東京でのヴェルディオペラ、2つの名演 | Bella Italia

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第8回イタリアオペラツアー、6/28[火]ミラノにある"Casa di riposo per i musicisti"(音楽家のための憩いの家)です。

 

写真は、そのospiti(住人、訪問者)を迎え入れる、Giuseppe Verdiの銅像です。

 

今日1月27日は、イタリアの国民的作曲家ヴェルディの命日。

1901年1月27日、ミラノの常宿"グランドホテル.エ.デ.ミラン"で息を引き取りました。

 

Verdiの遺言に則り、遺骨はこの音楽家の憩いの家に埋葬されています。

本人は慈善家と言われるのを嫌い、自身の死後オープンさせた、世界で唯一つの音楽家のための養老院。

 

通常は内部見学できないのですが、寄付という形で、参加者一人あたまいくらという形で納めれば、本当に快くご案内して頂けます。

 

Verdiは26のオペラ作曲しました。

 

Youtubeで "Verdi La Traviata Tokyo 1989"で検索されると、サントリーホールで行われた"椿姫"の映像が出てきます。(日本語字幕付き)

 

ヴィオレッタ: ルチア.アリベルティ

アルフレード: ペテル.ドヴォルスキー

ジェルモン:   レナート.ブルソン

 

当時32歳、シチリア生れのアリベルティは、そのエキゾチックな顔だちで、一時"カラスの再来"といわれ、スカラ座でも"ルチア"などで活躍した、コロラトゥーラ.ソプラノ。

クリスタルな声が特徴です。

 

直情的なアルフレードを熱演の、ドヴォルスキー。

何といっても白眉は、ブルソンのジェルモンです。

 

第2幕登場し、微動だにせず、綿々と歌い紡いでいく美しいレガート。これはヴィオレッタも頷いてしまうな、と思わせる説得力ある歌唱。

そして、有名なアリア"プロヴァンスの海と陸"。圧倒的な名唱で、満場の拍手喝采。

第2幕、パーティーの場面で、アルフレードがヴィオレッタをなじった場面の後での、叱責の威厳。

どれを取っても、超一級の歌唱です。

 

同じくブルソンが東京で歌った、"運命の力"もYoutubeで視聴できます。

 

"Verdi La Forza del destino Tokyo 1992"で、出てきます。

 

レオノーラ:       ジョヴァンナ.カゾッラ

アルヴァ―ロ:     ジュゼッペ.ジャコミーニ

ドン.カルロ:        レナート.ブルソン

グァルディアーノ: ボナルド.ジャイオッティ

 

1992年東京文化会館での藤原歌劇団公演。

よくこれだけのcastを五十嵐さん(当時藤原歌劇団音楽監督)は集めたな、という魅惑の布陣。

 

修道院長役ジャイオッティの深々とした声。

当たり役、ジャコミーニのアルヴァ―ロ。第1幕レオノーラとの二重唱からエンジン全開。

有名なアリア"天使のようなレオノーラ"、ドン.カルロとの2つの二重唱の熱唱。この役にピタリとはまります。

 

中でも、ブルソンのカルロ、この公演に関する息込みがひしひしと伝わってきます。

この時の公演は9月に行われたのですが、実は当初ブルソンはキャスティングされていませんでした。

 

バリトンのキング、ピエロ.カップッチッリが、ドン.カルロを歌う予定でした。

しかし8月のヴェローナ野外劇場"ナブッコ"公演終了後、自動車事故で、重傷を負い、来日不可能に。

そこに白羽の矢が立ったのが、後輩バリトン、ブルソンでした。

 

第2幕のアリア"私はペレーダ"から、しっかり聴かせ、アルヴァ―ロとの二重唱"最後の頼みだ"のビロードの様なレガート。

アリア"運命の箱が"の劇的表現、テノールとの名二重唱"最後の頼みだ"で、アルヴァ―ロを挑発し、決闘に持ち込むまでの、ジャコミーニとの丁々発止のやり取り。手に汗握る名唱です。

 

天国のVerdiも喜んで下さるような東京でのVerduオペラ名演2つ。

ご興味ございましたら、ご覧になられてみて下さい。