豆腐が好きです。


って話しは何度もしてるので、読者の皆様も飽きてるでしょうが、書きたいので書きます。
あたしの考え付いたレシピではなくお袋の味的なやつ。


その名は「やぶどうふ」です。
冷奴にたっぷりの青柚子胡椒と揚げ玉をのせ、その上からめんつゆを掛けて出来上がり。東京一の美食、と言うかこの世で一番美味いと信じて疑わない「かんだやぶそば」のメニューにあってもおかしくないくらい美味しいからやぶどうふなんです。


これは吉原で時々、時間より早くイッちまってかと言ってもうイけないお客人に作ってあげてました。
店にキッチンは無くてもレンジと冷蔵庫とポットはあるので工夫すれば色々と出来るはず。
北京の店でお客に出してた菠菜豆腐(2018/11/8の記事)はほうれん草を茹でなきゃならなくて色々手間ですが、これは超簡単なのに手作りで愛情込もるし美味しいから吉原でお客に出すには最適でした。吉原の客人はおっさん多いしね。てかあたしも味覚がおっさんだから。
北京でもイトーヨーカドーとかで材料揃えて
(北京の場合、豆腐は中国のもの)お客に出した事ありますよ。

 


吉原でも北京でも一緒に月桂冠にごり酒(あたしの好みで且つ北京でも手に入る)をお出しして、あたしも一口だけ貰ってました。北京で、浴衣を着たりしての和風サービスの際には必ずこの月桂冠にごり酒をお出ししておりました。やぶどうふはもちろん、菠菜豆腐にも冷奴や温奴にも良く合うし、ツマミ無しでも美味しく飲めるお酒です。


さて、題名の「張見世」とはかつての吉原遊廓において、店先に遊女を並ばせ客に見せる事を言います。いわば店先の食品サンプルみたいなものです。高級花魁は決して並ばないやつです。


現代の吉原ではそんな恥晒しな事は無く、初めてのお客の指名方法はというとネット指名、写真指名が一般的です。


一方の北京はというと、もちろんネット指名もあるんですが、店先ではないですけれど店内に入って来られたお客の前で、嬢達が並んで自己紹介するという嫌〜な張見世スタイルもありました。


これが嫌なんですよ。嬢ってえのは店の商品であってぶっちゃけ動くセックスドールなんですけど、このモノに成り下がっちまう感じが嫌で嫌で。

これが嫌ならやる事は一つ。本指とネットで予約を埋めちまう事です。借金返さねえと帰国させねえぞと脅されるくらいで、特にノルマは無いんだけどこの張見世スタイルだけはどうしても御免被りたいわけで、だからいつもノルマみたいな切迫感がありました。


本指維持にはサービスが、ネット鳴らすにはルックスが大事になってきます。そのくせ北京だとネット用の写真は店員が撮って加工してそれで終わりです(2019/1/9の記事にそのプロフ写真有り)。吉原ならプロが撮ってくれるのにな。
あと、あまり気にしてなかったけど今考えると口コミですかね。


ルックスってのは整形とかしない限りダイエットくらいしか出来ることないけど、サービスは色々工夫次第です。
プレイ面ではNSとAFが売りでしたが、そんなの他にもいっぱいいるわけで、自分だけのサービスをしないといけません。サービスの差別化です。
そこで、吉原ならやぶどうふ、北京では菠菜豆腐(時々やぶどうふ)が有効に作用しました。
それとあたしがお酌して差し上げるお酒。気持ちこもってる感じがお客に受けてた。
あたしにとってチップの多寡は愛の多寡でしたが、お客にとっても愛の多寡はリピの多寡なんです。
あたしが吉原で困らず、北京で「張見世」にあまり出なくて済んだ理由は多分これでした。


つまり、人間には能力的な強み(この場合NSとAF)と工夫次第の強み(この場合やぶどうふや菠菜豆腐)の両面の強さが必要なんですね。

今の仕事で言うと、あたしの能力的な強みはやっぱり中国語、じゃあ工夫次第の強みって何だろ???工夫しねえとな、新入社員。