先日福岡近郊病院で中国語医療通訳をした時の出来事です。

 中国人のお客様が胸部CT検査を受ける時、検査技師が「両手を万歳してください」と指示しました。それに対して私は「请把双手举到头顶(両手を頭の上に挙げて下さい)」と訳しました。

 なぜなら日本の万歳と中国の万歳の体勢が違うからです。中国人にとって万歳は2通りあります。1つは、昔の皇帝に対して五体投地の姿勢を指します。
  


もう1つは文化大革命の毛沢東時代の「毛主席万歳!」と言いながら片手をグーにして挙げる体勢も指します。直訳で「双手万歳」と訳してしまったら、中国人のお客様は違う体勢を取っていたと思います。


 

 ちなみに、日本の万歳は、中国人にとっては「降参」を意味します。中国人のお客様がせっかく医療検診を受けに来日したのに降参の姿勢をしてとお伝えしたらきっと不愉快な気持ちになってしまいますよね。なのでその時に直訳せず、敢えて詳しく説明して訳しました。

 中国語医療通訳者になるには、言葉だけでなく、両国の習性や国民性を理解するのが必要だと続々感じました。




北京・ニーハオ中国語センター
福岡市中央区舞鶴1-2-1天神陽明ビル2階
TEL:092-714-3005
HP:www.pekin2180.com