週末なので、心ウキウキ、、、の筈でしたが、桜は散り、更に寒さが戻ってくるのですよね。
憂鬱だーー。

さて、長身の2枚目俳優さんが飛び出して行ってからは、営業さんは尻拭いに大変だったそうです。
そりゃそうだ。彼、人気者だったんですもの。今だって、大河ドラマに出たりするので固定ファンがいる筈です。若かった当時の彼を目当てに、チケットを買ったお客さんも沢山いたでしょう。会報誌でも、主役インタビューの記事に顔を出していましたし、初日目前でアッサリ「辞めました」なんて言えません。


「1番調子の良い俳優を出す」
という、当時の演出家の言葉が、この時は効果を発揮しました。つまり、彼は「役に会わず、調子が悪い」事になった訳です。
今ならネット界隈で初日は大騒ぎだったかもしれませんが、当時は、劇場へ来てからビックリ&ガッカリというファンがほとんどでした。(いや、今なら出て行った直後にTwitterで流出するかな)


劇団は、今も昔も出演契約の縛りがあって、退団後一年は、他の配給会社や劇団の舞台には立てません。テレビにも出られません。
退団を公式に発表することは、皆無と言っても良いので、この時も、いつの間にか彼は消えてしまいました。
ファンは、どこへ行ってしまったのか盛んに議論して、更に問い合わせてもこられたようです。のらりくらりとかわしてたのでしょうかね。

そんな理由があり、実質的退団は、初演の年1995年ですが、Wikipediaでは翌年1996年退団と書かれています。

退団の理由ですが、見ていた人は居ないというのが結論でしたので、当事者しか本当のことは分かりません。
獣王子が王子様に戻るシーンのリハーサル前のトラブルでした。彼は早変わりに備えて、衣装やメイクを着ける為に、一旦楽屋に引っ込み、床山さん(カツラの髪結いです)とメイクさんが準備をしようとしたそうです。その時に劇団の代表が入って来て、人払いをしたとか。2人きりで話し合いたい事があったようです。
その話し合いが決裂しての電撃退団だとされています。

内容は、当時彼がお付き合いをしていた女性との関係の事ではないか?と言うのが、専らの噂でした。

相手の女性は、これまた主役級の俳優さんで、代表の今の奥様と、東西の横綱を分け合っていた程の方。
劇団では、女優さんを殊の外大切にしていました。作品内での恋愛が、現実の恋愛に変化する事も多く、そのまま結婚、妊娠、出産、退団の流れになった方は多いのです。
女性が主役の作品が多い世界です。大切に育てて来た女優さんが、劇団を去ってしまわない様に、彼に釘を刺したのでしょう。その結果逆鱗に触れ、彼が退団する事になってしまいました。

彼女の方は、しばらく憔悴しきっていました。みるみる痩せた時期もあり、タップダンスのミュージカルの時には、折れそうに細い腰で心配したものです。
彼が退団して10年後、彼女も劇団を去ります。この時は、代表が恨めしそうにコメントを発表しました。
退団後に彼が立ち上げた事務所に、彼女は所属しています。

劇団発展期に一時代を築いた方達が、少しずつ去って行きました。役者は年齢と共に、演じることができる役は変わっていきます。次のステップへ進むための退団であっても、何かあったに違いない、、、そう勘ぐってしまうのは、あの時の彼の怒声が今も耳に残るのからなのかもしれません。

長身の彼が居なくなり、2枚目ポジションが空く、、、という不安は全くなく、ちゃんと次のスターが出てきました。
サックスが得意で、退団後は倍返しドラマに出演し、銀行の支店長を演じた彼が、躍り出てきました。元々ハンサムでファンの多かった方ですが、一番手が抜けた事により、一気にファンをかっさらいました。
怪我の功名だと思うのですが、、、どうでしょう?

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桜、散ってしまいましたね。また来年の桜を楽しみに頑張るぞ!