涼しくなる頃にコード作りもほぼ終わり、O町倉庫に一旦送られました。倉庫で東京公演分と大阪公演分に分け(足りなかったらまた作る予定でしたが)その他諸々と共に荷出しを待つばかりとなりました。

他の部署でも準備が進んでいきました。
意外かもしれませんが、公演には劇団外の力をかなり借りています。
俳優さんの中には、この作品に出るためにオーディションに参加し、初めて舞台に立つ(四季節に慣れていない)方もそれなりにおられました。実際、すぐに退団しましたしね。劇団に入りたいというより、この作品に出たかったということなんでしょう。

裏方も、外注のスタッフが各部署何人かおられました。照明だと、バリライトジャパンもそれになります。今回は新人が多かったことから、ピンスポットの操作のフォローのためにもお2人参加してくださっていました。
団の裏方でも特定の公演に付いていない人は、空いている時に赤坂の劇場まで来られていました。
総力を挙げて、というと大げさに聞こえますが、そんな感じでした。

朝晩涼しくなり、風が冷たく感じられるようになった頃、仕込みが始まりました。
搬入や、吊り込み(舞台上にあるバトンと呼ばれる棒に、照明を取り付ける作業)を先に済ませます。二重床が組み上がると、道具の中(お城とか晩餐会の道具類)やラダーの仕込みに移ります。あらかたの吊り込みが終わり、道具の位置が決まると、アタリとりに移るのですが、合間にシーリングやフロントライトの仕込みもあります。

こう書くと、割とさっくり進むように思えるのですが、手探りの中、試行錯誤を繰り返して作業は進みます。打ち合わせは十分してあるのですが、実際に組んでみると予定通りにいかないことも多かったです。
新人には解決できるほどの知恵も経験もありませんが、チーフレベルの打ち合わせが終わるまでの待機時間も長く、それだけでもなかなか大変です。
順を追って仕込みの事を書いていきたいと思うのですが、どの日も寝不足と、疲れのせいでだるかったふくらはぎの事を思い出します。痩せましたねーあの頃。
大体、朝9時ごろに劇場入りし、帰るのは21時以降でした。毎日劇場の中で半日を過ごすので、その日の天気を全く知らずに終わることもありました。時々スケジュールが変わり、照明が使えるのは朝8時からなんていう日もありました。そんな日の朝は早い早い。土日関係なく仕込みはあります。時々交代で休みを取りますが、皆一日中寝て終わっていました。

11月24日の開幕に向けて、仕込みが始まったのは確か10月初旬。
劇場正面にエントランス。挟んで右にはチケットボックス、左手に仕込み期間中のみの関係者出入り口がありました。毎日ここを通り、警備員さんに挨拶して劇場入りです。
帰る時にはグッタリして通る道で、警備員さんの「気を付けてお帰りよ」の言葉がありがたかったのを覚えています。
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