蘇る銀老~Resurrection of Silver Watch~ | 華麗なるヲタ族 ~哀と自虐に満ちた独り言の日々~

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ヲタクで変人、社会のはみ出し者を自称する広島のアウトロー【クズノキワミオヤヂ】が戯言・寝言・妄言・世迷言・虚言・失言・暴言などをグダグダ垂れ流す独り言ブログです。

あの8月20日の土砂災害から早3ヶ月…。

季節は冬となってしまいました。

地元はメチャクチャ、自宅も被災、人や家、物がなんもかんもが流され、地元民の多くが荒れ果てた地元の惨状に絶望し、県内外へ転居・移住し、コミュニティーとしての存続も危うい(自然消滅のカウントダウンは秒読み)という状況にあって、中学生の時に生まれ故郷(長崎の壱岐)が災害で消滅したコトで父祖の土地である広島のこの地に移り住み、ここを“第二の故郷”として人生の半分以上を生きてきた私もさすがにこの土地での再建はあきらめようかと考えていました。





しかし、その考えは一つの小さな“奇跡”がキッカケで私はこの土地に留まってもうイッヘン頑張っちゃろうと考えを改めました。

【奇跡】という安易な言葉は好かない(←奇跡は“起こりえないコトだから奇跡”というのが持論のため)オイラがこの言葉を使うほど、この出来事はオイラにとって小さいけれどデカい幸運でした。





事の始まりは今日──地元の警察署に火事場ドロ(※)の被害届を出していた関係で用事があり、ここに訪れる機会があった。

(※あの災害で被災した自宅を留守にしている間に家財道具や先祖伝来の品を筆頭に、オイラのコレクションしていたカメラや切手コレクションなどの金目のもの、さらにはじい様の猟銃と実包がロッカーや金庫ごと盗まれ、被害を受けました)

んで、その折りに警察署内で土砂災害の現場で発見された遺失物に関する張り紙が掲示されているのを見つけ、「もしかしたら“盗難”にあったと思われた家財道具や土砂で流された我が家の思い出の品を誰かが見つけて届けてくれているかもしれないと」と思い、遺失物を保管している部署に問い合わせ、照会させてもらうコトに。

通された一室に所狭しと置かれた遺失物を一つ一つ目を凝らして確認していく。

が、やはりそう都合良く見つかる、届いているワケもなく、家財道具や思い出の品は見つかりませんでした。





あきらめて帰ろうと思ったその時でした。

遺失物の中に一つ、一般的な家庭用より少し大きめな業務用の電子レンジサイズの大きな金庫が目に留まった。

我が家にはこのサイズの金庫はないので、もちろん我が家の金庫ではない。

しかし、何だか見覚えのある金庫だった。

しばらく眺めていると「この金庫、まさか…!」と思った瞬間、思い出した。





そう…時計屋のじいさんのところに鎮座していたあの古びた金庫だった。





その金庫は時計屋の店内に客から預かった時計や仕入れた中古時計を保管する専用の金庫としてカウンターの横に置いてあったもの。

特徴的なダイヤルとレバーの形から間違いなかった。

もしコレがあの時計屋の金庫ならオイラのひいじい様の時計、形見の手巻きモーリスな中に入っているかもしれない…!

そう思うと居ても立っても居られず、早速時計屋のじいさんに連絡して事情を話し、じいさんを軽トラで迎えに行って警察署に連れて行き、金庫を確認してもらうと、やはり記憶通り時計屋のじいさんの金庫だった!

遺失物の担当係の話によると見つかったの2ヶ月近く前。

時計屋から50メートルほど離れた田んぼの横の畦道付近で土砂に半分埋まっていたのを消防の方が見つけ、警察に届けたらしい。

雨ざらしだったため、金庫は錆や泥でボロボロなコトから、おそらく中身はもうダメになっているかもしれない。

しかし、長いコト行方不明だったひいじい様の形見のモーリスが壊れてても手元に返ってくるだけ“マシ”だと自分に言い聞かせ、半分あきらめムードでとりあえず軽トラに金庫(約70kg)をやっとの思いで積み込み、じいさんの自宅に持ち帰った。

ダイヤルやレバーは錆び付いて開かなかったため、鍵専門の業者を呼んで金庫をこじ開けてもらうと……そこにあった光景は──。

何と、中に保管されていた時計たちは土砂に流された衝撃で一部風防が割れたり、針が取れたりといった物もありましたが、じいさんが時計一本一本をサランラップでグルグルに巻いてシリカゲル入りの厚手のビニール袋(ジッパー付き)に二重に入れてキッチリ密閉し、金庫内にもシリカゲルの袋をしこたま突っ込んでいたコトもあり、水濡れや錆もなく、致命的な損傷は一本もありませんでした。

ひいじい様の形見のモーリスも風防の縁がヒビって風防が外れていましたが、竜頭を巻くと普通にちゃんと動き出しました!

時計屋から土砂崩れで50m近く転がって流されていた間、相当な衝撃を金庫内で受けていたであろうはずですが、中の時計は機能的に何の不具合もなかったのは奇跡としか言いようがないですし、時計屋のじいさんが金庫内の時計は防水が利くくらいまでしっかり湿気対策をしていたじいさんの几帳面な性格も幸いしたのかもしれません。

半ばあきらめていたひいじい様のモーリスが風防の破損を除けばほとんど無傷だったコトはただただ嬉しくて仕方がなかった。

最低でも1ヶ月近く、水濡れや湿気の脅威に曝されつつ、地獄の底から這い上がってきたこのモーリスの運の良さ──不運続きだったオイラにも一筋の光明が見えてきた気がします。





んで、今はどうしているかというと、じいさんの時計屋が被災しているコトもあり修理する機材がなく、予備の風防も調達出来ないコトから現状では修復出来ないため、現在はセロテープで仮止めして応急処置。

風防はいずれ時計屋を再開した暁にじいさんに交換してもらうか、時計の修理をやっている店を見つけてそこで交換してもらう予定。

ゼニがないので、年内の修復は無理でしょうが、まぁ仕方がないです…。

どちらによ、今は無事に帰ってきたコトを喜ぶコトとします。





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