IGFプロレス(愛知大会)観戦記。 | ノータイトル。

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人生の一時期を残したブログです。

 唐突なカミングアウト。
 わたくし、かつてはプロレスファンでした。

 10数年前まで、ほとんどの団体(メジャー~インディーズ・デスマッチ系まで)を観戦してたし、多いときは年間30試合ほど見に行っていたと思う。

 で、今回。アントニオ猪木氏の関連である、IGFという団体のチケットをお付きあいの一環で買った。いかに仕事上のお付合いとはいえ、私にとって12年ぶりのプロレス観戦だ。ワクワク感がないはずはなかった。
 
 いやーしかし、ごめん、悪い、すまぬ、ダメだった。

 ひと言でいうと、プロレスがぜんぜん出来ていないのだ。

 プロレスが出来ていない、とは。プロレスとは。プロレス門外漢の方々にもわかりやすく書き換えてみようか。
 プロレスとは、生身の体を張ったエンターテインメントショウなのである。
 
 筋書きあるんでしょ…あるよ。
 八百長なんでしょ…ちがうよ。
 
 八百長という言葉がでてくるのは、いわゆるスポーツ競技のように、勝ち負けに重きを置いて見るからなのだ。
 プロレスはそのようなスポーツ競技ではなくショウだから、試合前にギミック(筋書き)に沿った勝ち負けや、だいたいの流れが決められている。これは本当。けれどその筋書きを、練習を積み上げて獲得した技を駆使し、鍛えられた肉体をもって事故や痛みの恐怖を乗り越え、ドラマチックにダイナミックに魅せるのがプロレスなのだと私は思っている。

 醍醐味は勝敗にあるのではなく、試合のプロセスにある。これは或る意味で、一般のスポーツ競技よりもスポーツなのではなかろうか。

※以下、IGFへの予備知識ゼロで観戦した一個人の感想だということを明記しておきます。IGFファンの方々には異論もあると思いますが、コメント欄等での批評はお差し控え願います。


 前置きが長くなった(いくらか削除したが本文はもっと長い)。

 IGFの試合開始前、パンフレット見てて気がついた。元K-1や、PRIDE出場選手、レスラーがごちゃまぜだ。ばらばらの出自の選手を集めて、いったい何をやらせるんだろうかと少々いぶかしく感じた。出場選手14名の中で、プロレスラーと呼べるのはたった2名。チャンピオン藤田和之と、マスクマンのケンドー・カシンだけ。←個人的基準です。

 第1,第2試合あたりでその疑問が、あっという間に失望に変わった。
 プロレスじゃなくて、いわゆる「総合格闘技」だっけこの大会? …と、してもなんか違う。リング外に出て挑発したり、レフェリー倒したりしてるし。

 コスプレで登場した選手は人気者のようだったが、試合自体はぜんぜん面白くなかった。キャラ立ちした選手はエンタメに徹するか(初見の人がキャラの性質を理解できないのは論外)、意外な実力をもちあわせていなければ即座に飽きがくる。
 かつてワタシは登竜門ジャパンという団体をよく見に行っていた(いまはドラゴンゲートというのかな)。セクシーなマグナムTOKYO、悪童CIMA、極 悪TARU…メキシコの見せるプロレス・ルチャが基本ということもあって、ここの選手達はビジュアル面(単なる見た目という意味ではないよ)でとても素晴らしかった。

 さて。
 かつては上手いレスラーとして通の間で評判高かったケンドー・カシンには大いに期待したが、ときめいたのは入場シーンだけ(←ブルーのマスクとコスチュームで颯爽と花道を歩く姿には惚れ惚れドキドキドキドキ(*^.^*) …なんか私、このテの趣味があるんだろな。) 

 だってねえ、対戦相手がボブ・サップなんだよ。
 
彼は格闘技ブームの時に一世を風靡したけれど、技で魅せるレスラーではまったくない。むしろ今はタレントに近いだろう。
 カシンがいくら名うてのレスラーでも、このカードじゃプロレスにならんよ。ワタシはプロレスを観に来たんだよ。
 
 試合内容は、体重差、体格差をアピールするお約束のコメディばかりでガッカリ。だけど観客は大いに喜ぶ。私は悲しみすら覚えたよ。プロレス見に来た人たちなら、カシンのプロレスが見られないことにもっと失望してよ。
 全盛期を過ぎた彼(でもカラダは良かったわラブラブ)が稼ぎのためにやってるのだとしたら、もっと悲しい。ほっといてくれと彼には言われそうだが、これだって観客の素直な感想だ。


 タニマチ絡みの歌手がリング上でステージをした後、休憩が入った。
 休憩中は、スポンサーがスポンサーだけに、場内スクリーンでパチンコ・スロットのCMを大音量でさんざん見せられ食傷した。


 休憩時間が終わろうとする頃、アントニオ猪木氏が登場!あのテーマ曲に乗って、スーツ姿に赤タオルで、みなさーん、元気ですかー!
 ボンバイエ、ボンバイエ、イノキ~!!! 間違いなく会場はこの日最高の盛り上がりを見せた。こ、こ、こ、これでいいのかIGF。IGFの選手たちよ。

 セミの小川直也にはちょっと期待したけど、ぜんぜん力出してないのが丸分かり。彼もレスラーではなくタレントであったのか。天田ヒロミという選手も、前フリのわりには迫力不足だった。本日初のドロップキックも(次の試合と混同してたらごめんなさい)距離不足でぜんぜん美しくない。

 抗争抗争といっているが、ギミック(いわゆる団体内のストーリー)がぜんぜん練れておらず面白くない。なんだろと首を突っ込んで見る気になれない。

 いよいよメインイベントの王座戦! せめてこれだけはマトモな試合を見せてくれ、と祈るような気持ちで見守ったがその気持ちも空振りに終わった。
 藤田和之は頑張ってた。あの、マットに体が叩きつけられビシーンバシーンと響く音はこの試合で初めて聞いた。
 でも、対戦相手がダメだった。とにかく打撃系しかできず蹴り、蹴り、でプロレスにならない。せめてものバックドロップは途中で崩れ落ちる有り様。


 今日の全試合を通じて、
 だれひとりロープワークがなかった。
 だれひとりコーナーポストに上らなかった。
 だれひとり跳ばなかった。
 立体感に欠けるどころか、四角いリングを使いこなせていなかった。

 試合を組み立てて観客を盛り上げ、ここぞというタイミングとリズム感で技を決めるカタルシスがない。
 相手の技を受けて受けて秘かに相手を讚え、見せ場を作りながら大逆転!というプロレスの醍醐味がない。

 (このあたり、プロレスとロックには共通するモノがある。)

 体格は立派な若手選手、彼らはプロレスを教えられていないんだなとも思ったが。
 それ以上に、プロレスへの愛がないな、とも思った。ない無いだらけ。

 私がかつて大好きだったプロレスラーの皆さんは、体格にかかわらずみんなプロレスを愛してた。
 子供の頃から憧れてた有名選手に少しでも近づこうと、技を磨くのはもちろん、自己演出やアピールなど見せ方も勉強していた。華のある選手はより華やかに。地味な選手は職人的に。若手はただひたむきに。汗も音も、ぜんぶプロレス。

 そういうのがね、この大会からはなんにも伝わらなかった。

 プロレスファンからは卒業したつもりの私だったが。
 よし、今度はもっといいプロレスを見に行くぞ! と思い立ってしまったのである。


 ※ごく私的な感想であることを再度申し上げておきます。



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(…HP、近々見直します)