無事に入団してからのお話です。
20年前、、、時が経つのは早いなー。
劇団も世代交代して様変わりしましたね。

4月1日、無事に入団式に参加致しました。
結局、就職先が決まらずバイトで食いつなぐことになった友人もいましたので、名が通った劇団に入れ、かつ給料も生活が成り立つくらい頂けるという、非常に恵まれたスタートでした。

入団式は、例の第1稽古場で行われました。みんな一応スーツで参加ですが、一般企業とは雰囲気が異なります。長髪あり、髭あり、ピアスあり、一部の衣装さんは自作のワンピースで参加(マダムジ◯ーみたいでした)してるし、別日に採用試験が行われていた、真面目そうな事務方さんも加わって、もうごった煮みたいな光景でした。

劇団の代表やメインを張る俳優さん(振り付けのスーパーバイザーとかで名前が載るくらいの方たち)も列席されていました。
式自体は、一般企業のそれと変わりがないと思います。式辞があり、各部署のトップが紹介され、劇団の新しい歴史を作り上げていきましょう、と奮起を促して終わりました。

廊下にまたも荷出し(上演する劇場に道具や衣装や機材を送り出すこと)を待つ衣装が、ハンガーラックに掛けて置かれてありました。例のシャンデリアが落ちてくるミュージカルの衣装で、冒頭のバレエシーンで使われる赤と緑の衣装やタキシード。ラックの隣を団員が駆けていくと、スパンコールやビーズが風を受けて揺れました。光を浴びてキラキラ輝きます。

初演の頃にイギリスのカンパニーの指示のもと製作された衣装が、まだまだ残っていた頃で、メンテナンスしながら着続けられていました。
日本初演から30年を経た今では、ロングランに耐え、コスト的にも負担になりにくい方法で製作されているのか、随分デザイン的にも素材も変わった様に思います。初演の頃の方が、よりデコラティブですが、重厚感があって私は好きです。役者さんは重くて大変だろうけど。
地下に住む仮面の男のタキシードは、よく見ると軽く畝のあるストライプの生地で、舞台に乗り、灯りがつくと立体感が出ます。舞台の質って、こういうところにも出てくるのだと思います。制作費十ン億は伊達ではない。(30年経ってイニシャルコストはペイ出来ていると思いますが)

式が終わると、各部署トップのところに現場チーフクラスの方が駆けつけて、私達を各部署に案内してくれました。
照明はここだよー、と連れて来られて、あまりの光景にビックリ仰天。劇団の敷地の隅にあるボッロボロのプレハブ小屋の二階に案内されたのです。

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