さて、勢いに任せて北陸のど田舎から上京した私。
何にも考え無しだった訳ではなく、電子工学の分野の専門学校を受験し、進学先に決めての上京です。

漠然と「衣装」、チャコットのような「ダンス用品メーカー」、「舞台技術」のいずれかの道に進もうと考えていたのですが、結局高校時代に楽しかった舞台照明の道を選びました。
芸大でも教えてくれるコースがあるみたいですね。劇団の同期で大阪芸大を卒業した方がおられました。
私は、学費も生活費も自力で用意しないといけなかったので、大学なんてもってのほか。2年制の専門学校を選びました。

1年生の後期からは特待生に選んで頂き、学費は半額になりましたが、生活はカツカツ。夢見たバラ色の都会生活ではありませんでしたが、彼氏もいたし、何より自分で選んだ道を歩いている喜びでいっぱいでした。

バイト代の入った後には1番安い席を買い、いろんな公演を観るのを何より楽しみにしていました。田舎暮らしでは到底考えられなかった、ボリショイバレエも勘九郎さん(当時)の歌舞伎も森下洋子さんのくるみ割り人形も、遠い席からでしたが観ることができました。
観劇後浮かれてバイト先に行くことも時々。周りからは変わった子だと思われていたに違いありません。

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