入団が決まったのが6月。で当然入団までは半年以上の時間が空く訳です。俳優さんはすぐに稽古が始まるのでしょうが、私達のときは、新卒の扱いでしたので、採用決定後は4月1日を待つだけです。
私は、バイトと観劇と少しの学業生活を過ごしていました。この待機期間に、2つの劇団がらみのイベントがありました。

1つ目は、研修と称した観劇です。
渋谷の「こどもの城」内にあった劇場で上演されていたオリジナルミュージカルを観に来てください。という手紙が届いたのは、秋口だったでしょうか。無料でした(そのかわり?席は二階席の最後列。当たり前か)
現在は、戦中や戦後を題材にした舞台を複数レパートリーに持っていますが、当時はその一作のみでした。
第二次世界大戦中に、日本人でありながら中国人女優として活躍していた方を題材にした舞台で、映画批評家の◯すぎとピー◯さんに、「年表に節つけたみたい」と言われてしまった作品です。
舞台化より以前に、沢口靖子さん主演でテレビドラマ化されていて、大正生まれのおばあちゃんと一緒にそれを観た私には、馴染みのある題材でした。おばあちゃんは、女学校の帰り道、映画館の看板に描かれていた彼女の似顔絵を見て「なんて綺麗な人だろう」と思っていたそうです。

当時、劇団の看板女優さんが主演していまして、年齢は30代の頃だったと思います。子供時代も彼女が演じるのですが、青いミニのジャンパースカートを着て出てきた時、本当は子役が演じてるのだと勘違いしてしまいました。小柄な方ではあるのですが、体系は大人のそれです。  仕草、走り方、雰囲気、それらが女児のそのものだったのですね。
大きな劇団である故、評価も批判も双方ある訳ですが、規模が大きくなった理由の1つには、中心になった俳優さんの演技力や歌唱力、ダンス力があったのは確かだと思いました。

在団中、上記の女優さんが稽古場で踊りのレッスンに参加しているところに出くわしたときがあるのですが、180度の開脚をサラリとこなしておられました。なんでも器械体操の経験があるとか。歌畑の方だとばかり思っていたので、ビックリしました。

もう1つのイベントは、劇団の忘年会にあたる「納会」です。
時々、会報などに掲載されていたので、古くから劇団を知る方には(代表演出家がご健在の頃を)馴染みがあるのかな?
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