日中、目がショボショボします。
花粉症と言うほどではない程度にクシャミが出ました。 花粉かな?黄砂かな?PM2.5かな?

さて、照明の仕込みの中には、まるっと外注する物もありまして、例えばこの作品では電飾でした。 
一幕終わり頃に、こっそり城のダイニングに降りてきたヒロインにディナーをご馳走する場面がありましてね。歌ったり踊ったりの賑やかなディナーシーンなのですが、この時のセットに電飾がかなり仕込まれています。お皿の縁取りが分かりやすいかな。例えは悪いですが、パチンコ屋の看板みたいにお皿が光っています。緞帳にも電飾が付いていますよ。

K電飾という会社が担当されていて、猫だらけミャージカルの客席の電飾や、千葉にある夢の国のパレードの電飾も、こちらの会社が担当されていました。
パレードは、キャラクターが乗っている馬車や乗り物、姫達のドレス、ダンサーの衣装などを電飾で飾っています。(衣装の電飾は、ダンサーがバッテリーを背負っています。今とは違って、エレクトリカルパレードの頃は、バッテリーが大きく、ダンサーの負担もかなりのものだったそう)

劇団の照明部としては、電飾用の電源の供給のみ行い、あとはネズミー社の指示通り仕込んでくださいました。開演後は劇団でメンテします。(これはバリライトと同じですね。ただ、バリライト程手はかかりませんよ)

色んな会社の色んな方々の協力を得て、仕込みも終盤になりました。外注会社も徐々に引き上げて行き、人口密度が一気に減りました。
また、演出家や主演俳優さんが、劇場内の見学に来られる姿を見ることも増えました。

楽屋も整い、劇団内の工房で作成されていた小道具や衣装が到着し始めました。舞台裏通路上の棚に小道具が並べられ、ハンガーラックに衣装が下げられます。
俳優さんの楽屋入りの日が正式に決まると(元々予定は決まっていましたが、仕込みの進捗によっては多少動く可能性もありました)私達裏方のうち、本番付き以外は横浜の劇団事務所や、担当の公演地に戻って行きました。

テクリハ(テクニカルリハーサル=音楽を録音テープで流し、音に合わせて本番通りに照明を点けて、道具類を動かす、技術だけのリハーサルのこと)を経て、いよいよ俳優さんが劇場入りしてきました。
華のある人達が一気に入ってくるのです。今までは黒づくめのスタッフばかりで暗かった劇場内に花が咲いたようでした。空気が一気に明るくなりました。そんな人でないと舞台俳優は大成しないのでしょうね。

主要キャストは個室または2人部屋の楽屋を割り当てられ、アンサンブルは大きな楽屋をシェアして使います。主演の獣王子は特殊メイクもあり、衣装も着ぐるみレベルに大きく幅を取るので、個室でした。特殊メイクやカツラはアデラ◯スの協力を得ていたと思います。

横浜の稽古場で、毎日毎日稽古を繰り返した上でのリハーサルですが、道具類に乗ったり照明が入るのは初めてなので、最初は少しづつリハが進んで行きます。
小返しと呼ばれるのですが、一場ずつ立ち位置を確認してから通して稽古し、ダメ出しを受けて直して、、、を繰り返すものです。
ある程度まとまってくると、一幕を三つくらいに区切り、そこまで通します。慣れると一幕一気に進み、最後は全部通します。
俳優さんはプロですが、やはり舞台は生物、たとえリハであっても色々トラブルがありましたよ。

そうそう、着到板(ちゃくとうばん)や神棚も、舞台裏にちゃんと備えられました。
着到板とは、一面が赤、もう一面が白の札で、両面に俳優さんの名前が書いてあります。劇場入りすると白から赤にひっくり返します。これで、来ているかどうかがわかる、タイムカードのようなものです。
この着到板は色んなタイプがありまして、歌舞伎の場合、板に役者の名前が書いてあり、名前の上に釘穴が空いています。劇場入りすると、その名前の上に色付きの竹釘を指すようになっています。
で、なんで到着ではなく、着到なのかというと、
「到着」「着到」どちらも、“目的地に着いた”という意味は同じになるのですが

「到着」は着いたという行為そのものを表していますが「着到」は着いたという証明の様な意味が有ります。なので、楽屋入りの場合は、仕事を始めていることを知らしめる意味合いを持たせるために「着到」を使っています。


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伝統の世界の着到板はこんな感じ↑