数日前の このニュースを見て、私は少しほっとした。
「医師が説明をきちんとしなかった」という事は、リスクを踏まえた上で手術を受けるか否かを患者が自ら決める「患者の自己決定権を侵害した」という事だと明確になったのだ。
世の中には、適当すぎる説明しかしない医者も存在する。
言い切れるのは、私がお世話になった医者(※執刀医先生でなく担当医)が、そういう医者だったから。
私の場合、以下のように施術されていない術式で同意書が作成されている。
嘘みたいだけど、本当の話![]()
ちなみに、椎弓が切除されている術後のMRI画像は過去記事に載せている。
術後2年目頃に、初めて、同意書の この件に気づいた私は、ビックリしすぎて 当時のことを思い出せなかった。
しかしその後、手術前日の、同意書にサインした際の記憶を少し思い出していた。
家人同伴での説明は、断りなく予定時間より30分以上遅くに始まり、当然、自分の遅刻に対して担当医は何も言わなかった。
私の病室の隣のカンファレンスルームには担当医だけが居て、看護師も同席していなかった。(『説明と同意書』には看護師の署名も記入されている)
そして、彼はいつものように私に視線を一切向けず、今回は家人が居たため、家人に向かって話し始めた。
私のMRI画像をPCディスプレイに表示させており、彼は口頭で
・手術法は脊髄を圧迫している箇所の骨を取る
・骨を除去した後の脊髄むき出し状態でも、その上は厚い皮膚で覆われるので大丈夫
という説明をして、術式名も言わなかった。
もちろん「不安定性」などの後方手術のデメリットやリスク、後遺症などは説明していない。
そのとき、担当医の机の上には「頚椎椎弓形成術」の説明書類が置いてあることに、私は気付いた。
「?…これって形成術の書類ですよね?」
「説明に、ここに載ってる頚椎の図を 使おうと思って。」
そして、適当な説明が終わったあと、彼は一枚の紙にサインを求めてきた。
それは同意書と書かれており、術式名は無記載だった、と思う。
「サインがないと手術できないので。書類は後で、整えてから渡します。」
それまでの担当医の言動から、この適当な態度も、いかにも彼らしくて、私は違和感は感じなかった。当然、「頚椎椎弓切除術」の説明と同意書を用意してくるのだと思い込んでいて、何も疑ってもいなかった。
そして、”サインがないと手術できない”と言われたら、手術を受けに来ている身としては、サインせざるを得ない。
以上が、私が思い出した出来事だった。
この担当医は、執刀は私が希望した他の先生がやることになったからか、初めから説明する気のない対応だった。
これから手術を受ける患者としては、さすがに手術前に、医師の機嫌を損なう態度はとれないものである。(とはいえ、私の感情は滲みでていたかも)
そして、突然手術が必要な状態だと言われたあの頃の私は、「頚椎症性脊髄症」は「ケイツイショウセイセキズイショー」という謎の文字列にしか聞こえない位、自分の病態について理解していない状態だったので、医師に強い語調で言われると、何も言えなかった。
結局、その後ネットで術式など自分で調べて、そのまま手術を受けることにしたのだった。
その時の事は ↓ に記載している。
電子カルテは改竄不可能になっている、と聞いた事があるけれど、同意書は改竄可能な紙媒体だった。
術後の痛くて動けない頃に渡された、現在私の手元にある『説明と同意書』は、印刷されたコピーであって原本ではない。
入院中に、『説明と同意書』の内容を確認しなかった私も悪いのだけど、まさか別の術式で同意書を整えてくるとは、普通は思わないだろう。
しかし、残念ながら、実際に起こった出来事なのだ。
担当医の"説明などしない"という毅然とした態度から、てっきり、医師の説明義務なんて、医師個人の善意に依った行為にすぎないのかもと今まで思っていたけれど、
今回のニュースで、”説明義務不足でも患者の権利を侵害する行為”と判決が下った事は、患者サイドの人間としては一安心である。
ちなみに術前の血液検査の結果についても何も言われず、結果が印刷された票さえ 渡されていない。
手術&入院という非常事態において、「医師から説明されない」というストレスは、自分でも驚くほど 本当に辛いものだった。


