青(臭い)春(の)万年筆 | 華麗なるヲタ族 ~哀と自虐に満ちた独り言の日々~

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ヲタクで変人、社会のはみ出し者を自称する広島のアウトロー【クズノキワミオヤヂ】が戯言・寝言・妄言・世迷言・虚言・失言・暴言などをグダグダ垂れ流す独り言ブログです。

父親の使っていたパイロットエリートSを引っ張り出して字を書く練習を始めて月日が流れましたが、あれからしばらくしてまた一本、万年筆が出てきました。



【パイロットセレモ】というベスト型(※キャップの頭と尻軸の先端が平らにカットされたデザインを持つ万年筆の類型の一つ)の万年筆です。

製品の位置付け的には入卒期の学生や新社会人向けの廉価な万年筆(金ペン)で、今日のようなアクセサリーや宝飾品的な意味合いが強い高級文具ではなく、万年筆が一般的な筆記具だった時代の実用文具たる1本です。

これ、実は私が中学の卒業式の時に母校で配られた卒業記念品で、かつて所有していた戦前モンブランと併せて使用していたもの。




モンブランのペン先は表記こそF(細字)でしたが、日本の中字(海外で言う“M”)以上に相当する太さで、当時使っていたツバメノートのA罫(7mm幅)でギリギリ使えたものの、授業で配布されるプリントやテストの答案に使われるようなわら半紙(ざら紙)ではペン先が太い分インクの滲みが酷く、まともに使えなかったことから、細字のセレモに持ち替えて使い分けていました。

私が中高生だった1980年代当時は既にボールペンやシャーペンも当たり前に普及はしていましたが、私は中学校の途中でモンブランをお下がりでもらうまではずっと鉛筆しか使わず(使わせてもらえず)、ボールペンやシャーペンに触れる機会がありませんでした。

加えて当時は“万年筆を持つ”=“大人の仲間入り”という認識や憧れを持つ子供や中高生もまだ少なからず存在し、私くらいの年代の親の世代も“入卒祝いに贈る物”=“万年筆”という図式や観念が根強かったことから、万年筆を持つ・万年筆を学校で使う学生はさほてぁ珍しいことではありませんでした。

そんな学生たちが入卒祝いでよく贈られたのがこのパイロットセレモのような14Kのペン先が付いた万年筆が多かった気がします。

↑大まかな大きさの比較。左がパイロットエリートS、右がプレピー03。

↑こちらの画像では同じパイロット製のエリートSとキャップを差した状態の比較。こうして見るとエリートSとあまり大差ない長さで、長過ぎず短過ぎず、ちょうどいい感じ。ちなみにもらった当時は胴軸にシルク印刷で“広島×立○○中学校”“第○期生卒業記念”と金色で入っていましたが、今ではすっかり印字が消えています…(汗)



私より少し上の世代だとパイロットエリートSのようなショート軸のポケット万年筆が流行って主流を為していた時期もあるようで、流行り廃りはあるものの概ねこのベスト型が学生向けの廉価な万年筆のデザインとして定番で好まれたようです。
近○真○の「ギンギラギンにさりげなく~♪」──…ではなく(苦笑)、金キラキンがさりげない”14K(585)のペン先。色は山吹色の黄金に近い18Kよりも黄色が薄く、弾薬の薬莢に使われる真鍮(砲金)に近い感じ。金の品位は18Kより落ちるとはいえ、ボールペンと違うのだよ、ボールペンとは!



ちなみにこのセレモは現在も現行品として販売されていて、新品は入手可能。

いつ頃から販売されているのか定かじゃありませんが、ネットで調べた限り1980年の製造を示す製造コードが入った個体を確認しているので、少なくとも36年以上は生産され続けていることが伺えます。

なお、この個体は1985年製なので、既に30年選手となりますが、プラスチッキーな樹脂軸ながら特に割れやヒビもなく、カートリッジを挿せば何の問題もなく使えます。

1968年製のエリートSですら何のトラブルもなく現役であることを考えれば、パイロットの万年筆はセレモのような廉価な万年筆ながらしっかりした作りだったんだなぁと感心します。
↑カートリッジを挿した状態。吸入機構を持つ吸入式万年筆よりも取り扱いも簡単でシンプルそのもの。



ちなみに現在はセレモにブルーブラックのカートリッジを挿して使い、それと入れ替わりでエリートSはキレイに洗って現在は休眠中。

インクを入れた万年筆は長期間使わないとペン先が乾いて字が掠れてインクの出が悪くなり、最終的にはペン芯の目詰まりを起こし、最悪故障してしまう(※こうなると素人ではどうにもならず、メーカー送りになる)ため、使わない万年筆はもったいなくても万年筆に残ったインクは全て廃棄し、キレイに洗って乾かして日の当たらない場所(机の引き出しなど保管しておく必要がある手間の掛かる筆記具。

特に古い万年筆となると既に補修部品が手に入らない場合もあり、故障してからでは遅いため、大事をとってエリートSは休眠としました。

一応、父親の遺品だし、出来ることなら私が死ぬまでずっと持っていたい万年筆ですから。

その点、このセレモは大して良い思い出もない、クソつまらんかった母校が記念で配った安い万年筆ですから、エリートSほど大して思い入れもない(存在を忘れていたくらいな)ので、完全に実用文具として使い倒してやります(苦笑)

今でも現行品として売られ、修理対応は安く受け付けてもらえる(※最近出入りしていた文具屋にたまたま営業で来ていたパイロットの営業マンから確認済み)ため、こういう廉価な万年筆は傷や汚れは気にせずバンバン使うのが本来の実用文具たる万年筆のあるべき姿だと思いますしね。

ええもん発掘しましたよ。