミホイルみたいにテカるテープ)が、バッサーーーー!と落ちてきます。まるでナイアガラの滝の様に。
美女さんが、テープに驚くっていう演出がされてます。(日本は蝋燭執事を見ているので、驚いたりしません)
多分、公演国のお国柄もあるのですが、ネズミー社がいろんな演出を試してた、なんて話もありました。ロスの演出は、派手好きのアメリカンらしい、、かな。
まあ、ナイアガラテープは落ちてくる感じなので、当たったら危ないです(裾にウエイトが入っていて、綺麗に落ちるようになってます)。
オペラ幕で良かったと思ってましたが、、、このオペラ幕にも電飾を仕込まねばならず、K電飾さんにはお世話になりました。
このシーンは、ショーに近いものがありますよね。ロサンゼルスでも、盛り上がって盛り上がって、まさに「ショーストップ」になる日があったようです。


あと、役者さんによっても異なるものがありまして、衣装もそうです。
美女さんのチロリアンな衣装のブラウス袖。あれも長袖があったり半袖があったりしましてね。どうやら好みで選んでたみたいです。2幕頭で、狼に食い破られるのですが、上手く破けなかった時もありまして、そんな時は、ダラーンと下げたままその後の演技を続行していました。その方が自然で良いのに、と思ったのは内緒です。


開幕後に追加したのは、美女のイエロードレス。
2人だけの晩餐会のシーン(テーマ曲のシーンですね)のドレスとラストシーンのイエロードレスは、本来は違うデザインなのですが、日本初演時は同じドレスを着回していました。
開幕して何ヶ月か後にダメ出しがあって、ブロードウェイやロスと同じく、赤いバラがアクセントについているドレスが追加になりました。
それも、「今日の公演からドレスが変わります」っていうお知らせなしで、いきなり変わったので、照明部は驚いたのなんのって、、、照明の加減があるので、衣装の変更時は必ず連絡頂きたいモノです。

今日は、小ネタ集でしたね。ナイト◯クープみたいかな。
明日は、起きたアクシデント色々を残そうかな。
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