20年前。
美味しかったんです、劇団の食堂。
今もあるのかなー?
本番付きになってしまうと、劇団まで行く機会が減りますので、なかなか食べられなくなります。


体が資本の俳優が、コンビニのお弁当や味の濃い出来合いの物をなるべく口にしなくて良いようにとのことで、劇団には食堂がありました。
今はあるのか無いのか、あるとすると場所はどこなのか知りません。
在籍していた頃は、劇団の地下、稽古場の前あたりにありました。そんなに広さは無いのですが、テラスに面していて明るい場所でした。風通しも良いため、春は窓を開けて食べる事も出来ました。
食事を作ってくれるのは、近所のパートのお母さん達です。白いエプロンを着けて、沢山の小鉢を並べてくれていました。

食べたい皿をトレイに乗せて、最後に食券を渡します。食券と呼んでいましたが、実際はチケットですね。一冊ン千円のチケットで、その日選んだ皿の合計金額分だけ切り取ってお母さん達に渡すんです。
実家から飛び出すように上京し、金欠もあってほとんど実家に帰らなかった私には、懐かしい感じのする味でした。
美味しかったです。本当に。
仕事に慣れてくると、横浜にはあまり行かなくなりました。劇場へ直行することになるので、食堂とも縁が薄くなるんです。
それでも、行ける時には行ってました。食べることは基本ですよね。

他にも色々な設備やサービスがありました。
屋上には沢山の鉢植えがあって、聞くと旅公演に出ている役者さんが育てている花でした。みんなで代わる代わる水をあげて、公演が終わるまで世話をしているとのことでした。

銀行のATMもありました。劇団の中にですよ。
お給料は、最寄駅の近くにあった銀行支店の口座に振り込まれます。入団した時に口座を開設しました。今でも、当時のキャッシュカードを持っています。
(宝くじ、、と言えばわかるかな?あの銀行です。今では、別の銀行名に変わっていますね。支店も無くなったんじゃないかな?)
わざわざ外に出なくていいし、まだコンビニにATMなど置いていない時代でしたので、とても助かりました。

演劇と言えば、貧乏しながら青春をかける、、、ようなイメージがあるかと思いますが、食べられないから辞めていく仲間をたくさん見てきた劇団代表の考えで、非常に恵まれた環境が整えられていました。
賛否ある劇団ですが、演劇でも食べていけるのだと証明したのは、画期的だったと思います。

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↑唐突にコアラです。淡路島で見てきました。結構モッサリしています。