ばあの家に着くと、みんながそれぞれの事をしていた…



杏菜ちゃんが、裁縫をしていたので、
『これ、杏菜ちゃんが作ったの?』





『(杏菜)うん。』



気まずそうながら、返事を返してくれた…



(良かった~

返事くれたよ…)



ちょっと、安心した…



暫く、みんなで、くつろいでいると、彼女が杏菜ちゃんに話しかけた…




『杏ちゃん…

やまさん、水曜日で家を引っ越すけど、どうする?

帰って来る?』



そう彼女が聞くと、杏菜ちゃんは、小さく頷いた…



こうして、ようやく杏菜ちゃんは、自宅へと戻る事が出来た…




(長い間、辛い思いさせて、本当にごめんね…)


何度も、何度も心の中で謝った…







翌日…


私は、ばあに電話した…

『やまさんです…

昨日は有り難う…

色々お世話になりました…』





『やまさん…
何時でも遊びに来て良いからね…

縁が切れた訳じゃ無いから…』





『有り難う…
大丈夫だから…


まあくんは?

代わってもらって良いかな?』


すると、正雄君が電話に出る…




『もしもし…

やまさん、本当にごめんね…


杏菜も、やまさんが嫌いで言ってる訳じゃなくて……』





『うんうん…
解ってるよ。

嫌いな人なら、簡単に言えたんだろうけど、そうじゃないから、彼女は、苦しんだんだと思うから…

瑠美子が離婚したすぐに、家族の時間も無く、僕が一緒に住んじゃったから…

当然だと思う…

だから、まあくんも、マイナスに考えないでね…

本当に、まあくんが色々聞き出してくれたからこそ、方向性が定まったから…
本当に有り難う…

また、これからも、お願いします…』





『そう言ってもらえると、助かります…

では、無理しないように…』




そう言って、電話をきった…



(残りの日にちを、大切に、大切にしよう……


いつもニコニコ……)




そんな思いで一杯だった……