不可逆性という名の絶望と希望:


そして、のぴ太とドヲエは神に追放された。
二人は10年ほど荒野を彷徨った。


ドヲエ
「ここは、なにもない。いわゆる不毛地帯というやつか。のぴ太くん、何年同じとこを彷徨うつもりだい?」


のぴ一行は東に進み続けた。アテもなく。


5年して、不毛地帯から逃れたのぴ一行。
ついにたどり着いた地は文字どおり頭髪や体毛のようなものがパヤパヤと生えた砂地。


ドヲエ
「こんな毛で僕が満足するだなんて思ったのか! なめられたモンだな!」


何様なんだろうか、ドヲエという奴は。



また、のぴ一行は東に進み続けた。アテもなく。
同じ轍を踏まないため、一方向に進むんだとか。




7年して、剛毛の地に着いたのぴ一行。
その地は隙間なく太い毛がビッシリ生えた、まごう事なき剛毛地帯。

立ち尽くす二人。



のぴ
「こんなものが、僕らの望みだったのか?」


もう東に進むモチベーションを失ったドヲエが
寝床から起きることは無かった。

いつまでも、
いつまでも、、