5/3&5 Tony Monaco(org)3@丸の内Cotton Club
(personnel)Tony Monaco(org),小沼ようすけ(g),Gene Jackson(ds,5/3),Tommy Campbell(ds,5/5,)

「クールなオルガンはオルガンじゃない
オルガンは汗が飛び散る熱い音でないと!」

そう!Tony Monacoは文字通りステージ上で汗を飛び散らせ
炎のように熱いHammond-B3を情感豊かに弾きまくる!!

5/3はジーン・ジャクソン、5/4&5はドラマーを変えてトミー・キャンベル。
dsが変わってどうサウンドが変化するのか・・・2日ピックアップして聴きに行った。
ジーン・ジャクソンの裏拳!やはりこのトリオでも強力な破壊力だった。
トミー・キャンベルは小技(飛び道具)を使って遊び心満載で面白かった。

ファンクっぽいのかと思ったら、正統派オルガンジャズの音。
初めて聴いたTonyのvo.はジョン・ピザレリのような節回しで意外に上手!

近いうちにまた日本に来るよ、と言ってくれたのが嬉しい。
再来日が楽しみ!

バジルの練りこまれたバンズにグリルド・チキンとモッツアレラ・チーズがはさまれた
トニー・モナコ・バーガー
Basie Straight Ahead!

ビーフ100%パティにチェダーチーズの挟まれたトラディショナルなジーン&トミー・バーガーBasie Straight Ahead!

各1200円ナリ。コットンにしては破格のお値段。どちらも美味しかった!
こういう食事メニューのスペシャルはコットン・クラブでも初めての試みだったそう。
ぜひぜひ継続して行ってほしい。



5/10 吉本章紘(ts)グループ@六本木サテンドール

(敬称略)
吉本章紘(ts&fl),土井徳浩(ts&cl),山田拓児(as&bcl),石田衛(p),本川悠平(b),大村 亘(ds)

日音協の内藤くんの企画による
今後のジャズシーンを担うヤング・ライオンたちのスペシャル・ライブです。
テナーサックス2管・アルトサックス、フルート、クラリネット、バスクラリネットが
一度のライブで聴けることは、ほとんどない豪華企画!

今の時点で今年は30本超ジャズライブを聴きに行ってますが
今回の上半期ベストライブ3本指に入るのではなかろうか。
フレッシュで熱いライブになりました。

~Set List~
(1st)
1.Anthropology(C.Parker)
2.Body&Soul(J.Green)
3.Central Park West(J.Coltrane)
4.Boston Subway(A.Yoshimoto Original)
(2nd)
1.So What(M.Davis)
2.Solitude(D.Ellington)
3.0117(A.Yoshimoto Original)
4.Airegin(S.Rollins)
(3rd)
1.Naima(J.Coltrane)
2.Palegreen(A.Yoshimoto Original)
3.Do You Know What It Means to Miss New Orleans?
4.Donna Lee(R.Kisor)


吉本くんのリーダーライブでもよく取り上げられている、1-3が大好き。
彼の音を聴いていると、目の前に夕暮れ時の草原が広がるよう。
からだをすっぽり包み込まれるバラード曲にうっとり・・・

1-4はパンキッシュなアレンジで熱くはじけてましたわ~
どんな激しいロックよりもスリリングでドキドキする!

2-1は繰り返されるあの有名なテーマをbcl&fl&clのクールなアンサンブルで奏でられ
度肝を抜かれた!背筋がぞくぞくぞくぞくっ!

3-2は吉本くんのオリジナル。
普段のライブではスローテンポのこの曲をtsでしっとりと歌い上げているのだが
今回はあえてテーマソロをasで吹いて、ts2管で伴奏してるところが面白い。
胸がぎゅっとする感動的な仕上がりだった。
アレンジが大変だったんじゃないの?
と吉本くんに聞いたところ「皆のアイデアでやってるから・・・」と答えてくれた。
ミーティングでメンバーの意見を出し合って
それをビシっとサウンドにまとめ上げているのは彼の手腕だ。
謙遜せず、もっと自分をプッシュしていいと思う。

また、一番の思い出は3-3で本川くんが踊っていたことです。ちょー楽しそうでした。
そして土井先輩のtsがとても素晴らしかったこと。
あれは持ち替え楽器の域を超えているよ!

3-4でasの佐藤恭子さんがシット・イン。
4管でのソロ回しにステージ&客席はますますヒートアップ!
彼女は自身の「佐藤恭子リトル・オーケストラ」で若手トップを集めたオケで活躍中。
先日、チャリティライブ@高田馬場コットンクラブでも3days満員御礼・大成功を収めました。

タイムリミットでアンコールはお流れになってしまったのが残念。
もっともっと彼らの音を聴いていたかったな。

6/14にも内藤くん企画のライブが六本木サテンドールであります。
これを聴かずして、今後の日本のジャズシーンを語れない!
ヤング・ライオンたちの「今」の音を聴くべし!



5/14 Seamus Blake(ts)4@青山Body&Soul
(Personnel)Seamus Blake(ts),David Kikoski(p),Matt Clohesy(b),Ari Hoenig(ds)

昨年来日した時はウインドシンセ中心と聴いたので、行かなかった。
一昨年、御茶ノ水Naruで聴いた時に、もっとテナーが聴きたいんじゃー!と思ってたから。

(1st)
1.Amuse Bouche(S.Blake)
2.Winnie's(D.Kikoski)
3.Taste In You(S.Blake)
(2nd)
1.Jupiter Line(S.Blake)
2.Body&Soul
3.Subterfuge(S.Blake)
(encore)
Dance Me Home(J.Scofield)

Seamus、やっぱ素晴らしい!ぶっ飛んだ!!
1-1はしょっぱなから私の大好きな曲をプレイしてくれた嬉しい。
2-2、テーマがかっこよすぎる!
Kikoskiのピアノもよかった。アンコールの入魂のソロは涙出そうだった。
ClohesyはKikoskiとHoenigの掛け合いによく応えて頑張ってた!

いわゆるMusician's MusicianのHoenigのドラム、私的にはちょっとラウド過ぎた。
ドラムの音量が大きいと、曲の印象が単調に感じてしまう。
前任者のBill Stewartのドラムで生で聴いてみたかったな、正直。
Kikoskiのピアノに、敏感にガツンガツンと反応してたのはよかったけれども。

茨城や京都でSeamusは、ほぼ事故的に半ケツを出したそうです。
東京・青山では格調高いBody&Soulのせいか、そんなことはなかったのですが
その代わり5000円札でテナーサックスのタンポに溜まった水分を吸い取ってました。
Seamus、面白すぎます。あ、水戸では1000円札を使ってたそう・・・

このライブについて、Body&Soulの京子ママのディリー・リポート   もあがってます。


Seamusのライブに行く前に、おおつか音楽祭のまちかどライブで
浜崎航(ts),安田幸司(b),田中徳崇(ds)のトリオを聴く。
しかしTenor Madness,I'll remember Aprilと演奏した後で突然の雨。
そこで中止になってしまいました、残念!すごくよかったのになぁ。

Libero/ファブリッツィオ・ボッソ
¥2,500
Amazon.co.jp
(Personnel)
Fabrizio Bosso(tp)
Roberto Cecchetto(g)
Luca Mannutza(p)
Luca Bulgarelli(b)
Lorenzo Tucci(ds)

5/3にリリースされてまだ5~6回しか通して聴いていない。
よって、後日感想が変わるだろうからメモ的に。

2010年9月20日~22日(なんだか遠い昔のような気がするけど)
Blue Note 東京にて同メンバーでライブがあり、私は2ステージ聴きに行った。
その時の感想を過去の自分のメモより引用。


「リバーブなどのエフェクターを通したマイクと
通常のマイクの2本使いでプレイした"Eighty One"は
なかなか面白かったが、客席の反応はイマイチだった。
やはり皆はボッソにはコッテコテのハイトーン・プレイを望んでいるからだろうか。
これはこれでありだと思ったけど・・・

Roberto Cecchettoのgの印象が薄い。
"Nuovo Cinema Paradiso"はオーケストラ・サウンドのように
いい効果を出していたと思うが。
『Jazz Italiano Live 2009』のアルバムに
(下記画像。イタリア国内でも限定品らしくもう売ってないみたい)
Cecchettoが参加してるけどこれもまた今一つ目立たないというか・・・
良くも悪くも平均点。
正直、ボッソとテナーサックスを加えた2管で演奏して欲しかった」


Basie Straight Ahead!-jazz Italiano


今回のアルバムを聴いた感想も全く同じ。
例えば収録されている"Dubai"なんて
High Five Quintet(当時は"Quintet"付きの名前だった)でのプレイの方が
全員のサウンドがガッチリまとまってて、勢いがあってカッコイイ!
ちなみに、こちらに収録されている。

Jazz Desire/High Five Quintet
¥2,500
Amazon.co.jp
(Personnel)
Fabrizio Bosso(tp)
Daniele Scannapieco(ts)
Luca Mannutza(p)
Pietro Ciancaglini(b)
Lorenzo Tucci(ds)

gのCecchettoではなくtsのスカンナピエコ、bはブルガレッリではなくチャンカリーニ。

何故にボッソがCecchettoを好んで使うのか理解し難い。
ボッソのtpやLucaのpも引き立たないし、全てが中途半端に感じる。
彼のキャリアにおいては通過点の一枚に過ぎないアルバム、という位置付けかと思ってしまう。

ついでを言うと、ライナーノーツもダメ。
タワレコのバイヤーが書いているようだが
長年ボッソを追いかけてるファンにとっては、なんだこれ、という薄い内容。
ボッソのことあまり知らないよね、と思う箇所がいくつか。

悪いとこばかり書いちゃったけど、“Woman’s Glance”のミドルテンポで吹くボッソのtpは絶品だし
(得意とするサーキュラーブリージングなどのハイ・テクニックについ耳を傾けがちだが
スロー~ミドルテンポの曲こそ、彼の情感あふれる表現力を評価すべきだ)
"Impressions"での新しいサウンドへの試みは、今後も必見だし面白いと思う。

メモのつもりがついつい書き過ぎてしまった・・・



ほんとは4月後半のライブとしてひとまとめに書いておくつもりだったが
明日明後日にジャズライブに行くので、忘れないうちに記しておく。

王子は私の地元なのだが、数年前にこのお店が出来たらしく全くノーマーク。
近所にゴルフ練習場があって、月に何度か近くに寄ってたのだが・・・
今までなぜ知らなかったの!?と後悔するくらい、よいお店。

まずご飯がおいしい。
ジャズライブをするお店で美味しいご飯を出すところと言えば
御茶ノ水Naru、青山Body&Soul、池袋Apple Jumpの3つが挙げられる、私の中で。
あと6年くらい前にオープンしたばかりの時の関内KAMOMEもよかった。今はあれですけど。
パスタもサラダもドリンクも1品500~1000円ちょいで美味しいものが食べれます。お得!
ミュージックチャージも800円(しかも2セット通し。1セットはまるまる1時間!)という
こっちがドキドキハラハラする破格のお値段。
これで経営成り立つの?!と穿ってしまいます、余計なお世話ね。
なんか申し訳なくて、食べ切れないほどご飯を注文してしまいました。

オーディエンスの雰囲気が良い。
酔っぱらいのオッサンとか、マナーを知らないお嬢さんたち(みのもんたが言う世代ね)は
ライブ中おしゃべりがうるさい。結構こういうひとがいたりする。
店員が注意しない時は自分で注意したり、おしぼりを投げつけて怒ってみたり
(去年行った浅草のSでやってしまった。店主からしてひどい店だった)するのだが
Tagenは地元民が多いのか、みなさんあったかい。
観客の方々は20~60代?と幅広いのだけれど、非常にマナーがよい。
アンコールの「Smile」では、ひかりちゃんの音頭を取る手拍子に合わせて
足並み揃えて律義に最後まで手拍子してた。
私は途中でめんどくさくてやめちゃうんだけど。

お店の雰囲気も良い。
程良く広い(着席50席前後)し、照明の明るさもちょうどよい。
ステージはドラムセットを入れないトリオでやるにはちょうどよい大きさ。
照明もほんのりと暗く、インテリアもシックで椅子の座り心地もよい。
長時間椅子に座ってライブを観るのに、重要なポイント。
腰痛くなっちゃうからね。

ライブは毎週日曜日しか行っていないお店だけど
きっと常連になってしまいそうな気がする・・・
こういうお店、とても貴重です!


当日のパーソネル(敬称略):市原ひかり(tp,flh),佐藤浩一(p),安田幸司(b)

ひかりちゃんのプレイを聴くのは、去年の8月のセッション以来。
正直、プレイに不満があったのよね。突き抜けるものがないというか、煮え切らないというか・・・
しかし!今回のプレイで彼女の底力を見た気がする。
女性だからどうしても肺活量の無さで音に勢いがなかったりするのだけれど
彼女なりの個性、例えばフリューゲルでの音の柔らかさなど
ハンデを感じさせないプレイをみせてくれた。
寝かせておいたワインが熟成して見違えるように美味しくなったのを味わうのと一緒ね。
しばらく聴かなかったジャズミュージシャンの音に円熟味を感じるのは・・・
久しぶりに彼女のリーダーライブを観に行きたい。オリジナルを聴きたいな「年度末」とか。
今回はすべてジャズ・スタンダード曲だったので余計にそう思う。
ピアノの堀秀彰くんのオリジナル曲「Oslo」も彼女がどう料理しているのか、ぜひ聴いてみたい。
6/15にニューアルバム「Unity」がリリース、その曲が収録されているそうなので、要チェック!
でも、その前に「Move On」を聴きましょう!

MOVE ON/市原ひかりグループ
¥3,000
Amazon.co.jp

そして、ピアノの佐藤くんは私の中で大・大・大注目の若手ジャズピアニストさんです。
聴いてるこちらがドキドキする、空間のある音を奏でる彼のピアノに魅かれっぱなし。
決してガンガン弾くタイプの音ではありません。あっさりしたGiovanni Mirabassiというか・・・
間合いを・行間を感じて楽しむ、聴き手のイマジネーションを掻き立てるピアノの音。
じわりじわりとボディブローのように効いてくる。
まだ27歳の彼。10年後はどんな音を奏でてくれるのか、楽しみなピアニストさんです。
彼は来月5/18にリーダー作「Utopia」をリリース予定。全作彼のオリジナルです。

ユートピア/佐藤浩一
¥3,000
Amazon.co.jp

b.の安田さんは、浜崎航さんやあちこちの若手ジャズプレイヤーのライブに参加してらっしゃるので
実はちょくちょく聴いてたりします。
若手三本指に入る、安定した実力を持つプレイヤーさんだと思います。

とても幸せな時間を過ごしました。やっぱりジャズはライブが一番!