20年前の私の思い出話です。
今とは事情が異なること、ご了承ください。

事務の方の説明によると、面接は個別面接。
数人まとめて控え室に呼ばれるので、各呼び出し担当者に着いて行ってください。
順番が来たら、1人ずつ呼ばれるので、控え室から面接室へお入りください。
面接が終わったら、そのまま帰って構わないので、忘れ物の無いように。
とのことでした。
どんな順番で呼ばれたのかわかりません。
ただ、私の苗字(旧姓)は五十音順だと最初の方です。当日、呼ばれたのもかなり早かったので、あいうえお順で呼び出していたのだと思います。男性が先とかは無かったですもん。

説明が終わると、早速各部署の呼び出し担当と思われる方が稽古場に入って来て、「じゃあ、〇〇さんと△△さんと□□さんは着いて来てねー」と声をかけてくれました。私は、この第一陣に含まれていました。カバン以外に持ち物の無かった私は、その黒い鞄ひとつを肩にかけて、担当者に着いて行きました。
ちなみにこの呼び出し担当の方、トレーナーとパンツというラフな格好で、明らかに事務方では無いんですよね。お化粧も殆どしていないし、いったい誰なんだろ?と思ってました。後々分かるのですが、照明係の先輩です(笑)

で、控え室、、、といっても各面接室前の廊下まで連れてこられ、ここの椅子に座って待っててねと言い渡されました。ここから、1人ずつ呼ばれる訳なんですね。私は3人目くらいだったかな?
呼び出し担当の先輩さんは、面接室の中に「連れて来ましたー」と言いながら入って行きました。
間髪入れずに、1人目の子が呼ばれ、緊張の面持ちで入って行きました。
待っている間は、手持ち無沙汰。隣に座った子は緊張からか、しきりにため息をついていました。

前々から書いている通り、小さな頃からバレエの稽古に通っていた私。プロになれるレベルで無いことは、自分自身が一番よく分かっていました。ただ、好きで少しでも上手くなりたい一心で稽古に励んでいた訳です。結局、何の形にもならなかったように思われていましたが、1つ大きなメリットがありました。
本番に強くなるんです。というか、大きな舞台で緊張しても、正面からぶつかっていける度胸がつくんですね。緊張したから、普段の半分も力が出なかった💦なんて言いますが、年齢が上がるごとにそういうことが段々と減っていきました。
この時も、緊張でガッチガチの隣の子を尻目に、掲示物を見たり、通り過ぎる別部署の受験生を見たり、廊下に置いてあるハンガーラックに掛かっている衣装を眺めたりと、第1グループの最後に呼ばれるまで、割と楽しく過ごしていました。
(現在、バレエのように人前で何か披露する習い事を習っている方、習わせておいでの親御さんへ。決して、上手になるだけが習い事の目的ではありません。私のように度胸がつくこともありますし、礼儀が身につくこともメリットの1つです。1つのことを続けると、それだけで何かしら自分に返ってくるもんです)

ひとつ前の子が面接室から退出して数十秒後、「どうぞー」と、さっきの先輩さんがひょっこり顔を出して呼び入れてくれました。
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