3月11日。
何かを書こうと思っていても、簡単に、軽々しく思いを書けることではないのはわかっています。
だからここ数年はこの日に思いを書くことがなかった。
でも今年で東日本大震災から15年、今思うことをつづりたいと思います。
本日、別所温泉の北向観音にて、
震災で被害に遭われた方々、そして尊い命を失われた方々へ心よりご冥福をお祈りいたしました。
2011年3月11日。
私はその日、茨城県へ営業に行っていました。
そして帰り道。
高速道路を走っている最中に、大きな揺れに襲われました。
車を止めて外を見ると、
道路がまるで波のようにうねっているんです。
あの光景は、今でも忘れることができません。
「これはただ事じゃない」
そんな恐怖を感じたのを覚えています。
高速道路は通行止め。
そこから下道で長野へ帰ることになりました。
長野まで約12時間。
本当に長い道のりでした。
当時、長女が生まれて間もない頃でした。
だからこそ、
とにかく家族の顔が見たい。
その一心で車を走らせていた気がします。
そしてようやく長野へ戻り、
家族の顔を見たときは、本当にホッとしました。
別所温泉も、
南條旅館も、
大きな被害はありませんでした。
それは本当にありがたいことでした。
でもその一方で、
テレビに映る被災地の状況を見ながら思いました。
「自分たちに何ができるんだろう」
正直、何もできない自分の非力さを感じました。
悔しかったです。
でもそのとき、ふと思いました。
自分たちは旅館をやっている。
旅館だからこそ、
できることがあるんじゃないか。
訪れてくださる方に
笑顔になっていただくこと。
温泉に入ってホッとしていただくこと。
美味しい料理を楽しんでいただくこと。
ゆったりとした時間を過ごしていただくこと。
そんなひとときが、
誰かの心を少しでも癒し、
「また明日から頑張ろう」
そう思える時間になったら。
それが、
日本を元気にする小さな力になるのではないか。
そう思っています。
旅館に関わるすべての人を笑顔にすること。
お客様はもちろん、
地域の皆さま、
一緒に働く仲間、
そしてその家族も。
みんなが少しでも幸せな気持ちになれる場所でありたい。
それが南條旅館の役割だと思っています。
震災から15年。
あの日の出来事を忘れないこと。
そして風化させないこと。
これからも、
自分たちにできることを精一杯続けていきたいと思います。
改めて、東日本大震災で被害に遭われたすべての方々へ心よりお見舞い申し上げます。
そして尊い命を失われた方々へ、心よりご冥福をお祈りいたします。
また、長野県北部地震や能登半島地震など、
これまでの地震災害で被害に遭われた皆さまにも心よりお見舞い申し上げます。
今日も別所温泉には、
静かで穏やかな時間が流れています。
この温泉のぬくもりと穏やかな時間が、
誰かの心を少しでも癒すことができたら。
そんな思いで、
また明日からお客様をお迎えしたいと思います。














