努力すれば実る
クラスメイトと仲良くしよう

こういった類の言葉が、大嫌いだ。

幸いにして私は子供のころ周囲の人に恵まれていたから、仲良くも出来ていたしそれなりに努力すればそれなりに評価もしてもらえた。

だが、全員と仲良くなどとてもできたものではなかったし、実るまで努力するなんて事も当然していない。

人には個性がある。個性などと言えば聞こえはいいが端的に言って才能だ。
そして人の命は有限で、したがって努力の時間も有限だ。
実りはするかもしれないが、いつになるかも分からず、その兆しもなく、望む実りがあるかもわからない。そんなことに有限な努力を使うべきではない。
諦めたら試合終了だが、諦めなかった結果勝てたであろう試合は失われる。そういうことがあるんだと私達は教わらない。

クラスメイトと仲良くなど綺麗事にも程がある。生きてきて知り合ったすべての人と仲良く出来た人間がいるなら教えて欲しい。最もいたところでその人物におおよそ人間たる要素はないと思うが。
よくもあんな白々しい言葉を吐けたものだと思う。子供は純粋で清いとでも思っているのではないか。カエルの子はカエルだ。当然、人の子は人である。

イジメに立ち向かう。努力していい学校に行く。仲の良い友達に囲まれて青春を過ごす。
どれも素晴らしい光景だ。それ故にありふれたりはしない。


私達は教わらない。
逃げてはいけない。勝たなければいけない。一人ぼっちはいけない。
そうやって育てられて疲弊する。


逃げてもいい。負けてもいい。一人でもいいし、百人でもいい。
辛いことは逃げていい。超えてもいいし、戦ってもいい。
それを教わらない。
教わらないから、学べなかった者に道は残らない。