SEKONIC AUTO LEADER L-38 ~前編~ | 華麗なるヲタ族 ~哀と自虐に満ちた独り言の日々~

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ヲタクで変人、社会のはみ出し者を自称する広島のアウトロー【クズノキワミオヤヂ】が戯言・寝言・妄言・世迷言・虚言・失言・暴言などをグダグダ垂れ流す独り言ブログです。

最近、旧宅の取り壊しの延期、建築許可が下りない、被災した自宅の修繕云々でバタバタしているコトもあり、ブログの更新はサボリ気味な南部廣洲…(汗)

ただ、チマチマと下書きは書いていたのでようやく記事に。

今回の話のネタはこちら。


































たぶん、コレをパッと見せられてもほとんどの方はこのブツは何に使う道具なのか見当も付かないかと思いますが、これは露出計という光の明暗を測り、露出を読み取る測定器。

日本の露出計メーカー、セコニック社が昭和35年に販売していた【セコニックオートリーダーL-38】という機種の露出計(反射光式)です。





ちなみにこれは母方の祖父が遺したカメラ機材の箱の中から出てきたもので、おそらくじっちゃんが中国新聞社でカメラ記者をしていた頃に使っていた仕事道具(※)だったんじゃないかと推測されます。

(※機材の入った箱には中国新聞社時代の取材メモと年月日、現像済みのネガを収納するネガシートを入れておく紙袋に中国新聞社と捺印されているため)





知らない方もいらっしゃるかと思いますので一応説明しておきますが、昔(60年くらい前)のフィルムカメラは露出計を持たない機種が大半で、露出計が付いていない機種にはオプション品という形で外付け式の露出計を取り付けて使える簡易的なものもあったようですが、そういったカメラは概して大きくてかさばり不格好で、内蔵露出計を持つのは中級~高級機などの一部の機種に限られ、比較的高価だったコトなどから、コストダウンや小型化で露出計が当たり前に内蔵されるようになるまでは露出計の付いたカメラは少なかったそうです。

そんな時代とあって撮影は基本的にフィルムを買った時に付いてくる紙箱に記載された露出の目安表を参考にしてに任せて撮るか、こういった単体露出計を使って撮影するのが一般的だったらしい。

そして当時の単体露出計の方式としてスタンダードだったのがセレン光電池式です。




↑屋外の天気のいい日、時間帯、場所ではこれが通常ポジション。





↑日陰や曇りの場合は【CLOSED】から【OPEN】に切り替える。





↑雨天や室内では【AMP】に切り替え、アンプ(補助板)を展開。


受光部が昆虫の複眼を彷彿させるデコボコした形状は集光レンズのような役割をしており、その独特なデザインから一目でセレン光電池式と分かります。

セレン光電池式はそれ自体が起電力効果を持つ、今で言う太陽光電池の一種(同時に最も原始的な光センサー)であり、電源を必要とせず、セレン素子の色感度特性がフィルムや人間の目に近く、質の良いセレン素子は耐久性が高いなどの利点がありましたが、その一方で受光面積に比して起電力が弱い(発電効率が悪い)ため暗所では使えない、故に測光精度が低い、受光量に対して発電量が必ずしも比例しないコトから応答性に難がある(レスポンスが悪い)などの欠点もありました。

あと、これは欠点とは違うのですが、セレンという物質は性質が砒素に似るコトから毒性があり、廃棄処分されたセレンによる土壌汚染などの環境問題で近年は使用されなくなったなどの理由でセレン光電池の補修パーツが手に入らないコトなどから修理が難しくなっているコトが挙げられます。

このオートリーダーL-38も湿気の多い場所で長期間置かれ、保管が悪かったせいでセレン光電池がダメになっており、著しく精度が落ちていた個体で、フィルム感度をASA(ISO)100に合わせた時、実際の適正露出の数値よりも+2段くらいオーバー目の数値を示していました(←厳密にはセレンではなく、セレンを塗布した金属板や電極周りが腐食してダメになっていた)。

さすがにこのままの数値で露出を合わせてしまうと白とびした写真ばかりになってしまうので、例えばASA100のフィルムを使う時は露出計のフィルム感度設定のダイヤルの指標をASA400に合わせてやるコトで+2段オーバーする露出のギャップを埋める(補正する)という苦肉の策”で何とか誤魔化しながら使っていましたが、これでは使うフィルムの銘柄(感度)を変えた時に感度設定をする際に混乱が生じてしまうコトがあるため、急いでる時にはちょっと困ってしまいます。






そこで、この単体露出計を何とか安上がりに再利用出来ないかと考え、行きつけのカメラ屋に依頼してセレン光電池の代替として最新式のアモルファスシリコンセンサー(太陽光電池)が使えるように抵抗器などの電子部品を交換・増設してもらい、見事復活させました。

なお、オリジナルと区別するため、オイラはコイツを【セコニックオートリーダーL-38(改1型)“MOREAL”】という独自の名称(※)を与えています。

※ちなみに“MOREAL”とは“オートリーダーの近代化改修型”を意味する【MOdernize REpair of Auto Leader 】の頭文字から命名。

さらに“MOREAL”という名には“More Real”──「より現実的(=写実的)」を意味する形容詞を短縮してくっつけ、そういった意味合いも含まれています。

いや、わざわざ独自の名称を与える必要性は全くもってないんですけど、もはや外観やメーター以外の中身の部品はほぼ総入れ替えの別物ですし、こういうもの(どういうもの?w)はちょっと遊び心があってもいいじゃないかなぁというコトで、如何にも軍用兵器のような制式名や略称をこじ付けてみただけです(←「我ながら結構洒落た名を付けた!」と自画自賛して阿呆w)。

単体露出計を謂わば“光学兵器”に見立てたというワケです。





まぁ、何はともあれ…昔の二つ折のガラケーと同じくらいの大きさのこんな小さな単体露出計でも割と大掛かりな改造だったので、OH基本料20,000円+部品代5,000円+部品加工費、その他諸々10,000円=合計35,000円ほどかかりました。

いやね、この金額なら現行のスタジオデラックスⅢ(←カメラマンのマストアイテム、写真学校の推奨品、単体露出計の名機)あたりの性能のいい単体露出計が新品で買えてしまうのですが、じっちゃんが昔使っていた仕事道具、遺品というコトで思い入れもありますし、質感の良い金属部分とプラスチックでも骨董的な味のあるフェノール樹脂(ベークライト)の組み合わされたボディやそのデザインがなかなかオシャレで気に入っていたコトもあり、「何としても修理して使いたい!」という悪い虫が騒いでしまい、安上がりに済ませようとして結局新品を買うのと大して変わらない、限りなく本末転倒で無駄遣いと理解しつつ修理と併せ改造もお願いしました。

これでまた半世紀くらい…手入れを怠らず防湿庫に保管しながら使えばさらにあとたもう100年くらいはクラカメのお供に使えます←いやいや、その頃にはアンタぁとっくに“死んどる”からwww

アモルファスシリコンセンサーに換装したおかげで測光精度や応答性が劇的に良くなっているため、センサーの取り付けは正面の受光部のみでよくなり、曇り空や日陰では“OPEN”、雨天や明るい室内、暗所では“AMP”といった感じで測光切り替えや蓋の開閉、アンプ部分の展開はただの儀式やギミック的な遊びと化していますが、そういった操作も被写体の露出を一つ一つ段取りを踏んで測りながら雰囲気のある撮影を楽しむもの”として捉え、自分はこの無駄な操作性をむしろ楽しみたいと思います。

これから春になるにつれてイベントも増えてくる季節ですから、クラカメを持ち出して写真を撮りに出掛けるのが楽しみです(^^*)



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