久々点火系チェック。 | ENIAC MANIAC Ⅱ

ENIAC MANIAC Ⅱ

アメリカンビンテージが大好きです。

どうも。

 

ここの所急激に寒くなって案の定手が荒れ始め、だんだん携帯の指紋認証がやりにくくなって来ているBelAir58がお送りします。

 

また一番嫌いな季節がやってまいりました・・・

 

さて今回のネタですが、ここの所ベルエアの加速時の吹け上りが微妙に悪くなって来た気がしていました。

まぁ、前回の車検の時に第二阪奈を使って奈良まで往復して以来近所のチョイ乗りしかしていないので、そら吹け上りも悪くなりますわな・・・と言う訳でちょこっと点火系のチェックをしてみます。

 

 

まずはエアクリーナーを外したら・・・

 

 

ディストリビューターキャップとローターを外してガバナアドバンサーのチェックです。

特に問題無く動いていましたが念の為可動部に注油しておきました。

 

 

その後バキュームアドバンサーにマイティバックで負圧をかけて作動チェックです。

以前記事にしましたが、バキュームアドバンサーのダイヤフラムが破れていると交換が結構厄介なのでちょっとドキドキしましたが問題ありませんでした。

 

 

次にブレーカーポイントの接点を点検すると、荒れてはいませんでしたがちょっと黒くなっていたのでクリーンしておきます。

オールドタイマー誌に以前おまけで付いていたポイントヤスリ、まだハミルトンエレクトリックのバランスウイールのウエイトを削った時にしか使っていなかったので本来の使い方をしてみようと思ったのですが、どこに置いたのかすぐに見付からなかったのでサンドペーパーで磨きました。

 

これはポイントが閉じた状態の時に2つ折りにしたサンドペーパーを挟んで引き抜く感じでやる訳ですが、何度か引き抜いて接点を磨いた後はブレーキクリーナーを染み込ませたウエスを挟んで引き抜いてクリーンしておきましょう。

サンドペーパーを使うとどうしても削れたカスが接点に付着して接触不良を起こす場合がありますから。

 

 

その後はディストリビューターキャップとローターのターミナルをクリーンします。

 

ちょっと写真ではどんなローターが付いているのか分かり辛いと思うのでマニュアルの図を載せておきます。

 

 

V8エンジンのディストリビューターのガバナアドバンサーはローターのすぐ下にあるのでそれに合わせてローターは丸い形をしています。

 

 

ディストリビューターを元に戻したら次はプラグを外してチェックです。

ビッグブロックの348エンジンはプラグが斜め上を向いて付いているので脱着は簡単です。

スモールブロックの283のプラグはエギゾーストマニホールドの下に横を向いて付いているのでこれよりちょっと厄介です。

でもまだこの当時のエンジンルームは手を入れるスペースが広いのでビッグブロックよりは厄介・・・と言う程度ですけど、現役の整備士時代によく触った1990年代の車とかは上からはなかなか手を入れられずいちいちリフトアップして下からプラグ交換・・・なんて事をよくやりました。

 

 

これが右バンク2,4,6,8番のプラグ。

 

交換する程摩耗はしていませんでしたがかなり汚れていたのでクリーンしてギャップの調整です。

 

ベルエアのプラグギャップは0.035インチです。

 

0.035インチなんて言われてもアメリカ車に馴染みの無い人にはどの位か分かり辛いと思いますが、ギターを弾いた事がある人なら弦のゲージで09-42とか10-46とか言うのを聞いた事があると思います。

あれは09-42だったら1弦が0.009インチで6弦が0.042インチまでのセットと言う意味なので、ギターの弦を想像して貰うと雰囲気は分かると思います。

それで言うと0.035インチは私が使っているエレキギター用の09-42のセットの中では5弦が0.032インチなので近い感じですね。

 

 

こちらが左バンクの1,3,5,7番のプラグ。こちらも結構汚れていたので同じくクリーンとギャップ調整です。

 

 

プラグを戻したらドエルタコテスターを繋いでエンジンをかけ、ドエルアングルの調整をします。

 

 

最後に点火タイミングをチェックして終了です。

 

プラグとポイントの接点が汚れていたくらいで明らかに悪い所はありませんでしたが、この後走ってみると吹け上りはスムーズになっていたのでそれだけでも効果はあったようです。

 

と、ここで1974年型まで採用されていたこのエンジンをかけながら調整するポイント、触った事が無い人にはどんな構造なのか分かり辛いと思うのでちょっと紹介しておきます。

 

 

まずドエルアングルの調整はこんな感じでディストリビューターのキャップに付いたウインドウのカバーを上げて中のアジャスティングスクリューを1/8インチの6角レンチで回して行います。

 

 

ポイント自体はこんな感じ。

 

アジャスティングスクリューを回すと接点の位置が動くようになっています。

 

 

これは部品取り用のディストリビューターの写真ですがこうやって調整する訳です。

 

ドエルアングルは30°です。

 

V8エンジンのディストリビューターはエンジンの後方に付いていて手が届きにくいのでこの構造は非常に有難いですね。

 

因みに直列6気筒エンジンの場合はディストリビューターはエンジンの右横に付いていて手が届き易いので・・・

 

 

一般的なエンジン停止時にポイントギャップを調整するタイプが付いています。

こっちのディストリビューターの方が皆さんには見慣れた形ではないでしょうか?

 

直列6気筒エンジンのポイントギャップは新品交換時は0.019インチで使用過程にある場合は0.016インチに合わせるようです。

 

私が使っている09-42のエレキギター弦のセットでは3弦が0.016インチなのでそのくらいのギャップだと思ってもらえれば・・・

 

・・・って、物凄く回りくどいたとえ話をして来ましたが、普通にこの数値に25.4を掛ければミリに換算出来るので・・・

 

例えば0.016インチであれば0.016×25.4=0.4064で約0.4mmって事ですね。

 

最初からそれを言ってくれ!って言うご意見、ごもっとでございます。

 

camera:Canon F-1 + Kodak Portra 400 film