闘病中、ガンの症状はあまり出なかったから、ママは治療に対してそんなに努力していないと思ってた。

 

でも、最近、ママがママの友達としていたLINEを読み返してみると、かなり副作用は強くて、恐れていたみたい。

確かに、吐き気はしていたし、だるそうだったけど、そんなに表情に出ていなかったので、副作用は他の人よりも軽いとパパは勝手に思ってた。

実際には、結構、ママは頑張っていた。

 

パパも色々頑張った。

起きている時間で仕事以外は、かなりの時間をガンの事を調べるのに割き、逆に、ママがガンになる前は、普段何を考えていたのか分からなくなるほど。

検査結果とか、症状から何をすべきか先生に意見ができるくらいになってたし、実際、先生よりも正しかったんじゃないかと最近思うことがある。パパの意見を聞いてくれていればと思うこともある。

それから、君たちも知っているように、毎日ニンジンジュースを作った。それも、毎日飲むものだから、農薬は完全に洗い流す。でも、栄養は残るように凄い注意して野菜は洗った。
ママはママで、そのジュースを毎日飲むのは苦労したと思う。
 
それから、ママが自分で息をしなくなってからあおに聞いた話だけど、保育園のお迎えの後に毎日お寺に行って、お線香を挙げていたこと。これも努力していたことの一つだと思う。
この話を聞いたとき、当たり前だけど、ママがどんなに生きたかったのか、ガンを治したかったのか知って、パパは泣いた。毎日お寺に行くのは、それなりに大変だったと思う。
 
他にもガンに勝つために、色々やってきたことはあるけど、ぜ~んぶパーになった。こんなことは初めてだ。
 
普通、努力ってのは絶対何らかの形で報われる。直接、目的を達成できなくても、何か残る。成長できる。
 
でもね、今回だけは特別だった。努力は何も実を結ばなかった。自分が成長したこともない。
 
むなしいよね。何してたんだろうって思う。
 
君達もがんばってた。努力してた。

朝は早くなるし、パパの余計なひと手間が加わったあまり美味しくない朝食を食べなきゃならなかったし。これはこれからずっとそうだけど。

本当は君達に無駄な努力があるなんてことは伝えない方が良いんだと思う。
でも、今回の闘病のように、無駄になったとしても頑張らなきゃいけない事がある。それに、無駄になったというのは結果論であって、もしかしたら報われたかも知れない。だから、皆努力できる。

まだまだ小さい君たちにはきっとママが死ぬ事よりも辛い事が有るだろう。
でも、その時は精一杯努力するんだよ。