駄目だ…!手が衝動を抑え切れない…!!
ハイエドが好きだー!!感想とかそれ以前に、ちょっと衝動書き。
ホモですハイエドです。駄目な方は見ちゃノンです。R氏あかんよ!(何
「で、その時にアルがさ…」
目の前に流れる景色。流れる金色の束ねられた長い髪。
すっかり慣れた手つきで握るハンドルは緩やかに車体を動かす。
しなやかに伸びた腕の持ち主は、彼曰く「あちらの世界」に居る
彼の弟の話を楽しそうに口ずさんでいた。
いつもなら僕は、けして誰にも向けないような優しい笑みを浮かべる彼につられて
思わず頬を緩ませるところだが、何故か今日はそんな気が起きなかった。
彼が何を話してもただ曖昧に「そう、」としか答えないで、きらきらと輝きながらなびく彼の金の絹のような髪をただぼんやりと眺めていた。彼のほうも僕の異変に気付いたのか不審そうに話を止めて僕の様子を伺う。
「アルフォンス?どうかしたか? …ああ、もしかして酔った?」
「いや、僕がエドワードさんの運転で酔うわけないよ」
「何だよそれ」
「車に乗るとどうして酔うかくらい分かるでしょう」
「アレだろ。外の景色見る時近くを見ると酔うんだよな。」
「うん。だから僕は絶対に酔わない。」
「だから何で?」
「エドワードさんしか見てないから。」
「なーに言ってんだよ」
愉快そうに笑って彼は相変わらず前を向いている。
車はがたがたと音を経てながら目的地までの道を縮めていく。
彼の笑い声が途切れると、話は戻り再び「あちら側」に居る「アルフォンス」の話を続けた。ああ、そう言えばマスタングとか言う大佐だとか、ウィンリィとか言う幼馴染の話も出てきた。内容はあまり覚えていなかったけれどただ大笑いしたことだけは覚えている。
彼が「あちらの世界」に思いを寄せているのは分かっている。
だから彼が「こちらの世界」の人々と深く関わらないのも理解しているつもりだった。
しかし、どうにも「アルフォンス」が話題に出る度に、
彼の顔が明るくなる反面、僕の心は沈む一方だった。
すごく弟を大切にしている「弟想い」の良い兄だ。
そうは思うけど、事あるごとに僕は僕にそっくりな「アルフォンス」に 嫉妬した。
「アルフォンス?おーい、聞いてんのかよ」
「……」
「アルフォンス。アール!」
「どうして、僕じゃ駄目なんですか」
「…は?」
きょとんと彼は鏡越しの僕の顔を初めて見た。
自分でも怖い顔をしていると思う。誤魔化す様に彼は笑ってみせる。
「駄目って、俺そんな事言ったかァ?」
「言ってない、けどエドワードさんは僕を見てないよね」
「見てないって…そりゃあな、運転中だし」
「そうじゃないよ。いつも僕の向こうに「アルフォンス・エルリック」を探してる。」
「…別に、探してなんかねえよ。お前はお前だ」
「僕は、こんなにもエドワードさんの事見てるのに…!」
「アルフォンス…」
悔しくて、思わず作った拳をシートに殴りつける。
何故見たことも無い夢の中の住人に自分が負けなければならないのだろうか。
初めは「代わり」でも彼が見てくれればそれでいいと思った。
でも、今は違う。
きちんと「アルフォンス・ハイデリヒ」と言う一人の人として見て欲しい。
夢の中の住人なんかじゃなくて、現実世界の住人として。
「…ごめんなさい、僕どうかしてる。」
「……いや…お前が言ってること…全部が間違ってる訳じゃない…し」
「じゃあ、お願いだからもう他のものは見ないで下さい」
「見ないでって…おい!?」
ギシ…、とシートを軋ませて僕は前かがみに彼の座席に手を伸ばす。
それからそのまま彼の金色の瞳を宝石を触るように掌に隠した。
「ば…!前が見えないって!」
「ブレーキ踏まないで。アクセル踏んで」
「ふざけんな!死ぬぞ?!」
「いいよ。エドワードさんとなら別に」
「良くないッ!」
急ブレーキをかけた車体は高い音を経てて砂埃を巻き上げながら止まった。
彼は僕の腕を無理やり引き剥がして綺麗な瞳をこちらにむけてキッと睨んだ。
しかし文句を言うわけでもなく、ただそのまま僕の事を見つめている。
しばらくの間はそのままにらみ合いが続いたが、どうしようも無くなった僕は
掴まれた腕をそのままに彼の唇にキスを落とした。
「…どういうつもりだ」
「何が?」
「何がってお前…」
「目隠ししたこと?それともキスした事?」
「どっちも」
「…目隠しは、僕以外のことを見てる事に嫉妬したから。
だからいっそ何も見ないで欲しいと思った。
キスは、ただしたかったから。」
あまりにもあっさりと答えたのに返って驚いたのか彼は少しの間目を丸くして、
それからすぐに呆れたように大げさにため息をついて掌を自分の額に押し当てた。
「あのなぁ、」
彼は身体の向きを直して僕を正面から見つめる。
僕もけして彼から目を逸らさないようにとまっすぐに視線を返す。
じっくりと、心に言い聞かせるように彼は一言一言ゆっくりと言葉を紡いだ。
「俺は、別に、お前をお前以外の人として、見てないから。
確かに会ったばっかの時は、ちょっとだけアルだと思って接してたけど、今は違う。
俺にとって、お前は「アルフォンス・ハイデリヒ」だ。いいか?
それに、俺は――」
そこで急に言葉を遮って身を乗り出すと触れるだけのキスをした。
唇を離すと、彼はにっと悪戯な笑顔を浮かべる。
「アルとキスなんかしない。」
「つまり?」
「そこまで言わせるか?」
「僕は全部言った。今度はエドワードさんの番だ」
「…俺は、お前のことがちゃんと好きだ。
別にアルに似てるからじゃなくて、お前だから、好き。」
「……。ありがとう。」
「だからお前絶対目隠しすんなよ。」
「危ないから?」
「いや、お前の顔が見れねーから」
キミがキミである事に価値があるから。
まあ、アレだ。結局何がしたいかってーと運転してるエドです。ウフフ。