私は色々と妻の生前に悪いことをして、妻に叱られてきました。

 
死んだ後も悪いことをしてしまったことは多々あります。
 
今日は小さな赤ちゃんをだっこしたお母さんが電車に乗ってきたとき、席を立てなかった。タイミングを逸したとか、遠かったとか言い訳は出来ますが、立たなかった。
 
妻は、生前そんなとき、躊躇無く「立ちなさいよ❕」と言ったり、或いは強い視線を送り、必ず私を立たせたものです。
 
何かね、こっちが恐れるほど正義感は強かったです。道を塞いでたりする輩がいると向かって行ったり。
 
なので、何か不正義とは言わなくても、弱者を見て見ぬふりするみたいな事があると、凄く後ろめたくなって、彼女の遺骨の入ったペンダントを触りながら、心の中でひたすら謝っています。
 
彼女の死後、彼女の存在を感じたことは残念ながら一度もありません。
 
でも、死んだ妻は、生きている私を走らせています。
 
いつまで、続くか。ほんとのところ、走らされたくないけど、走らないで済むようになってしまうのは、もっと嫌ですね。
 
ずっと、死ぬまで彼女の影響下でもがいていたいです。