仕事のため

車に乗ろうとすると

お庭に見知らぬ猫ちゃんが

力無く横たわっているのに気づきました。



ひどく痩せ細っていて、

夜中にどしゃぶりの雨が降っていたせいか

毛が濡れている感じで、

目もうつろで力なく開いたまま…


死んじゃってる?


その瞬間

涙で視界が滲んでしまいましたが


涙を拭って良く見ると

お腹あたりが

時折り動いているのがわかりました。


ただ、健康なネコちゃんと違って

何秒かに一度

ようやくという感じで…


もう命が尽きようとしている…

そんな様子でした。



仕事のことで

どうしても行かなければならず


それでも

このまま固いコンクリートの上に

猫ちゃんを放っておくのだけは嫌だったので


家にあった大きめの段ボールの中に

バスタオルを敷いて、

その中に入れようと

猫ちゃんを抱き上げたのですが


体は冷たく

まるでもう

死後硬直しているかのように

足がピンと突っ張っていて、

触られても何の反応も示さず、

目は見開いたままで

もう意識も無いようで、

全然重さも感じませんでした


ところどころ

毛も薄くなっていて

皮膚もただれている感じで、

おそらく疥癬という皮膚病も

患っていたのだと思います。


本当に可哀想なくらいに

ボロボロな状態でした。


あと1メートル奥に来ていれば

雨風は凌げる場所があったのに


そんな場所に避難することもできないほど

ホントに体力が尽きてしまって

夜通し寒い中、

雨に当たっていたのかも知れません。


上にもタオルをかけて

一緒に持って来たチュールを

鼻先に近づけたり

ほんの少し口元につけたりしましたが

やはり全く反応してくれず…。



庭の中で

直射日光と風が少しでも凌げそうな

静かで落ち着けそうなところに

猫さんを置いて、

仕事へと出かけてしまいました。



帰宅したら病院に連れて行こうか…


だけどあの様子ではもう助かりそうにないし

このまま静かに逝かせてあげた方が良い?



家に戻るまでの間じゅう、

猫ちゃんをどうしてあげたらいいか

答えが出なくて頭の中がグルグルしてました。



だけど


帰宅すると

まだ猫さんは息があったのだけど


だけどもう

ホントに時々

苦しそうに声を出しながら

口呼吸をするような感じで、


お腹ではもう

呼吸しているかどうかも

全く確認できなくなっていました。



今まで何匹も

犬や猫を見送って来て

何度も見たこの光景…。


この猫ちゃんも

もう最期の時が本当にすぐそこまで

来ていると思いました。



それでも病院に連れていって

最後まで望みを捨てないという選択も

もちろん考えはしましたが


このまま静かに

その時を迎えさせてあげる方を

私は選びました。



この猫ちゃん、

どこかで名前を貰っていたかもしれないけど

私には知る由が無いから


とある事にちなんで


「テンちゃん」と名前を付けさせてね


と語りかけたりして

鼻筋や額を撫でたりしました。



今までテンちゃんが

どんなふうに生きて来たのだろう、


どうか一時でも

幸せなことがあってくれればと

願うばかりでしたが。


でも

この様子から想像するに

やはり現実には過酷だったのだろうなと

涙が止まりませんでした。



頑張って来たんだよね…。

何もしてあげられなくてごめんね…。


そんなような言葉を

テンちゃんにかけずにはいられませんでした。



家の用事をしては

またテンちゃんのところに戻り

しばらく一緒に過ごし…


そんなふうにして

何もできないけれど

ただ少しでもそばに居たくて…

できる限りそばに居たくて…。


そんなことを数回重ねるうちに

テンちゃんは

大きく息をして

「はぁー」というような声を出したかと思うと

そのまま

二度と呼吸をすることはありませんでした。



テンちゃんを見つけてすぐに

病院に連れて行ってたら

間に合ったんじゃ無いかという後悔と


見つけたときにもうすでに

助かりそうにはなかったという言い訳が

頭の中で交錯して


あまりに泣きじゃくっている私を

息子くんが心配してくれて

頭をポンポンとしてくれました



テンちゃんの亡骸は

家の中に猫達がいるので


どうしても家の中に

入れてあげることはできませんでしたが、


夜露に濡れないところで

一晩を過ごしてもらいました。



テンちゃんには幸せを感じてもらえる時間など

与えてあげることなど何もできなかったけど、


せめてこれから花を入れてあげて

テンちゃんの亡骸を火葬して

弔ってあげようと思います。





犬ふるさと納税でできる動物たちへの支援猫

返礼品は無いです。

1,000円からできるので

枠がもし余っていましたらニコニコ