遠くで声が聞こえる
大勢の声
どこに向かっているのだろう
遠くで声が聞こえる
僕は谷を下る
大勢の声は嶺を行くのだろうか
遠くの声が小さくなる
僕は声から遠ざかる
この谷はどこに向かっているのだろう
もはや声は聞こえない
耳に届くのは僕の足音だけになる
僕は心細いだろうか
目の前には冷たい川が横たわる
声など届かない山奥で
自然の音だけがそこにある
僕の足はもう動かない
けれど身が冷える川を渡る
僕の身体は疲れ果て
気力だけが磨ぎ澄まされる
目の前にそびえたつ
遥か先の見えない山を睨み
僕は ただ 足を動かす
身体はもう言うことをきかない
僕は ただ 足を動かす
大勢の声など
とうに届かない
僕は ただ 独りで進む
いつまで僕の身体がもつのだろう
いつまで僕の足は前に進むのだろう
いつまで僕の気力は続くのだろう
誰の声も届かない
僕は ただ独り 進む
僕は ただ独り 進む